今日は雨になりました。
カゼはもうほとんど治っていますが、雨の日曜日だし、バタバタするのはやめておこうと、
机周りに置いてある本を、じーっと眺めていました。いらない本はないかなぁ…ないんですよ。
いるといえばいる、でも、まぁなくてもいいかなぁ…と、出したり入れたり。
トップ写真は、その中でホコリ払って元の通りに棚に入れたものの一冊。
あまりにも薄くて挟まってまして、あらこんなのあったわ、でした。
これは母の遺品になりました。
カバーをとると表紙ごと切れそうなので、カバーのままで。字も母の字です。
「非常時裁縫 和洋衣類の再生法三百種」という題の、例によって「主婦之友・付録」。
B6版の小さい本ですが、300種ぎっしりです。
「非常時」、つまり戦争直前ですから、とにかく糸一本もムダにしない!の再生法です。
しかし、とてものことにムリ…と思われるような繰り回しも、いえ、ヤル気の問題ですが。
例えば「丸帯を袋帯に」というもの。
下にページの写真を入れました。字が細かくてわかりにくいので、余分なところはぼかしました。
まぁ丸帯から袋帯は仕事としてはそれほど難しいことではありませんが、
縫い目の中央に、裁ち落とした端きれから金糸銀糸を抜いて、それを糊で貼り付ける、と…。
非常時とはいえ、こりゃすごい、です。根気のない私には当時だとしてもとてもできない繰り回しです。
昨日コメントで「花嫁の打掛」というお話がありまして、この本も見てみました。
打掛はありませんでしたが、花嫁振袖がありまして、やはり帯に作り替えてありました。
状態がよければ、いい帯になりますね。
またじゅばんに作り変えるのも、ひとつの方法です。あまりたっぷりの刺繍があったりすると、
ちょっと重たいですし、すれて上に着た着物の裏が傷んだりしますが。
以前、和服の本で、自分の和裁のお弟子さんが、自分の花嫁衣装を自分で作った時、
素材や柄を吟味して、式のあと「打掛は作り直して訪問着」「掛下は染めて色無地」にした、と
そんな記事を読みました。白無垢にしておくと、そんなことも自由ですね。
花嫁衣装系は、ヤフオクや古着屋さんでは、貸衣装などのものもでます。
それこそ昔のものだったりするとたいへん高価ですが、結婚式場で使われたものなどは、格安で出たりします。
中には化繊ものもあります。
打掛や掛下などは白無垢の場合は地紋が美しいもの、色打掛は刺繍などが豪華なものがでますが、
例えば片袖などは、鏡掛けにするのが多く使われる方法。いえ、今となっては「使われた方法」。
今や片袖を鏡掛けにするような「鏡台」が使われませんからねぇ。
ちなみに実家の鏡台には、鶴の刺繍鏡掛けがかかっていました。昔も着物のはぎれだったのですが、
打掛を友人から譲られて、その袖で作ったものです。もう一枚はタペストリーになって、今でもどこかにはいってるはず。
元々鏡に掛ものをするのは、昨日の「鏡は不思議なもの、魔力のあるもの」としての扱いで、
夜中に鏡を見てはいけないとか、汚すと悪いことが起きるとか、そういった目的で掛けられたもの。
母の鏡台にも、鏡掛けはいつもかかってまして、跳ね上げたままにしておくと叱られましたっけ。
打掛や振袖などは、だいたい緞子や綸子で艶があって美しいものが多いです。
白無垢なら、そのまま白い絹として洋服に作り変えるのもいいでしょう。
もし柄があるなら柄の部分だけを使って、例えばバッグなどの小物とか、タペストリーなど。
クッションカバーもテーブールセンターとお揃いで作ってもまだ余るでしょうね。
昔「古い着物は布団側」というのも、普通だったんですが、最近布団そのものも変わりましたからねぇ。
まだ敷布団掛け布団でお休みになっておられる方は少ないと思いますが、
絹は通気性がいいので、カバーにも使えます。綸子は縮みもあまり心配ありませんし。
もしベッドをお使いでしたら、ベッドカバーにしたら豪華ですね。
柄が続くように縫い合わせ、間に別の無地を入れるとか、別々にして大きなパッチワークにするとか。
ずいぶん前にきいた母の話ですが、母の友人が昔の自分の着物をお孫さんのベビー布団(掛け)にしたと。
正確には、出産準備で買ってあったベビー布団の、更にカバーとして作ったらしいですが、
中身が化繊綿ってのが気に入らん、と、母の友人はぼやいていたそうです。
「絹」というのは、とてもいいものでありながら、使い道はそのせいでかえって限られる…。
和服はやはり和服への繰り回しが一番馴染みますが、今の時代だからこその繰り回し、
もっと考えないと、古い着物はすてられるばっかりになってしまいそうです。
とても参考になりました。
鏡のカバーなら、不器用な私でもできそうなので、挑戦してみようかと思います。
また、よろしくお願いします。
同じく、和布で鏡掛けが掛かっています。
私はドレッサーでした。
お召の背中に、色落ちしてシミをつけてしまったので、
怒りにまかせて鏡掛けに裁ってしまいました。
祖父から貰った屋久杉の鏡台で余生を送っています。
今日、横浜今昔きもの市へ行ってきました。
雨なのに着物で「引き抜きの角だし」にチャレンジ、
何人かの人に「珍しいですね」と声をかけてもらいましたが、
「引き抜き」に見えなかったのかも。
正しい方法をご紹介したいと、
リンクさせていただきました。
いえいえ、少しでもご参考になることがあれば、
私も嬉しいです。
着物は、じゅばんでも羽裏でも八掛でも、
色柄素材で使うことができます。
鏡掛け、母のものは白地に大きな鶴でしたので、
なかなか豪華でした。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
昔の鏡台、今になって欲しいです。
実家のは、天井裏に押し込まれちゃってるかなぁ。
のこってるといいんだけど。
私もドレッサーでした。やたら大きいばっかりで、
場所はとるわ、使いづらいわで、
結局、何度めかの引越しで分解されて、
鏡だけこれまた実家にあるかな?です。
まぁ鏡台をお持ちですか、しかも屋久杉。
それはお宝ですねぇ。鏡掛けも映えることでしょう。
ブログ拝見させていただきました。
いいですねぇ引き抜きの角出し。
ご存知ない方もいますよね。
おたいこ曲がってますよ、なんて言われたりして。
リンクしていただいて、ありがとうございました。
横浜骨董市、お出かけされたのですね。
私もいつか絶対行こうと思っています。
写真の中の帯を品定めしちゃったりして
楽しませていただきました。
いい出会いもあって、よかったですね。