本日は「お月様」見るのにほんにいい夜でした。
私のデジカメではこのていどでしたがまぶしいくらいでした。
「お月さんいくつ」のこの歌は、いろんなバージョンがありますね。
これは母がよく歌っていた「京都の田舎バージョン」。
愛宕さんは京都の愛宕神社のことです。
さて先日「留袖の帯揚げ帯締め…」のお話をしていまして、昔のことを思い出しました。
留袖の帯揚げが、昔は綸子か総絞りでした。ただ、私の子供のころには
すでに「白い綸子」がほとんどになっていました。
コメントでもいただきましたが、綸子はふくらみを出すのにはむきません。
帯揚げの「位置」…といってもそれを締める位置ではなく、
和装全体での位置づけという意味でですが、帯締め同様元々はなくてもいいもの、でした。
帯の幅が広くなったのは元禄以降ですが、帯幅がかわっていき、
結び方に種類が出てくると、帯締めや帯揚げの必要性が出てきたわけです。
それでも、ほとんどが「帯締め」のいらない結び方が多かったため、
帯揚げはいろいろ出ても、帯締めは今のように多種多様ということはありませんでした。
女性へのプレゼントで、櫛かんざしのほかには「半衿、帯揚げ」だったのです。
帯締めを使わない結び方は過去記事ですと、「角出し」と「ひっかけ」。
角だしとカルタ結びをあわせた感じでお太鼓結びが始まって、
それがまた一番スタンダードな結び方になって、初めて「帯揚げと帯締め」の
セットとしての必要性と位置づけが完了したわけです。
例えば華やかなイヤリングをしたら、それだけでは寂しいですね。
やっぱりネックレスがほしいところです。
つまり「おんなじ感じでそろえることがステキ」なわけですね。
でも、それが歴史的には、なかなか落ち着かずにきました。
かつてお太鼓が主流になりかけのころは、帯締めが今ほど豊富ではありませんで、
たとえば武家の妻女が、夫の不要になった刀の下げ緒を使ったりもしましたし、
明治の写真を見ると、りーっぱな帯締めをしていたり、なんの紐だか分からないような
細い紐で「一応とめてあります」なんてのもあります。
つまり「セット」としてひとつずつを大切なポイント、として整えるようになったのは、
近代に入ってからなわけです。
実は、戦後も短い間に、帯揚げ帯締めの種類や色柄、
その締め方は本当にいろいろ変わっています。
今日は帯揚げのお話しをしようと思いますので、帯締めのほうは写真だけですが、
元々お添えものみたいだった帯締めが、昭和30年代にやたらと太くなった時期があります。
ウールの帯締めというのがありますが、当然普段用なのに手綱かい…ってほど太いです。
逆に先日の礼装用の帯締めのように「細くて貧弱」なんてこともあるわけです。
ほんとにころころ変わっていますね。
最近は、礼装ほど太め…で落ち着いているようです。
さて帯揚げですが、江戸の昔は誰しもが高級な帯揚げを持っていたわけではありませんで、
それこそ古い着物をといたもの、で間に合わせていたことも多かったと思います。
今の時代は何でもあって、何でも整って…の時代ですが、昔はなきゃないなりに、
あまりかまわずにいたわけです。着方だってグズグズなんですから。
こちらは昭和8年の本の表紙。帯揚げ思いっきりきつく結んでますし、
外にけっこう出ています。厚地とも思えないし、今ほど幅がなかったかもですね。
こちらは昭和30年の本。一応礼装になると、こんなにいっぱい出してます。
これなんかビキニ水着のブラのよーですわ。
先日使った留袖のもの、帯締めは細めですが、帯揚げはだいぶ今に近づいてきました。
近代になって素材がまず「礼装は綸子・総絞り」「普段はちりめん」
という原則ができたものが、今はそれが崩れてきていて
礼装までちりめんが使われています。
また総絞りは振袖用、にかぎられるようになりました。
この「絞り」というのは、ところどころに柄として入れられるもの、
結び目近くだけの中抜き、とありますが、今はほとんどおしゃれ用に
ちょっと絞りがあるもの、くらいでしょうか。部分的にもびっしりの絞りというのは、
アンティークか子供用しか見かけなくなりました。
絞りの帯揚げって、実はけっこう使いにくいです。
なんでこんなにモコモコした使いにくいものを…と思うのですが、
それは結局「帯揚げをどういう使い方をするか」で、いろいろでてきたんですね。
元々帯揚げは「帯枕」を隠し、その先に続く帯枕を固定する紐を隠すためのものです。
帯揚げで帯枕をしっかり縛り付けようというほうが無理があるわけで…。
そうなると「前に出る部分」はあくまで「飾り」です。
現代はこれが「年齢が進むほど、あまり見せない」、
また「普段用になるほどあまり見せない」という方向に向いています。
昭和30年代は、普段でも大きく見せていました。
見えることが前提ですから、色もこいもの、絞りのもの、柄のあるもの、が使われました。
