これまた羽裏、これは額裏タイプではなく、小紋柄。
実は頼まれて落札したのですが、こういうエビ柄苦手です。
この「足」がなんともねぇ・・。なんていうのか生理的にこのタイプの
もぞもぞ動くたくさんの足・・ってのが苦手なんです。
当然「昆虫」も。でもとんぼは細くてそんなにカキコキしてないから許すっ!
と、かってなことを言ってないで・・本日のお題「おめでたいとき」
いや書いてる私が一番オメデタイ感じなんですが・・。
日本は四方を海に囲まれたちいさな島国で、太古の昔から海の幸に恵まれ、
守られてきたといってもいいでしょう。
日々の暮らしの中に「食べ物」としてだけでなく、祝うものやまじない、
お守りなどとしても、さまざまなものが使われてきました。
「海老」などはその最たるもの、お祝い事に「鯛」とセットでハズせません。
美味であると同時に「赤」という色が、日本では重要な色でした。
「赤」を重要視するというのは、日本だけに限らないのですが、
日本は特に聖徳太子が遣隋使を使わしたときにわが国を「日出ずる国」とし、
日の出日の入りに見える赤色を太陽の色としたわけで、
めでたいときには「紅白」の幕を使うとか、国旗の色にも使われています。
元々、世界的にも「赤」という色は血の色、炎の色でもあり、
エネルギーを感じる色、生命、健康といったことと深くつながって、
太古の昔から、祭祀、呪術などにも広く使われたわけです。
赤と言ってもいろいろな赤がありますが、日本の古代の赤色顔料は
朱砂(水銀朱)、鉛丹(光明丹)、ペンガラ(酸化鉄)の三種。
朱砂は水銀製造原料でもあり、金の精錬に不可欠なものです。
但し、身体にいいわけありませんね。それでも、太古の人は、
鉱物のいろいろな変化から、こういうものを「不老長寿の薬」としても
考えていたようです。こわーい。朱砂は「銀朱」といわれるもので
水銀から作られます。鉛丹というのは、今でも使っている「さび止め」
ベンガラは皆さんもご存知ですね。
朱砂は量を作るのはたいへんな貴重品でしたから、
たとえば建物をマッカに塗る(昔の建物はみなマッカ、平安神宮はいい例です)
なんて場合は、ベンガラを使いました。
とまぁ、赤という色は日本人にとっても特別な色で、お祝い事には
この「赤」と神の色「純潔・高潔」といったことをあらわす「白」が
組み合わされたわけです。
で、海老とか鯛は赤という色から祝い事に使われたわけですが、
じゃ「カニ」は??・・これ素朴な疑問なんですが、私もわかりません。
海老はその曲がった腰(海老にしてみれば腰じゃないのかも)が
「長寿」をあらわす、つまり「腰が曲がるほどの長生き」という意味から
お正月のお供えとか、結納品とかに使われます。そんなことから
カニよりも一歩前へでたのではないかと・・第一カニって横歩きとか、
アワふくとか、人になぞらえたときいいイメージありませんものね。
えー、海老のお話しから「赤」のお話しになっちゃいましたが、
海のものがおめでたいことに使われたということでもう少し、
結納品を見るとたくさんありますね。
先ずは「熨斗」、これは「のしあわび」のこと。
のしあわびは、まずあわびをかつら剥きして長く伸ばし、生干し状態で
さらに叩いてのばし天日干しにする・・という手の込んだものです。
栄養価が高く(昔は滋養がある・・・という言い方をしました)、
日持ちする乾物にできましたから、古来より神事のお供え物として用いられ
また戦場などの携帯食などにも使われました。
太古の昔からたいへん貴重で高級な「贈り物」だったわけです。
今でも「熨斗袋」といいますね。あれはその「最高級の贈り物」を表す印、
あの紅白の和紙で小さく縦長の6角形につくってある飾り、
あの中に薄茶色の半透明のものがひょろっと入ってます。あれがつまりは
「のして乾燥して細くきったあわび」というわけ。
「鰹節」は「勝男ぶし」、これは当然「勝負に勝つ」という縁起担ぎです。
「するめ」は「寿留女」、 寿を留める女という縁起。
「こんぶ」は「子生婦」、子宝にめぐまれますように、つまり「子孫繁栄」。
こんぶは成長が早く繁殖力が強いので、そういわれたのでしょう。
結納には、このほかに「お酒」「扇」「友白髪(麻のほぐしたもの)」などが
いっしょに収められます。関東式とか関西式とか、いろいろあります。
エビからここまでひっぱってきましたが、
本日もう一枚写真を・・・。ついでのことに「海のものづくし」です。
これは実は「私物」なんですが、買って「失敗したー」と思っている帯です。
古着屋さんで出たものなので「新品」なのですが「古着扱い」で
確かに「格安」だったんですが、なんとも変わった柄で・・・。
合わせる着物がありゃしない。水族館、海の自然と仲良くなろー・・みたいな。
数えてませんが、とりあえずポピュラーな「海産物」はみんないそうです。
アップしてみると・・・こっちのエビくんはこんなカオ、イカくんとにらめっこ?
こんな珍客?もおりまっせ。
撞木ザメ、ハンマー・シャークですね。
青地に白い波頭柄、ついでに沖に船の2~3隻もおいて・・なんぞという
シャレた訪問着にでも合わせたら、パーティーなんかにいいかもしれませんが、
そういうものを作るお金も、着ていくチャンスもないとんぼ・・・。
どう考えてもタンスのこやしかいな・・・。
t.hori@karintou-kyoto.com
なお、以前にアップされていた屋根がつらなった図柄、ありましたよね、そんな着物(母の形見)私持ってますっと言っていました、それ今日のブログで紹介してます。
結納の品、
多栄金(だいこん)家満栄茂(やまいも)御久和志(おかし)寿留女(するめ)永和栄多留(いわいたる)などなど一杯そろえたのに、その後離婚になったのもあったり、それこそおめでたい話も多数あり
とんぼさんの帯、これ染めですか?帯っていうと織物?細かい柄ですね。
とんぼさんで締めるところがないなら、誰がこんな柄締めれる?
別メール出させていただきました。着物も拝見させていただきました。優しくていい色目ですね。お父様の思いのこもった一品、こういうのを「家宝」というのでしょう。ずっと受け継ぐことのできる着物は、やっぱりなくなっちゃいけませんね。
蜆子様
日本人の言葉遊びというか、こういうものには感心しますね。ま、祝ったからといってうまくいくとは・・ですねホント。
私がしめなきゃ・・って、そりゃないですよぉ~。これ、織の帯です。六通、まぁまぁの柔らかさ。シャレ帯ですよね、完全に。
拙ブログのプロフィールに掲載している着物の柄、卯波ですので。。。(^^)
お着物に、あうのでしょーか・・。
そのせつはよろしくお願いいたしまーす!
あとはお値段のつりあい・・それが一番のモンダイですが・・。
魚達の帯これは縫い取り刺繍の帯ですか。
こんなに沢山の魚達の帯、初めて見ました。
珍しい柄ですね。
色無地なんかに合わせられてもいいのでは、
と思いますが・・・
おっしゃるとおり縫い取りです。自己主張の激しい帯で、中身忘れて「なんだっけ?」とたとう紙あけると、そのたび「ギョッ」とやってます。
でも、ご執心の刺繍帯のようですので、当然ながら、
譲る決心をした後(何年後でも結構です)、ご一報くださいませ~(^^)
とりあえず、和之介でもとんぼでもかまいませんので
ブックマークのところからお入りいただいて、空メールでかまいませんので、お送り下さいますか。よろしければメールアドレスを登録させていただきます。