紫の着物、ブログでお近づきになった方から、またいただいたものです。
着物についてはのちほど細かく…。
雨の日のお話を書きましたら、次に「風」というお題を頂きました。
風ってのも着物には大敵ですねぇ。まぁ男性の目には「時にはいいもの」かもですが。
風といいましてもそりゃもぅ「そよ風」から「台風」まで、これまたいろいろ。
今の時代、はっきり大雨、強風がわかっていたら、着物はやめるという選択も必要かと思います。
それでも看板が落ちるほどの大風ではないけれど、春先のイジワルな風には対抗したいですよね。
「着物の裾は押さえるものではない」、というお話を、以前にも耳にしたこがあるのですが、
どういう根拠なのか、よくわかりません。理由が知りたいのですが、見つけられなくて…。
つまり、左前の少し下部分を持たない、ということだと思うのですが、逆に私はよく持ちます。
また、最初から今日は風吹くなぁと思われるときは、長めの道中着とか、和装コートを着ると、
裾が翻っても上まで開きません。
暑いかも…のためには…余裕があるなら「絽」や薄手の和装コートがあるといいんです。
小さい写真ですみませんが、私の絽の道中着です。
旅行に着るつもりで用意したら、天気予報で「気温が下がる」…で、着そびれたきりです~。
絽だから何月と何月…というのは「長着」の基本です。
今の時代、5月31日に袷の着物を着ていたら「まぁなんとリチギな…」と思います。
誰がなんといったって、ここ何十年かでカクジツに暑くなっているのですから。
それにあわせて、上に着るものも、単衣の羽織だの絽の道中着だのを着てもいいと、
私は思っています。正装の時はルールを守ることが「礼儀」につながると思いますが、
オシャレ着なら、自分で工夫…も楽しいと思います。特にコートは衿の形も丈の長さも自由ですから。
洋装だって、真夏でもクーラー対策にカーディガン着たり、
まだ5月でも袖なしにレースの上着なんて着たりしてますでしょ。
ある程度の「格」というものを気にしなければならないときは、そのように、
オシャレ着は、楽しんで…が、私の着物ライフの基本です。
だから若いころより、ずっと気楽になりました。
さて、上に書いた「私の着物左前側の持ち方」です。
風で着物があおられそうなときは、前身頃の右少し下をこういう風に持ちます。
お福ちゃんのうしろから手を伸ばしていますので、不自然ですみません。
指の形だけ見てください。人差し指と親指だけ表にして、中指薬指で裏から支えます。
力を入れて押さえつけるのではなく、なんとなく押さえてる…の感じです。
みなさん、こうしておられると思います。
洋装でも、例えば長めのフレアやギャザースカートなどの場合、
階段を上がるときなどには、前をちょっと持ち上げたりしませんか?
そのときには、ガシッとひっつかむようなことはしませんよね。それなりにひょいと…でしょう。
洋装も和装も「それなりの所作動作」というものがあります。それも「キレイに見える所作動作」。
階段を昇降する、イスに座る、車に乗り込む…今の着物本には「こうするといいですよ」が載っています。
体が覚えてしまえば、意識しなくてもそうなるのですが、コレも経験値…ですからね。
上の右前を指で挟んで押さえる方法は、そのまま手を内側に返す(手の甲が外を向くようにする)と、
階段などを昇るとき、前裾が下に擦れるのを防ぎます。
こうやって手を上げると…
こう前が持ち上がります。
着物って、それだけで目立つのが今の時代です。わざとらしくナヨナヨとしなくても、
さらりと「着物所作」がてきると「オヌシ、着慣れておるな」と、思ってもらえるわけで…。
一番最初の「指二本押さえ」は、例えばイスに座るとき立つとき、、
ちょっと指を添えて押さえることで、腰紐から下が直接引っ張られたり伸ばされたりするのを
防ぐ効果があります。私など太ったのでイスに座ろうとすると、身幅の合っている着物でも、
着物が左脇から「デカ尻」に持っていかれそうになります。
前が開くのもカツコ悪いですから、座るときにちょっと右側に引く感じで持っています。
風対策のお話でしたが、たいしたお話にはなりませんでした。
要するに「抑えればいい」だけですねぇ。すんませーん。
又聞きだったか忘れましたが、着物を着て仕事をなさっている方が、
荷物が多いと、押さえたくても両手がふさがっていて押さえられない、
そんなときは、膝の上辺りを小さいブローチでとめてしまうと…。
そのブローチの記憶がないので、画像を見たとかではなくたぶん誰かから聞いた話です。
余り大きいのはともかく、小さくてペタンコなタイプなら、着物の色に合わせたり、
アクセントカラーにするのもいいかもですね。
さて、写真の着物の説明です。
染匹田かと思いましたら、手絞りでした。絞り特有のでこぼこをかなり落として平らに近いです。
多分ですが、地が紋綸子なので、源氏車の柄が縮んでわからなくならないように、伸ばしたのかなと。
帯をはずしてしまったので、伊達締めで失礼しますが、袖裏、胴裏は「紅絹」です。
袖口にも薄くですがフキ綿が入っており、裾フキも、今のものよりは厚めです。
戦前のものでしょうねぇ。ちょっとシミがあるんですよ。また悩みを一つ楽しく上乗せした日でした。
