久しぶりの着物話題です。トップ写真は古い本からの写真。昭和57年、35年くらい前ですか。
まぁオーソドックスと言いますか、よくある吉祥柄ですね。
この格天井柄の金糸部分が、年と共にゆるんだり切れたりする…やっかいなタイプですね。
友人から「留袖」の相談がありました。
結局レンタルすることになったのですが、その経緯の中でまた現代着物事情、みたいなことを
ふと考えさせられたわけです。あーほんっとに「昭和は遠い」わぁぁぁ。
私たちの親の年代は「着物は大事なもので、何かあったら着物なら間違いない」が基本でしたから、
娘を嫁に出すときは、箪笥に一通りのものを揃える…という考え方が一般的でした。
本人が自分で着られないことは「こっちへ置いといて」…です。
金銭的なこともありますから、最低でも…のことを考えると「留袖・喪服・訪問着、色無地」でしょうか。
そのほかに街着、普段着の小紋、紬少々…くらいですか。
もちろん、それぞれに合った帯や襦袢も含め、さらに羽織、道行き…あぁほんと、お金かかりますね。
娘三人いたら、身上がつぶれる…と言われる所以です。
最近の実情はわからないのですが、まぁ誰しも成人式の時の振袖は持っていると思いますからそれと、
あとは訪問着くらい?どちらかというと、着物なんか持って行っても着ないから…で、
そのぶん、洋装や家電品、日用品にかける方が多いのではないかと思います。
そして、結婚して何か礼装を着るようなことになったら、実際には着られないし、
後始末はわからないし、それはそれでお金がかかるし…結局レンタルが手頃になっていったわけですね。
一時代前は「嫁入りに持っていって当たり前」みたいなところがありましたから、
貸衣装というものには、いまよりずっと偏見があったと思います。つまり「留袖ももってないの?」とか。
以前、呉服屋の奥さんの話として書いたことがありますが、
結婚式は、必ず親族とか出席者全員の集合写真というものを撮ったものでした。(今でもそう?)
誰もがそうしますから、親戚で結婚式があると、どこのウチにもその写真があるということになります。
そのとき、フォーマル・ドレスやスーツなど、大枚のお金をはたいて買っても(私のは40年前で7万でした)、
毎度写真に同じ服で写っていると「この人、これしか持ってないのね」と言われる…。
洋装の悲哀ですね。価格ではなく、洋装は流行もありますし、目立つから「同じだ」と言われてしまう。
ところが「留袖」だと、毎度同じものを着ている方が「あ、留袖、自前だね」と言われ、
違うものを着ていると「貸衣装だ」と言われるんですね。
着物は高価、ということと、嫁入りに持たせてもらう、という先入観からでしょう。
あそこの嫁は、留袖も持たせてもらってない…なんて言われたり。
そんなことがあっという間に薄れて、今や貸衣装でも別に何も言われなくなってきました。
むしろ「留袖はみんな貸衣装でしょ」という感じです。価値観の変化ですね。
元々、昔は式場などで着つけるのは花嫁さん花婿さん、せいぜい新郎新婦の母親くらい。
あとはみんな、家から着ていくことが多く、そのために近所の美容院で髪を結って、
着つけてもらうことになり、その姿で電車に乗ったりして式場まで行くわけです。
ほんの少し前まではみんなそうでしたから、春や秋の季節のいいころの大安吉日には、
駅のホームなどで、留袖や振袖、訪問着の女性を見かけたものでした。
「あ、今日大安なんだね」なんて。
今や暦より「土日」、季節も関係なくなり、着付けは参列者もみんな当日式場で着付け…になりました。
そんなことからも、持っていなくても式場で貸衣装が借りやすくもなりましたし、
みんなそうなら、別に貸衣装でも恥ずかしくない、になってきたわけです。
実際、私なども、自分の身内で私が留袖を着る機会があると思われる人数が、
どう考えても一人か二人…だったら、留袖だって30代と50代では、ジミハデも考えなきゃなりませんし、
