ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

着物着て…風にもマケズ

2013-05-25 18:47:26 | 着物・古布

 

紫の着物、ブログでお近づきになった方から、またいただいたものです。

着物についてはのちほど細かく…。

 

雨の日のお話を書きましたら、次に「風」というお題を頂きました。

風ってのも着物には大敵ですねぇ。まぁ男性の目には「時にはいいもの」かもですが。

 

風といいましてもそりゃもぅ「そよ風」から「台風」まで、これまたいろいろ。

今の時代、はっきり大雨、強風がわかっていたら、着物はやめるという選択も必要かと思います。

それでも看板が落ちるほどの大風ではないけれど、春先のイジワルな風には対抗したいですよね。

 

「着物の裾は押さえるものではない」、というお話を、以前にも耳にしたこがあるのですが、

どういう根拠なのか、よくわかりません。理由が知りたいのですが、見つけられなくて…。

つまり、左前の少し下部分を持たない、ということだと思うのですが、逆に私はよく持ちます。

また、最初から今日は風吹くなぁと思われるときは、長めの道中着とか、和装コートを着ると、

裾が翻っても上まで開きません。

暑いかも…のためには…余裕があるなら「絽」や薄手の和装コートがあるといいんです。

小さい写真ですみませんが、私の絽の道中着です。

旅行に着るつもりで用意したら、天気予報で「気温が下がる」…で、着そびれたきりです~。

 

            

 

絽だから何月と何月…というのは「長着」の基本です。

今の時代、5月31日に袷の着物を着ていたら「まぁなんとリチギな…」と思います。

誰がなんといったって、ここ何十年かでカクジツに暑くなっているのですから。

それにあわせて、上に着るものも、単衣の羽織だの絽の道中着だのを着てもいいと、

私は思っています。正装の時はルールを守ることが「礼儀」につながると思いますが、

オシャレ着なら、自分で工夫…も楽しいと思います。特にコートは衿の形も丈の長さも自由ですから。

洋装だって、真夏でもクーラー対策にカーディガン着たり、

まだ5月でも袖なしにレースの上着なんて着たりしてますでしょ。

ある程度の「格」というものを気にしなければならないときは、そのように、

オシャレ着は、楽しんで…が、私の着物ライフの基本です。

だから若いころより、ずっと気楽になりました。

 

さて、上に書いた「私の着物左前側の持ち方」です。

風で着物があおられそうなときは、前身頃の右少し下をこういう風に持ちます。

お福ちゃんのうしろから手を伸ばしていますので、不自然ですみません。

指の形だけ見てください。人差し指と親指だけ表にして、中指薬指で裏から支えます。

 

     

 

力を入れて押さえつけるのではなく、なんとなく押さえてる…の感じです。

みなさん、こうしておられると思います。

 

洋装でも、例えば長めのフレアやギャザースカートなどの場合、

階段を上がるときなどには、前をちょっと持ち上げたりしませんか?

そのときには、ガシッとひっつかむようなことはしませんよね。それなりにひょいと…でしょう。

洋装も和装も「それなりの所作動作」というものがあります。それも「キレイに見える所作動作」。

階段を昇降する、イスに座る、車に乗り込む…今の着物本には「こうするといいですよ」が載っています。

体が覚えてしまえば、意識しなくてもそうなるのですが、コレも経験値…ですからね。

 

上の右前を指で挟んで押さえる方法は、そのまま手を内側に返す(手の甲が外を向くようにする)と、

階段などを昇るとき、前裾が下に擦れるのを防ぎます。

こうやって手を上げると…

 

          

 

こう前が持ち上がります。

 

             

 

着物って、それだけで目立つのが今の時代です。わざとらしくナヨナヨとしなくても、

さらりと「着物所作」がてきると「オヌシ、着慣れておるな」と、思ってもらえるわけで…。

 

