ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

「柄」のおはなし

2005-12-09 22:44:05 | 着物・古布

よくご存知の御所車の柄です。子供の着物から留袖まで、
色目を変えて幅広く使われる柄です。私の振袖も御所車でした。

で、今日は御所車のお話しではなく、その「車輪」のお話し。
御所車の車輪というのは、独特の模様があります。
この「車輪」だけを取り出して、柄や紋に使ったものを「源氏車」といいます。
下の絵がそうです。これは素材屋さんからお借りしました。



実際には「黒塗り」が多く、また金属の飾り金具をつけたりしました。
もともと車輪にこういう柄を描いたわけではなく、それぞれの模様の線は、
実はパーツのライン。つまり「丸い車輪」を作るのにこういうパーツを作って
組み合わせたわけです。そのパーツの接する部分に色をつけたり、
パーツを留め合わせるのに飾り金具を使ったり、また車輪の補強に
飾りをつけたわけです。それで華やかな車輪になったわけですね。



下の写真は源氏車のなかでも「片輪」といわれる柄です。
水に浸かっているので半分だけ(これはちっと多めに見えてますが)見えてます。
これとよく間違えられるのが「水車」柄です。
オークションなどで、かなり着物の古着を扱っている業者さんなどでも
まちがえていることがあります。
「水と車輪」イコール「水車」と思ってしまうのでしょうね。
ではなぜ、水車じゃないのに御所車の車輪が水の中に入っているのでしょう。
これはひとつには汚れを落とすのに洗うという作業もありますが、
もうひとつ大事なのは、木製の車輪が乾燥して割れないため・・・です。
大きな車体を乗せ、更にその中には「高貴なおかた」が
お乗りあそばしていらっしゃるわけですから、途中でパキーン!なんて
車輪がバラけたらたいへんです。それで水分を含ませてよい状態を保ったのです。
この「洗った車輪が水の中につけてある」という風景を切り取って
柄にしたわけです。日本人の感性ってすごいな・・とこんなところでも思います。
言わずもがなですが、水があるため、多くは「夏の柄」として使われます。

ちなみにこの水色の着物、舞妓さんの着物でしてまぁ反物として長いこと・・。
お引きずりの上あの袂ですもんね、ふつうの着物より丈が長いのは当たり前です。
せっかく染めたのに、着物には仕立てなかったため、反物で手に入れました。
ちょっとシミがあるのがもったいないです。

えっと、おしまいになましたがPCバツクアップが一日で取り切れず、
作業は続いております。音は妙に静かになり回数も減りました。
とりあえずバックアップをとりながら年を越してみようという方向でやってます。
ご心配かけてすみませーん。



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