一度着るかどうかのもののために作るのは、もったいないわーと思います。
貸衣装事情もすっかり様変わりの今の時代、昔のように着物を着ないだけでなく、
昔のように、それを後々どうするか…まで考えるのが難しいのであれば、レンタルいいんじゃないでしょうか。
一回だけ着て、あとは箪笥の肥やしで何十年ではねぇ。着物もかわいそうですから。
なので、そんな話をしまして、今回は誂えるにもちと時間がないという事情で、
レンタルということになったわけです。
ツテある?ときかれたのでOKと答えると、友人曰く「以前、自分の身内が、かの有名な『晴れ着の○昌』で借りたら、
いかにも…のペラペラで、なんともねぇ…だったから、いいものを借りたい」と言いました。
貸衣装は価格で違います。ちょっと高くなるかもと言ったら、全部誂えること考えたら安いからいいと。
それで承知、「ツテ」に電話したところ、ウチも○昌さんだよ…あらら。
でも、10万出せばいいはず、というので、さっそく○昌さんのホムペを探したところ、上限が8万。
電話して「それ以上に出せば、もっといいのは借りられますか」とたずねたら「いえ8万以上はありません」…。
またまた「ツテ」に電話してそれを言うと「あららそうなの。でも8万出せばいいのがあると思う。
一度見に行ってダメなら『天下の高島屋さん』だね」と。またまた調べて電話をしましたら、
さすがというかなんというか、高島屋さん15万までございますって…。
もう一軒、横浜では「鈴乃屋」の貸衣装部がありますので、更にまたまた電話。
こちらは10万以上もございますが、数が少ないです。なんでか…これ、初めて知ったのですが、
貸衣装の高いのは、もちろん「質」もあるのですが、特殊サイズのことでもあるのですね。
わたしゃ今ならそっちだわさ…。
少ない枚数というのは、鈴乃屋さんでは「いわゆるLサイズ(横だけ?)、身長は155が限度(あたしじゃん)」
お店によっては「ハイ・クラス…上質・レンタル回数少な目・大きいサイズ」「レギュラー…一般的」
「リーズナブル…低価格」と分けているところもありました。リーズナブル…なんて10000円かかりません。
それで正絹、フルセットですから驚きです。
ちなみに、その友人、出されたもので首を縦に振らずにいたら、少し上乗せしていただければ、と、
奥から別のものをもってきたそうです。貸衣装は、誰も着ていないことも上乗せの理由ですから、
たぶん、いいものを借りられたのではと思っています。
前述の「フルセット」もびっくりでした。かつては「小物は自前」でしたから、肌襦袢と裾除け、足袋などは
持って行きました。結婚式の時「肌襦袢はガーゼのものを用意してください」と言われたので覚えています。
ところが今は「着物スリップ」という上下つながった肌着がありますから、
それと足袋もそろえてくれて、その二点は「ご成約プレゼント」で、ただでくれちゃったりするわけです。
そりゃそんなもん置いて帰られてもこまるでしょうからねぇ。
当然そういったものも含めての価格であっても…昔より安いわぁ…です。
おまけ話…
貸衣装店に出かけた友人、入り口付近に時節柄きれいな振袖と袴を着たマネキンさんが立っていたそうな。
よく見ると横に丈の短い着物が飾られていたので「あら、もう今から七五三のものですか?」と
店員さんに尋ねたところ「あ、それは袴用の着物です。見えないところはなくてもいいので」…。
・・・・・・・・えぇーっ!
まぁ全部が全部そうではなくて、ご希望の方だけでしょう。
袴の下に着る着物は、振袖であれ小紋であれ、普通の着物をいつもよりおはしょりを多くとって、
短く着付けます。帯は半幅か細帯。着方そのものは、普通の着物と変わりません。
でもその短い着物なら、着付けの手間も半減するし(着付け師さんお助け用?)、
着る方も慣れないものを着るのですから、シンプル・イズ・ベスト?