やがて礼装は見せるけど、普段は見せない…。
こういう変わり方によって、色目や絞りのあるなしも変わってきたわけです。
さて、私は先日も書きましたが、紬にはちりめん、小紋からは綸子…を基本にしています。
ただ、最近はこの前も書きましたように「綸子」が減っていますし、
ちりめんでもポッテリがなくなってきましたから、ケースバイケースですが…。
また締め方は私の場合年齢もありますから「見せないほう」であると同時に、
帯の上側はポケットにするため、結構あかせて締めますので、
あまりぎゅっと帯締めを締めてしまうと、上から中が見えてしまう…。
というわけで「フタ」をするような感じで締めています。
これがちりめんでの基本。
綸子を使うと、薄くて太さでカバーできませんので、横を二段構えで形作ります。
とても薄いので…
結んだあとの残りをしまうときに、重ねてヒダを作るようにして、
こんな感じに収めます。
もうちっとシワの始末がいりますね。すみません。
また逆に厚手のもので、結ぶと真ん中がコロンとしてしまうなんてときは、
母が昔教えてくれたやりかた、
一度結んだらそのまま左右に交差させて…
そのままはじっこを収めます。
形を整えて、押し込みます。これはスッキリ見えるので、私のようなでぶりん向き。
帯揚げは、振袖などではとても華やかに結ばれますが、
じゃぁそれ以外はないの?…そりゃさみしいでしょ、でこんな結び方も。
ねじねじです。ひと結びしたら、そのあともゆるく巻くようにします。
これは模様の飛んでいるような帯揚げで、
せっかくの模様をいっぱい見せたいときなんかもいいです。
たまにゃ昔をしのんで、こんなので歩いてみようかしらん。
私のデジカメではこのていどでしたがまぶしいくらいでした。
「お月さんいくつ」のこの歌は、いろんなバージョンがありますね。
これは母がよく歌っていた「京都の田舎バージョン」。
愛宕さんは京都の愛宕神社のことです。
さて先日「留袖の帯揚げ帯締め…」のお話をしていまして、昔のことを思い出しました。
留袖の帯揚げが、昔は綸子か総絞りでした。ただ、私の子供のころには
すでに「白い綸子」がほとんどになっていました。
コメントでもいただきましたが、綸子はふくらみを出すのにはむきません。
帯揚げの「位置」…といってもそれを締める位置ではなく、
和装全体での位置づけという意味でですが、帯締め同様元々はなくてもいいもの、でした。
帯の幅が広くなったのは元禄以降ですが、帯幅がかわっていき、
結び方に種類が出てくると、帯締めや帯揚げの必要性が出てきたわけです。
それでも、ほとんどが「帯締め」のいらない結び方が多かったため、
帯揚げはいろいろ出ても、帯締めは今のように多種多様ということはありませんでした。
女性へのプレゼントで、櫛かんざしのほかには「半衿、帯揚げ」だったのです。
帯締めを使わない結び方は過去記事ですと、「角出し」と「ひっかけ」。
角だしとカルタ結びをあわせた感じでお太鼓結びが始まって、
それがまた一番スタンダードな結び方になって、初めて「帯揚げと帯締め」の
セットとしての必要性と位置づけが完了したわけです。
例えば華やかなイヤリングをしたら、それだけでは寂しいですね。
やっぱりネックレスがほしいところです。
つまり「おんなじ感じでそろえることがステキ」なわけですね。
でも、それが歴史的には、なかなか落ち着かずにきました。
かつてお太鼓が主流になりかけのころは、帯締めが今ほど豊富ではありませんで、
たとえば武家の妻女が、夫の不要になった刀の下げ緒を使ったりもしましたし、
明治の写真を見ると、りーっぱな帯締めをしていたり、なんの紐だか分からないような
細い紐で「一応とめてあります」なんてのもあります。
つまり「セット」としてひとつずつを大切なポイント、として整えるようになったのは、
近代に入ってからなわけです。
実は、戦後も短い間に、帯揚げ帯締めの種類や色柄、
その締め方は本当にいろいろ変わっています。
今日は帯揚げのお話しをしようと思いますので、帯締めのほうは写真だけですが、
元々お添えものみたいだった帯締めが、昭和30年代にやたらと太くなった時期があります。
ウールの帯締めというのがありますが、当然普段用なのに手綱かい…ってほど太いです。
逆に先日の礼装用の帯締めのように「細くて貧弱」なんてこともあるわけです。
ほんとにころころ変わっていますね。
最近は、礼装ほど太め…で落ち着いているようです。
さて帯揚げですが、江戸の昔は誰しもが高級な帯揚げを持っていたわけではありませんで、
それこそ古い着物をといたもの、で間に合わせていたことも多かったと思います。
今の時代は何でもあって、何でも整って…の時代ですが、昔はなきゃないなりに、
あまりかまわずにいたわけです。着方だってグズグズなんですから。
こちらは昭和8年の本の表紙。帯揚げ思いっきりきつく結んでますし、
