なんだかなー特集

これは古い羽裏です。洗い張り済みで、パリッとたたまれていました。
ご覧いただければわかる「ウサギ」なんですが・・・・。
なんかちょっとカオが・・・汚いっちゃなんだけど・・・。
「黄色クン」ひょっとして「菜っ葉」横取りしようとして殴られたのかい？
と言いたくなるような、眼の周りのシャドウ。
きっと陰影をつけたかったんだと思います。思いますけどね、
ここまではっきり黒くしたら「アザ」でしょう。
お尻もけとばされてるような・・なんだかなぁ～。



次はスキーの図、これも羽裏です。
お兄さん、確かにスキーだよね、確かに日本で最初のスキーってのは
長いストックが一本だったとは聞いてますけどね、
スキーの前も後ろも反り返ってるってのは・・聞いてないなー。
おまけにお兄さん、彼女連れてるのはいいけど「雪」じゃなくて
すでに「大雨」になってないかい？なんだかなぁ～。



三つ目は帯、説明には「裏は唐獅子もよう」とありました。
確かにね、こりゃ唐獅子だと思います。犬じゃないし、ネコでもない。
でも、カオはいのししみたいだし、足、６本に見えるんですけど・・・。
なんだかなぁ～。

ときどきこんな愛すべき「なんだかなぁ柄」に出会います。
ほとんどが頂き物か、唐獅子のように「目的は別もの」の場合なんですが、
こういう柄は何かに使う・・というのが難しいです。
当時もデザイナーとか絵付師、型紙を作る人もいろいろいたでしょうし、
値段を抑えるのに「この程度で」というのもあったのでしょうし、
いやいやもしかしたら、この柄が出た当時は「これがすっごいモダン！」
だったのかもしれません。

考えてみれば「浮世絵」の美女は、信じられないほど眼も口も小さいです。
当世美人図なんて「高島屋おひさ」とかなんとか、何人もの絵があるのに
「カオ、みんなおんなじ・・」、平安の昔は「引き眼鉤鼻」が美人だし、
そうそう「植木」だって、びろびろ花びらが長いナデシコだの、
爆発したみたいな「あさがお」だのが「すんばらっしい」といわれたし・・。
こうしてみると「美的感覚」というのは時代時代で違うのだから、
「モダン」とか「おもしろい」というのは決して「ヘタ」とか「ヘン」とか
いえないもんなんですねぇ。
さて、この子たち、どうやって小物に使うかなぁ。
今のご時世で「あらこれステキ！」と言ってもらうのは・・厳しいものが。
なんだかなぁ～～～。が・がんばらなくっちゃ・・。