そしてその分、たぶんレンタル価格も安くなる…のだと思います。
しかし…ヤダ…。さぞかしスースーと寒いんでしょうなぁ…。
袴を穿くときの着物で「袴下(はかました)」というものが、昔からあります。
ひざ下くらいの対丈着物。私はモンペ用に作りました。こちらに記事があります。
ただしこれは、かつて「袴は男のもの」とされていたころのもので、男物袴は「馬乗り袴」、
股がちゃんとあって、ズボン式ですから、動きをよくするためには、これを着るか、
普通の着物なら尻はしょりをして、着物の前を左右に開くようにして、そのあと袴を穿くわけです。
女性の袴が一般的に着られるようになったのは、明治時代、女学校の制服になってから。
女性用でしたし、少し形も柔らかくして股はなく「行灯(あんどん)」と言われるスカート式。
だから単純に、丈を少し短く着ればよかったわけです。
だから…行灯なんだし…着物くらいちゃんと着てくださいよ、です。
合理性というのか、手間がかかりません、価格がやすくなります、そういうことを優先にして
「便利でしょう」をウリにするのは、呉服屋さんの怠慢であると思います。
「そこまでやるか、そこまでやっていいのか」が、「そこまでやってたら、それが当たり前になった」
なんてことになったら…と思うとねぇ。
いつもいいますが、緩めたり変えたりすることは、自然であるか順当であるか、でないと、
大元がどんどん壊れていきます。
自由と言われる洋装だって、ドレスコードは存在し、いぶにんぐとアフタヌーンでは違うし、
花嫁さんの白は着ないし、平服と言われてもジーンズではいきません。
着物も同じで「見えないから」ではなく、着物はこう着るもの、ということは、
面倒でも変えずに、その緊張感も含めて伝えていくべきものだと思います。
年を取って知っているものが、それをちゃんと伝えることも大事だと思います。
呉服屋さん、ヘンなもの作らないでくださいまし。
袴用ミニ着物のお話しを聞いて冗談に
「あらぁもしかして『今ならキャンペーン中、先行予約の方にモモヒキ三割引きでおつけします』とか?」
まぁ笑い話にはしましたが、こんな話を聞いたらこれから先、卒業式の袴姿のお嬢様方をみるたびに、
「下、あるのかな、ももひきか?」なんて想像してしまいそうです。
今日は成人式、なんとなく全体に「古典柄」が増えてきた感じのする昨今です。
盛り上げヘアと、白いショールはあいかわらずでしょうが、楽しみにニュースなどみましょう。
お天気、よくなりますように。
やめてくださいよコーヒー吹いちゃったぢゃないですか😄😄☕️💦
でも確かにそうですね、お稽古事でもしてない限り自分でサクサクと着られる人は少ないかも知れませんね。
しかし母親というのは、なんでこう娘にハデな柄を着せたがるんでしょう。
いつまでもあどけない娘の姿が重なって見えるんでしょうか、気の触れた姫君かよ⁉️って思うようなのを平気で選びます👘✨
かく言う私もいざ着ようと思ったら、何回ものお引越しで小物の仕舞い場所がわからんゎ、樟脳臭いゎ、それよりも何よりも身幅足らんやないかと大騒動です。
年齢と共にヘンな開き直りも出て来て、たまにゃ気の触れた姫君も着てみようかしらんと思う昨今です😁💕
私、レンタルは数万円~十数万円と思ってたので、
それなら、中古市場で探したほうが。。などと思ってました。
あ。。私サイズは。。個性的なサイズ故?リーズナブルにならないかもしれない。。>_<
若い頃、「着物」に興味も関心も一切なく、
振袖よりコート買って~
だった私、
今や最近の着物離れと反比例で。。。( ゚Д゚)
実家の箪笥の肥やしを形見分けと称して
我が家に移して。。
移しただけの箪笥の肥やしは。。続いてますけどね^^;
でも、サイズ直しもして準備万端なので?