記事の内容に関係ないのですが、知り合いから聞かれて、私ではどう返答してよいかわからず・・・
結婚式に留袖で出席するけれども、襟にビーズ襟を付けるのはいいのだろうか?と・・・
それって・・・って、言いかけて、いいのか、ダメなのか、可なのか不可なのか
、裏付ける根拠があいまいで答えられませんでした。
どうなんでしょう・・・
いつもお読みいただいてありがとうございます。
留袖にビーズ半衿…は、私はお勧めしません。
コレもまた難しいところなのですが、確かにビーズが使われていると華やかで豪華に見えます。
でも、大事なことは「礼装」はオシャレを楽しむための着物ではなく、
「礼を尽くすための着物」です。
よく「遊びの要素」とか「カジュアル感」とか、そういう表現がありますね。
つまりきれいだけれど、それはあくまで「楽しむためのもの」であって、
例えばトモダチ同士でワイワイ騒ぐ新年会とか、クリスマスとか、
そういう場にあったオシャレ、ということです。
ビーズ半衿は、多分に「お遊びの要素」が強いものではないかと、
私はそう感じています。
留袖や訪問着には「塩瀬羽二重、もしくはちりめん」の白半衿、という「しきたり」があります。
最近はそれも少しずつ崩れて、刺繍の入ったものなども使われますが、
それでも白地に白糸で、おめでたい花とか、そういうくくりの中での変化です。
留袖は紋付の正装です。それだけで美しく、気品があります。
豪華さよりも「厳粛な場に着るもの」という意義を大切にすることを考えれば、
ビーズ半衿が「場違いなもの」という感覚は、お分かりいただけるかと思います。
着物のしきたりというものは「でなければならない」というよりも、
「コレが一番ふさわしい」として、伝わってきたものだと思うのです。
披露宴に招かれて、カラーフォーマルのドレスで行くとき、
どんなに高価なスワロのビーズ、本物真珠がふんだんに使われていたとしても、
「キティちゃんのブローチ」をつけるのは「?」ですよね。
そんな感じ…といったらわかりやすいですかねぇ。
お役に立てるといいのですが。
「いや~、こうだ!って言えないけど、場にふさわしくないと思うよ・・・」
って言葉に、「あなたの感覚でしょ?」って「付けてはいけない訳じゃないけどね、でもね…」
そこからきちんと説明できる言葉が足りなくて…
友人はつける気満々です、それに関しては本人が決める事ですが、こういう考え方もあるよ、って言ってみます。
本当にありがとうございました。
これからも勉強、参考にさせてください(*^。^*)
付け加えさせていただくと…。
留袖をお召しになるというとお身内の結婚式ということですが、
お年がわかりませんので例えばのお話です。
もし年配の方がその場にいらしたら、きっと顔をしかめられるか、イマドキの人は…
なんていわれる可能性があります。
私の年代でも、もし身内が留袖でビーズ半衿だったら、即、とめます。
今の時代では「マチガイ」といいきれないけれど、正しくもない、とでもいいますかねぇ。
売る側が「訪問着などでも…」なんて、簡単に書いたりするのも、
困ったものだと思っています。
風もですが、駅の階段とかは上前の裾が擦ったら…と思うと、思わず裾を持ち上げてしまいます。
持ち方はもっとぞんざいですが。ちょっと練習してみます。
ビーズ半襟、きれいですが、もともとが洒落とか粋とかそういう感じで出てきたものですから、今でも着物を知っている方なら尚更「洒落向き」と思われると思います。
礼装として余り粋な着物はちょっと…という感覚に通じるものと思います。
葬式の喪服と同じで、親族としてお客様を迎える結婚式では、やはり野暮でもしきたり通りが一番でしょう。
はしょりますが、風の時にはやっぱり
骨盤より下あたりを無意識に押えてます。
着物の裾は押えるものじゃないのは
初めて聞きました。
そうですよね。やっぱり押さえていいんですよね。
何故「抑えてはいけないの?」と、ずっと考えながら
それでもガシッと押さえておりました。
ただ・・・押さえ方ですね。
何事も「綺麗な所作」と言うのはありますものね。
何気なく、でも美しく押さえると、こんなに綺麗に見えるんですね。私も気をつけなくちゃいけません。
ありがとうございました。
やはり持ちますよねぇ。
いつごろからどこで言われたことなのか、
わからないのですが、この「もっちゃいけない」は、
以前にも聞いたことがあります。
何か別のことが混同されているのではないかと思ってます。
ビーズ半衿…とりあえず「ヒカリモノ」できれい、豪華、
それだけで、お祝い事に走るのでしょうか。
どうしても洋装のイメージを、違うところで持ち込まれている気がします。
「おさえちゃいけない」なんて、ヘンですよね。
都市伝説ではありませんが、なんで?ときいても、
誰も教えてくれないのです。
「そういわれた」というばかりです。
ふしぎですよねぇ。
押さえないほうが、よっぽどひらひらして、
恥ずかしいですよね。
女性はやたらと衿元を触らない、というのはあります。
やり方によって、お客にこびる女性のしぐさと
そう思われるから…とこれは、いわれています。
しぐさ、というのは、ほんのわずかのことでも、
目に付いたりしますから、自然とそうなるようにと、
ひたすら場数踏んでください。