ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

きれいな羽織に見えたのですが…

2012-03-04 18:08:33 | 着物・古布

 

元々羽裏が目的でしたので、表の羽織はあまり気にしていなかったのですが…。

羽裏は1月にご紹介した「にぎやか羽裏」です。

表地はちょっと甘さのある、ピンクがかった薄紫。

前の記事にも書きましたが、ロウケツで唐草っぽい柄。

まぁ言ってはなんですが、裏の面白さに比べて、これといって特徴のない色柄です。

それでも汚れやシミもなく、きれいでしたので、和装ではなく、たとえばマーガレットみたいなものだったら

優しい色合いでいいかなぁとか…そんなことを考えながら解きましたら…表が全面ヤケていました。

まぁ正確には「褪せ」と「ヤケ」と両方だと思うのですが、肩先などはよく見ると薄さが進んでいます。

写真だと、目で見るほどハツキリわからないので、ちょっと調整しました。

ここだとわかりますかしら、真ん中の横線が「肩」です。

右が白っぽいですね。左は中に縫いこまれていた部分。肩山などは特に白っぽくなっていました。

 

          

 

こういうのは洗ってもですからねぇ。

それなら「裏返してみよう」で、裏を見ると、これが「キレイ」…。

ちりめん地ですが、ちょっと表の方が光沢っぽくなってまして、それでよけいに表地の方が白っぽく、

裏は沈んで色が濃く感じられます。

ロウケツは裏表で染料の通り具合の違いから、柄も違ってきます。裏はより白がハッキリでます。

コッチでもいけるなぁと…。上が裏側、下が表側です。ヤケの目立たない袖部分。

 

           

 

マーガレットは、長方形を輪にして、両方を少し綴じ合わせたものです。 

私が過去に作ったのは「マーガレットの変形」…です。これは昔母からもらったニット生地で作ったことがあります。

ニットといってもそれほど伸び縮みしないものでしたので、普通の生地で作ってもいけるかなと。

いろいろ洋服地を探したのですが、柄のムキや、どこがとうつながっているか、わかりやすいのを見つけました。

なんとバスタオル…これはバーバリー…ははは、こんなブランド品は「香典返し」か「引き出物」ですわ~。

これはちと小さめで、幅63センチ、長さは117センチです。

つまり横の幅と縦の長さがだいたい2:1前後…です。あくまで「だいたい」ですので。

 

              

 

これはちょっと小さめなので、服地で作るときは120センチ幅か、裄が長い方、狭い布の時は真ん中で継ぎます。

測るとしたら、両手を真横に上げて、手首から肩を通って反対側の手首まで。少し大きめの方がいいです。

まずは全部「端の始末」をしてしまいます。これはバスタオルなのでしていませんが、三つ折でくけるか、

もし裏をつけるならぐるりとまつりつけてしまいます。

横全体が入りませんので半分だけですが…

こんな感じで上から10cmくらい折りさげて、左の下を三角に折りあげます。

赤い線のところをしっかり綴じあわせます。これで終わりです。

 

         

 

ちょっと羽織ってみました。横が短いので「七分袖」になってますが…。

柄を見るとどこがどうなっているかわかると思います。つまり縞柄で縫うと、縞のムキが変わるわけです。

これは着物で言うところの「もじり袖」ですね。

 

           

 

セルフで撮ると、どうもうまくないので、お福ちゃんに着せました。

こんな感じになります。

 

           

 

これは小さいので横から見るとちと脇の下部分がツレていますが、実は、このもじり袖マーガレットは、

「抜いた衿」によく添うのです。後ろに余裕ができるので、お太鼓でも大丈夫、着物の袖は中にみんなはいります。

 

                

 

これはバスタオルのだいたいの比率、つまり幅「2」に対して、長さ「1」くらいだと、これでいいのですが、

例えば幅が120センチに対して、長さがあると、図にするとこんな感じ、つまり真ん中が狭くなります。

 

          

 