あとは一日も早く子供たちが、
結婚「式」するのをまつだけwww←切実です^^;サイズが変わらないうちに。。
着物。。着るのはもとより、
保管が、場所はとる?し
「すごく」大変なことだと思い込まれてしまってるんですよね。。
我が家は狭くて虫干しするスペースがないので、
気が向いたら、箪笥の引き出しを開けて風を送ったり、
湿気取り頼みでして。。。
それでも、何とかなるものなのですけれどね。。。
私は自前の黒留袖はなく、上の子に続いて2回目のレンタルです。
1回目は●昌さん(笑い)、今回はネットで吟味して桂由美の今風のものです。
初めのとき購入を考えたのですが、コスパ上、却下しました。
家紋にこだわらなければ、レンタルとてもいいですね。
まぁコーヒーが、ほらっ拭き拭き…
私の母親の年代だと、自分の娘時代が戦争ですから
そんな反動もあるかもですね。
私は洋服のほうで「なんでこんなフリフリ」というのばかり
着せられましたっけ。
気の触れた姫君衣装、この際着てみましょー。
身幅はもう着物引っ張って…ビリッ…あれっ!
10000円は10000円…きっとペランペランだと思います。
価格は正直なものですから。
それにしても、今回10万との話でしたが、写真で見る限り、
とても品のいい色柄で、本人は「イマイチだけど」と
言ってましたが、そりゃ50万Ⅰ00万出してかうものとは、
どうしても…になります。
それでも、そばによって触る人もいないでしょうから、
誂えるよりは経済的だと思います。
着物の保管は、実は平らになる分、洋服よりも
収納場所は取らないのですが、
たとう紙に入れるとか、防虫とか手間がかかるとか
そんな風に思われるのでしょうね。
お嬢様のご結婚、おめでとうございます!
昔のように、なんでも着物…でなくなった今、
レンタルは上手に使えば、いいものだと思います。
家紋も言うと出してくれますが、柄が気に入らなかったり
なんてこともありますよね。
レンタルの紋は、だいたい「通紋」の五三の桐か蔦、
揚羽蝶などが多いですから、それこそ「自前」かどうか
わかりません。私の喪服なども、五三の桐です。
母は「誰かに譲るときも、紋をきにしなくていいから」と、
そうしてくれたようですが、留袖なんか、
譲る前に私が一度も着てないっての…。
あ、レンタルしますよぉってやるかなっ!?
晴れの日、お天気も日本晴れになりますように!
私は姑から留袖を譲られたのですが、やはり好みもありますね。
それよりそれを使うことがあるのかと???
早く使える日が来るといいのですが何だかそれも望み薄です(>_<)。
いろいろな意味で留袖は着る機会が減ってきましたね。親族でも着ないことも結構ありますものねえ。。。
ご近所さんがみるという風習が残っていました。
結婚した当初は日常はウールの着物に割烹着
でした。
親は大変だったと思います。留め袖は
甥や姪が年頃になった頃に作りましたが何度も
着る機会があったので良かったと思います。
何枚も持つものではないだけに、よけいに
ハデになる前にだれか結婚してよー、なんて。
逆に、以前ご近所にいた方、
私はお付き合いがなかったのですが、
耳にした話で「お仲人」をやるのが趣味?みたいな
ご夫婦がいて、買って出るわけではないけれど、よく頼まれる…
それで留袖も何枚か持っておられると…。
はぁ着る人は着るんだーと思いました。
洋装の人も増えましたけれど、身内の結婚式くらい
着物で出てほしいものだと思います。
そうでしたねぇ。私は関東でしたから、
お披露目まではいきませんでしたが、
京都のイトコが結婚することになってお祝いに行ったら、
座ってお茶飲んでる間にも、ご近所さんがいらして
そのたびに箪笥を開けてみせる…。
こりゃ大変だわ…と思いました。
彼女はイトコのなかでも、年下のほうでしたから、
着ることあるかどうかわからへんのに…と、
陰でボソッと呟いてました。
着る機会があるということは、おめでたいし、
着物にとっても嬉しいことですよね。
ウチの留袖は「気の毒な留袖」になってしまいました。