一足お先に・・・

今日は暖かくて、そしてこれから「春の嵐」とか・・。
すでに大粒の雨が降り出しています。
今年は近年にない「冬らしい冬」、灯油はとんでもなく値上がりし、
大雪であった雪国の方々のご苦労はいかばかりかと。
なればこそ、待ち焦がれる「春」そして、桜・・・ですね。
東京では少し遅れ気味とかききました。桜ごとき、何をそんなに・・
などと思うのに、なぁにけっこう気になって、咲いたと聞くと
なにやら心が浮き立つ・・・桜とはフシギな花です。

さて、本日もはぎれ、これは４０センチほどしかない「錦紗」。
満開の桜をはさんで朱色と水色、更に「牡丹」が同じ感じで並んでいます。
おそらく朱と水色の「手綱（大きな斜め縞、床屋さんのマークみたいな）」で
その境目に四季の花を配したものと思われます。２種類しかないのが残念です。
「しべ」のはっきり描かれた、たくさんの桜の中に、真っ赤な染疋田の桜、
それがいいアクセントになっています。
着物で残っていたら、さぞかし美しいものだったでしょうね。

桜で一番有名なのは、いわずと知れた「染井吉野」。
日本全国、どこでも見られる「染井吉野」ですが、
実は「クローン桜」であること、ご存知ですか？

元々桜は日本のあちこちの山野に自生していたものがあったわけですが、
元は９種類くらい、山桜、大山桜、江戸彼岸桜、ここまでは覚えていたのですが、
あとはえっとぉ～なんだっけ・・のいつものぼけトンボですので調べました。
残りはカスミザクラ（霞桜）、オオシマザクラ（大島桜）、マメザクラ（豆桜）、
チョウジザクラ（丁字桜）、ミヤマザクラ（深山桜）、ミネザクラ（峰桜）
の全部で９種だそうです。但し、現在の日本ではとにかく「園芸種」として
さまざまな交配がされているので３００種以上あるそうです。
で「染井吉野」というのは、幕末から明治にかけて、江戸の植木屋が
新しく作り出した「新種」であった・・というのが定説です。
この染井吉野は、結実ということができません。
つまり「種」を残せないわけで、まれに実がなっても発芽しません。
増やすには「接ぎ木」しかないわけで、
日本全国津々浦々の染井吉野は全部接ぎ木で増えたもので、
自生のものはありません。つまり「クローン」なわけです。
いわゆる「交配」で生まれた生物、たとえば「ライオン」と「ヒョウ」から
「レオポン」が生まれたりしていますが、彼らは一代限り、
生殖能力はありませんでした。それと同じですね。
「クローン」ですからＤＮＡが同じで、さまざまな場所でも条件さえ同じなら
開花する・・というところから、開花予想などにも使われるわけです。
寿命も短く、各地に樹齢何百年などという桜がありますが、
染井吉野は６０年くらいだそうです。なんかちょっと、哀れを感じてしまいます。
人の手によって作り出された、自分では子孫を残すことができない寿命の短い桜、
それでもみんなに愛されて、開花を心待ちにされる・・
それはそれで「桜冥利」につきるのかもしれません。

今年もあとわずかで、横浜の桜も咲き始めるでしょう。
今の時期、テレビでよく見るのが「京都の桜」の出るＣＭ、
「そうだ　京都行こう」・・ってアレです。私毎年あれを見ると、
そ－よ行きたいわよ！と思うのですが、実は桜の時期、紅葉の時期に
京都へ行ったことがありません。親戚があって宿に困らないといっても、
行くのは大概「夏休み」か「年末年始」・・よりにもよって酷暑と極寒の時期、
京都生まれの母に「そんな時期に行くほうがアホ」と言われ続けているのです。
学生でなくなってからも、なぜかいい時期には行かれず
一番のニアミスが４月の下旬で、遅咲きで有名な「御室の桜」の
最後のとこをちょこっと・・・。今年こそはと毎年思うのですが・・。
あのＣＭは曲も好きです。映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中の
「私のお気に入り」という曲ですが、こればっかりは歌がないほうがいい！

さて、今年最初の桜、私はどこで見るのでしょうか。