多少真ん中が狭くてもけっこう大丈夫なのですが、実際には着る人の体つきとか、なで肩であるとかないとか、

胸があるとかないとか…それで着た感じが違ってきます。

またあんまり丈が長いと、脇下の袋部分が大きくなりすぎて後ろが膨らみすぎます。

素材も柔らかい生地、ハリのある生地、伸縮性のあるなしなどで、微妙に着づらくなったりします。

ですから、作ってしまう前に、大雑把に綴じ合わせてみて肩に掛け、具合を見てください。

もしこれではちょっと…と言うときの調整は「綴じ合わせる部分」でします。

ひらひらとドレープさせてほっておくわけです。綴じ終わりのところはシッカリ留めてください。

私はここに飾りボタンをつけて、カーディガンがわりにワンピースの上などに着ていました。

 

         

 

私のすることですから、なんでも「テキトー」、これはまぁ「折り紙マーガレット」とでもいいますかしら。

とにかく仮にとじた状態で、実際に着てみて、体に合わせて縫いとめの場所を決める…です。

120センチ幅の生地が、60~70センチくらいあれば、ちょっとお風呂上りに羽織るくらいのものはできます。

それと、あまりすべりのいい生地ですと、肩からズルズルということもありますので、

割と裏は滑らないほうがいいかもしれません。

 

この羽織の生地を裏返して作るとなると、反幅が36センチありますので、4枚横に並べて、

手首に当たるところの縫い代を少し多めに取れば、「つんつるてん」にはなりません。

丈は袖が1mありますので、十分たりますね。裏は何か赤いものでもつけましょうか。

まずは洗わないとです。でも明日雨だって…春が近づいている気配ですね。

お天気を待ちましょう。 


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8 コメント

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Unknown (すてぃんきー)
2012-03-04 22:52:37
マーガレットかわいいですね♪
あのぉ・・・・・マントは今期は作らないのですか・・・・?
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Unknown (陽花)
2012-03-04 22:59:19
表は本当に褪せやヤケが見えますね。
裏が綺麗だし表裏の柄の違いほとんど
分かりませんね。
マーガレットというのはショールと
茶羽織の間の様な感じなんでしょうか。
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Unknown (古布遊び)
2012-03-05 07:35:50
なるほどマーガレットもこうした工夫で着易くなるんですね。
とても参考になりました~~
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Unknown (りのりの)
2012-03-05 12:23:41
袖を筒に縫うマーガレットは作ったことありますがそれだと着物の袖がはいらないんですよね~。こういうふうに三角に縫えばいいんだ・・・ふむふむ・・・「もじり袖」っていうんですね。作務衣はうわっぱりの袖にもいいですね。
勉強になりました
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Unknown (とんぼ)
2012-03-05 19:38:37
すてぃんきー様

マーガレットは毛糸で編むのがかわいいですよ。
マントは、アタマの中ではかなりいろいろできてますが、
大きいものですからねぇ。
気に入った柄の生地は足りなかったりするんですよ。

どんな生地を使うか裏はどうするか…カンタンには進みそうにありません。
そうこうするうちもう春ですからね。
今季はムリでしょう。
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Unknown (とんぼ)
2012-03-05 19:56:42
陽花様

きれいだとばかり思っていたので、
えっと驚きました。裏使いで以降と思います。

マーガレットは、作品を載せておられるブログを見つけました。こんなのです。

http://itadaki19.exblog.jp/14332972/

ただ方形を編めばいいんですが、長さで半袖もできるし、
広く編めば背中半分くらいまであたたかいです。
基本的には「肩先」を暖めるものですね。
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Unknown (とんぼ)
2012-03-05 20:00:14
古布遊び様

毛糸編みのものよりフィット感は落ちますが、肩先は暖かです。
布で首周りをフィットさせたいときは、ちょっとゴムシャーリングすると、
するりと落ちなくなりますよ。
羽裏のいいのなんかでもいいですよね、きっと。
(と、何気に作りましょうねと言ってる?)
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Unknown (とんぼ)
2012-03-05 20:01:41
りのりの様

もじり袖は「野良着」によく使われました。
布の節約でもあるんでしょうね。
半天など、たまにヤフオクで見ます。
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