一番最初の「指二本押さえ」は、例えばイスに座るとき立つとき、、

ちょっと指を添えて押さえることで、腰紐から下が直接引っ張られたり伸ばされたりするのを

防ぐ効果があります。私など太ったのでイスに座ろうとすると、身幅の合っている着物でも、

着物が左脇から「デカ尻」に持っていかれそうになります。

前が開くのもカツコ悪いですから、座るときにちょっと右側に引く感じで持っています。

 

風対策のお話でしたが、たいしたお話にはなりませんでした。

要するに「抑えればいい」だけですねぇ。すんませーん。

又聞きだったか忘れましたが、着物を着て仕事をなさっている方が、

荷物が多いと、押さえたくても両手がふさがっていて押さえられない、

そんなときは、膝の上辺りを小さいブローチでとめてしまうと…。

そのブローチの記憶がないので、画像を見たとかではなくたぶん誰かから聞いた話です。

余り大きいのはともかく、小さくてペタンコなタイプなら、着物の色に合わせたり、

アクセントカラーにするのもいいかもですね。

 

さて、写真の着物の説明です。

染匹田かと思いましたら、手絞りでした。絞り特有のでこぼこをかなり落として平らに近いです。

多分ですが、地が紋綸子なので、源氏車の柄が縮んでわからなくならないように、伸ばしたのかなと。

帯をはずしてしまったので、伊達締めで失礼しますが、袖裏、胴裏は「紅絹」です。

 

        

 

袖口にも薄くですがフキ綿が入っており、裾フキも、今のものよりは厚めです。

戦前のものでしょうねぇ。ちょっとシミがあるんですよ。また悩みを一つ楽しく上乗せした日でした。 


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10 コメント

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唐突にすみません・・・ (みっちゃんちゃん)
2013-05-25 19:26:23
いつも楽しく学ばせて頂いておりますm(_ _)
記事の内容に関係ないのですが、知り合いから聞かれて、私ではどう返答してよいかわからず・・・
結婚式に留袖で出席するけれども、襟にビーズ襟を付けるのはいいのだろうか?と・・・
それって・・・って、言いかけて、いいのか、ダメなのか、可なのか不可なのか
、裏付ける根拠があいまいで答えられませんでした。
どうなんでしょう・・・
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-05-25 20:34:47
みっちゃんちゃん様

いつもお読みいただいてありがとうございます。

留袖にビーズ半衿…は、私はお勧めしません。
コレもまた難しいところなのですが、確かにビーズが使われていると華やかで豪華に見えます。
でも、大事なことは「礼装」はオシャレを楽しむための着物ではなく、
「礼を尽くすための着物」です。
よく「遊びの要素」とか「カジュアル感」とか、そういう表現がありますね。
つまりきれいだけれど、それはあくまで「楽しむためのもの」であって、
例えばトモダチ同士でワイワイ騒ぐ新年会とか、クリスマスとか、
そういう場にあったオシャレ、ということです。
ビーズ半衿は、多分に「お遊びの要素」が強いものではないかと、
私はそう感じています。

留袖や訪問着には「塩瀬羽二重、もしくはちりめん」の白半衿、という「しきたり」があります。
最近はそれも少しずつ崩れて、刺繍の入ったものなども使われますが、
それでも白地に白糸で、おめでたい花とか、そういうくくりの中での変化です。
留袖は紋付の正装です。それだけで美しく、気品があります。
豪華さよりも「厳粛な場に着るもの」という意義を大切にすることを考えれば、
ビーズ半衿が「場違いなもの」という感覚は、お分かりいただけるかと思います。
着物のしきたりというものは「でなければならない」というよりも、
「コレが一番ふさわしい」として、伝わってきたものだと思うのです。
披露宴に招かれて、カラーフォーマルのドレスで行くとき、
どんなに高価なスワロのビーズ、本物真珠がふんだんに使われていたとしても、
「キティちゃんのブローチ」をつけるのは「?」ですよね。
そんな感じ…といったらわかりやすいですかねぇ。
お役に立てるといいのですが。

