ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

こちゃごちゃしてますが・・

2005-11-01 00:44:58 | 着物・古布

これは長襦袢です。真ん中の柄が違うところが「背縫い」で、
右と左にちょっとだけ見えているのが「袖」です。
この画面のすぐ上が衿です。わかりにくくてすみません。

なんでこんなにいろんな模様が入っているかといいますと、
これは「染め見本」を使って作っているからです。
「染め見本」というのは、呉服屋さんや染め屋さんで、
お客様がこれを見て、白生地に染めてもらう柄を選ぶものです。
染めの見本ですから、当然生地もそれなりにいいものを使いますし
染めももちろんきれいです。普通の反物は一反で約12メートル以上
というところですが、染め見本はたいがいその半分、6メートルくらいです。
同じ系統、例えば紅型風だと、紅型のさまざまな模様とさまざまな色目のもの、
或いは同じ柄の色違い、など30~50センチくらいの長さで染めたものが、
つながっています。写真の左上あたりの白い線が、その境界線です。
この見本は「錦紗」で状態はかなりいいので、作ってあまり着てないようです。 

柄は「秋のもよう」いろいろのようですね。
左の「もみじ」は一見、水の流れに浮かぶもみじに見えますが、
実は良く見ると「青」の染め部分は「竹」です。ちょうど「フシ」のところに
紅葉の葉っぱがひっかかってるカンジでしょうか。
右上オレンジ色のところの大きな「クルッと○描いてチョン」みたいなの
「みかん」のように見えて、実は「菊」です。
こういう「○描いてチョン」の菊は、たいがいはもっと細かくて、
生垣なんかで満開になって垣根を埋め尽くしているような絵が多いのですが
これは大きいですね。そのかわり輪郭の線の中に良く見ると小菊が入ってます。
この丸い菊は「万寿菊」とか「饅頭菊」とよばれています。
その下は、染め疋田の雲取りと、図案化された満開の小菊。
左袖には細かい紅葉もあります。右袖は「うるし」か「はぜ」か
真っ赤に色づいた木の葉が並んでいます。

和服の世界は、洋装のようにサイクルの早い「はやりすたり」はありません。
それでもやはり流行が全くないわけではありませんから、
こういう見本も何十年も使うというものではありません。
でも、着物として縫われるわけではないので、手垢のヨゴレやホコリはあっても
「新品」と同じなわけです。だから「じゅばん」にするわけですね。
こういうじゅばんはけっこうよく見かけます。昔の人の「もったいない精神」が
十分生かされたリサイクルですね。

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