ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

お仕事の図

2006-06-23 23:02:49 | 着物・古布

じゅばんなのですが、袖には別布がついています。
ホディのほうはなんともモダンといいますか、
こういう柄はモスに多いのですが、これは平絹です。
帯にしたら、けっこういいかなと思っています。
実は、ほんとにほしかったのはボディより「両袖」・・・。
こちらのほうが面白い柄でしたので。こちらです。





どんな柄かといいますと「家内制手工業」?の図・・、
いろいろオシゴトしてるんですね。





これは「弓」職人の家のようです。真ん中の「笠」のヒトは、
注文に来たのか、それとも値切ってるのな?
武家の使うものですから、一本一本気合入れて作っているようですね。
次は「桶職人」、たがをはめ込んでいるところのようです。
わかりづらいのですが、左のはしは女性で、堂々と胸をはだけて、
赤ちゃんにおっぱいやってます。おおらかなもんです。





お次は「弓」があれば「矢」のほうも・・で「矢作り屋?」
廊下の左側の人のうしろ、もしゃもしゃと白く見えるのは「羽」」です。
この人「糊」を作っているようです。





こちらは「傘屋」ですね。軒先にさした大きな傘は「看板」!
一目でわかりますね。こういう傘は、身分の高い人の「日よけ用」、
もちろん自分でさすわけではなく、おつきの人が自分は日に照らされながら、
ご主人様にさしかけるわけで・・・。
作っている本人も家族も、自分がさしかけてもらうことなど、
一生、決してなかったことでしょう。





資料として正確かどうかはわかりませんが、当時の雰囲気というのは
たぶん、こんなもんだろうと思います。
世の中で「裕福」だったり「地位」を持っている人はほんの一握り。
大部分の「民」は、こうして毎日汗水たらして働いていたのですね。
あー今もかわらないか・・・。
それにしても、それぞれの家の庭先とか柴垣とかの素朴なこと・・。
ほんとにそのへんの家で、それぞれ親から伝わる仕事を
勤勉にやっていたのだと思います。

呉服屋さんの今の悩みは、さまざまなすばらしい伝統技術で
「後継者」がいないこと・・・だそうです。
私もときどき目正月させていただきますが、
この「織」ができる人はもう80すぎてて、あと2~3反織ったら、
リタイアするといっている、もう二度とこんなのでてきませんよ・・・って。
じゃほしい・・と思ってもまぁゼロがいくつつくことか・・・。
そうやって、昔ながらの仕事が、少しずつ減っていくのは寂しいですね。

この袖は無双なので、両方で2メートル近くあります。
別布とあわせて、服でも作ってみたいですね。





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9 コメント

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そういえば・・ (とんぼ)
2006-06-28 22:46:12
因幡のりさこ様

美人画とか風景画はおおいですけれど、こういう絵ってあまり見ませんね。本とは一番多いはずの人たちなのに。ほんとに昔はなんでも「手作り」だったんですよね。そーか、貴重だわ!大事にしなくちゃ。
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歴史博物館に… (因幡のりさこ)
2006-06-28 13:26:48
とんぼさま♪

昔むかしを彷徨っていることが多いりさこです♪この袖の絵柄、このまま歴史博物館に展示したいですね!歴史資料館などを覗いても、あまり庶民の生活ぶりを示す史料が置かれていないので、こういう絵柄は貴重だと思うのです
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Unknown (とんぼ)
2006-06-26 18:33:03
百福様

おそくなりましてすみません。額装・屏風もいいですねぇ!皆様からいろいろアイデアいただけて、ほんとにありがたいです。バタバタと決めずに、いろいろかんがえますね。
返信する
Unknown (百福)
2006-06-25 22:02:28
これが紙に描いたものでなく、布であるということに驚きます。素晴らしいですね。溜息でます。見事!額装したり屏風になさってもおもしろいのではないでしょうか。屏風ならばさぞかし。

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Unknown (とんぼ)
2006-06-24 20:47:10
ぶりねぇ様

ご提案ありがとうございます。

木綿に限らず、着方の基本といいますか、

そういうようなものについて、変遷なども含め

書いてみたいとは思っておりますが、

なにせアレコレ掛け持ちでやっておりますので、

いついつとお約束でくませんことをお許しください。



穴熊の女房様

このまま少し丈を詰めればじゅばんで

着られそうなのですが、この胴の柄、

外に出してやりたい気がするんです。

それと袖は洋服系・・とも思うのですが、

2メートル近くありますので、

なんとか着物系で使ってみようかと・・。

いろいろ考えるのも楽しいものです。



陽花様

ほんとに人間の知恵ってすごいですね。

おまけに金属以外は全部植物主体・・。

身の回りにあるもの・・で、まかなっていること

それも感心しますね。
返信する
Unknown (陽花)
2006-06-24 14:05:38
とんぼ様



「家内制手工業」珍しい柄ですね。

いつも思うのですが、最初にこういう

物を作る方法を考えた人はすばらしいと

思います。いまみたいに機械がある訳じゃなく

全部手作業ですものね。
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感激です。 (穴熊の女房)
2006-06-24 10:59:05
この布で 何を作られる予定ですか?

そのままで 楽しんで欲しい気がします。

時代物の 布なのでしょうか

それとも 割りに新しい時代に 遊び心で

書いたのでしょうか

素敵ですね 私も大好きです。

田舎に住んでいると こんな布 見るチャンスなかなかありません。
返信する
よく考えてみるに、 (ぶり)
2006-06-24 10:08:34
とんぼ様のブログを見てらっしゃる方は、

ご存知ですよね。

最近、木綿着物の着方、襦袢なしか、どーか、あちこちで話題になっていたもので、つい、

頼っちゃいましたけど。。。
返信する
この両袖、 (ぶり)
2006-06-23 23:36:42
身頃が傷んだので、いいとこ取りしたのでしょうね。

身頃の柄もモダンで、確かに帯にするといいかも。



ところで、ムシのよいお願いでなのすが、木綿着物、5月~9月頃まで、暑けりゃ襦袢なしOKとか、そもそも、木綿は通年だったとか、それと、浴衣との違いとか、いずれ、特集していただけるとありがたいです。 つい戦前まで、庶民は、木綿か、せいぜい銘仙だったこと、日常の着方は、着付け教室のセオリー(よそ行き、お出かけ着物)のTPOとは、本質的に違うところなどを語っていただければ、わかり易いのではないかと思うのですが、どーでしょ。。。
返信する

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