返信する
す~っと落ちました (みっちゃんちゃん)
2013-05-25 22:03:15
早速にありがとうございました。
「いや~、こうだ!って言えないけど、場にふさわしくないと思うよ・・・」
って言葉に、「あなたの感覚でしょ?」って「付けてはいけない訳じゃないけどね、でもね…」
そこからきちんと説明できる言葉が足りなくて…
友人はつける気満々です、それに関しては本人が決める事ですが、こういう考え方もあるよ、って言ってみます。
本当にありがとうございました。
これからも勉強、参考にさせてください(*^。^*)
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-05-25 22:10:41
みっちゃんちゃん様

付け加えさせていただくと…。
留袖をお召しになるというとお身内の結婚式ということですが、
お年がわかりませんので例えばのお話です。
もし年配の方がその場にいらしたら、きっと顔をしかめられるか、イマドキの人は…
なんていわれる可能性があります。
私の年代でも、もし身内が留袖でビーズ半衿だったら、即、とめます。
今の時代では「マチガイ」といいきれないけれど、正しくもない、とでもいいますかねぇ。
売る側が「訪問着などでも…」なんて、簡単に書いたりするのも、
困ったものだと思っています。
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Unknown (天鼓)
2013-05-26 00:16:03
私もたいてい膝上辺りを押さえたり、持ったりしてます。
風もですが、駅の階段とかは上前の裾が擦ったら…と思うと、思わず裾を持ち上げてしまいます。
持ち方はもっとぞんざいですが。ちょっと練習してみます。

ビーズ半襟、きれいですが、もともとが洒落とか粋とかそういう感じで出てきたものですから、今でも着物を知っている方なら尚更「洒落向き」と思われると思います。
礼装として余り粋な着物はちょっと…という感覚に通じるものと思います。
葬式の喪服と同じで、親族としてお客様を迎える結婚式では、やはり野暮でもしきたり通りが一番でしょう。
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Unknown (陽花)
2013-05-26 07:20:04
雨の場合は雨コートを着ていたら私も
はしょりますが、風の時にはやっぱり
骨盤より下あたりを無意識に押えてます。
着物の裾は押えるものじゃないのは
初めて聞きました。
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Unknown ()
2013-05-26 07:48:12
早速のお答えを・・・本当にありがとうございました。
そうですよね。やっぱり押さえていいんですよね。
何故「抑えてはいけないの?」と、ずっと考えながら
それでもガシッと押さえておりました。
ただ・・・押さえ方ですね。
何事も「綺麗な所作」と言うのはありますものね。
何気なく、でも美しく押さえると、こんなに綺麗に見えるんですね。私も気をつけなくちゃいけません。
ありがとうございました。
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Unknown (とんぼ)
2013-05-26 13:07:51
天鼓様

やはり持ちますよねぇ。
いつごろからどこで言われたことなのか、
わからないのですが、この「もっちゃいけない」は、
以前にも聞いたことがあります。
何か別のことが混同されているのではないかと思ってます。

ビーズ半衿…とりあえず「ヒカリモノ」できれい、豪華、
それだけで、お祝い事に走るのでしょうか。
どうしても洋装のイメージを、違うところで持ち込まれている気がします。
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Unknown (とんぼ)
2013-05-26 13:09:17
陽花様

「おさえちゃいけない」なんて、ヘンですよね。
都市伝説ではありませんが、なんで?ときいても、
誰も教えてくれないのです。
「そういわれた」というばかりです。
ふしぎですよねぇ。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-05-26 13:12:24
夢様

押さえないほうが、よっぽどひらひらして、
恥ずかしいですよね。
女性はやたらと衿元を触らない、というのはあります。
やり方によって、お客にこびる女性のしぐさと
そう思われるから…とこれは、いわれています。

しぐさ、というのは、ほんのわずかのことでも、
目に付いたりしますから、自然とそうなるようにと、
ひたすら場数踏んでください。
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