外にけっこう出ています。厚地とも思えないし、今ほど幅がなかったかもですね。
こちらは昭和30年の本。一応礼装になると、こんなにいっぱい出してます。
これなんかビキニ水着のブラのよーですわ。
先日使った留袖のもの、帯締めは細めですが、帯揚げはだいぶ今に近づいてきました。
近代になって素材がまず「礼装は綸子・総絞り」「普段はちりめん」
という原則ができたものが、今はそれが崩れてきていて
礼装までちりめんが使われています。
また総絞りは振袖用、にかぎられるようになりました。
この「絞り」というのは、ところどころに柄として入れられるもの、
結び目近くだけの中抜き、とありますが、今はほとんどおしゃれ用に
ちょっと絞りがあるもの、くらいでしょうか。部分的にもびっしりの絞りというのは、
アンティークか子供用しか見かけなくなりました。
絞りの帯揚げって、実はけっこう使いにくいです。
なんでこんなにモコモコした使いにくいものを…と思うのですが、
それは結局「帯揚げをどういう使い方をするか」で、いろいろでてきたんですね。
元々帯揚げは「帯枕」を隠し、その先に続く帯枕を固定する紐を隠すためのものです。
帯揚げで帯枕をしっかり縛り付けようというほうが無理があるわけで…。
そうなると「前に出る部分」はあくまで「飾り」です。
現代はこれが「年齢が進むほど、あまり見せない」、
また「普段用になるほどあまり見せない」という方向に向いています。
昭和30年代は、普段でも大きく見せていました。
見えることが前提ですから、色もこいもの、絞りのもの、柄のあるもの、が使われました。
やがて礼装は見せるけど、普段は見せない…。
こういう変わり方によって、色目や絞りのあるなしも変わってきたわけです。
さて、私は先日も書きましたが、紬にはちりめん、小紋からは綸子…を基本にしています。
ただ、最近はこの前も書きましたように「綸子」が減っていますし、
ちりめんでもポッテリがなくなってきましたから、ケースバイケースですが…。
また締め方は私の場合年齢もありますから「見せないほう」であると同時に、
帯の上側はポケットにするため、結構あかせて締めますので、
あまりぎゅっと帯締めを締めてしまうと、上から中が見えてしまう…。
というわけで「フタ」をするような感じで締めています。
これがちりめんでの基本。
綸子を使うと、薄くて太さでカバーできませんので、横を二段構えで形作ります。
とても薄いので…
結んだあとの残りをしまうときに、重ねてヒダを作るようにして、
こんな感じに収めます。
もうちっとシワの始末がいりますね。すみません。
また逆に厚手のもので、結ぶと真ん中がコロンとしてしまうなんてときは、
母が昔教えてくれたやりかた、
一度結んだらそのまま左右に交差させて…
そのままはじっこを収めます。
形を整えて、押し込みます。これはスッキリ見えるので、私のようなでぶりん向き。
帯揚げは、振袖などではとても華やかに結ばれますが、
じゃぁそれ以外はないの?…そりゃさみしいでしょ、でこんな結び方も。
ねじねじです。ひと結びしたら、そのあともゆるく巻くようにします。
これは模様の飛んでいるような帯揚げで、
せっかくの模様をいっぱい見せたいときなんかもいいです。
たまにゃ昔をしのんで、こんなので歩いてみようかしらん。
薄すぎても厚みがありすぎる生地
でも使いにくいものですね。
私もとんぼ様同様帯揚げはふたを
する感じの結び方です。
なので、帯揚げを使うときはギュウギュウにつめて隠してしまいます。
でも、ご紹介いただいた「スッキリ」な結び方や「ネジネジ」は素敵ですね。
今度やってみようと思います。
着付け教室ではきれいに結べるのになー
着付け教室と言えば、講師の資格を取る講座の中に「コツを教えず、長く通わせるには」っていうのがあったそうです苦笑
ある程度着れるようになって思うのは、着付け教室の着方には無駄な動作がとても多い気がすること。
その割には、教えてもらうコツがつぼを外したものである気がすることです。
複数の着付け教室に行くと、あっさり教えるところと気合を入れて教えるところが違います。
しかし得てしてあっさりバージョンの方が早くきれいに着られる事が多いんですよね。。。
そうなんですよね。使いにくいものは
色が気に入っていても、やっぱり敬遠しています。
フタしておいて、中から魔法のようにイロイロでてくる…。
着物って、便利ですよね。
帯の下だけきゅっと締めて、上はゆるめ。
前からみると逆プリン型に締めると、
帯揚げの収まりもよくなります。
「フタ」する感じで…。
ダイジな小物ですから、レーヨンちりめんの
風呂敷とかで作ると、お手軽に楽しめますよ。
着物のきかたの基本的なことは、
一日やればわかりますからねぇ。
それぞれ体型もイメージも違うわけですから、
きれいに着る着方より、似合う着方ができるような
そんなコツを教えてほしいですねぇ。