かなりの長さがあると思われるので、使い道を考えようと、
まとめておいたものなのですが、綴じた状態を見ていて、
今日は「メンテ」について書いてみようと思い立ちました。
前にも一度書いたこともあるので、ダブりの内容もあるかと思いますが…。
これは全部いただいたもので、まだ綴じ糸を切っていませんので、
中の状態や長さなどは、わかりません。
これは呉服屋さん(もしくは悉皆やさん)に「洗い張り」まで頼んだ状態で
仕上がって届けられたもの、これから何かにまた縫い直す状態なわけです。
そういうものにはこんなふうに、呉服屋さんの覚書の和紙が結び付けられてます。
つい50年くらい前でしょうかねぇ、ようやく「洗濯機」というものが
家庭の電化製品、つまり「家電品」として、広く使われるようになりました。
この洗濯機というものが現れて、洗濯は本当にラクになったわけです。
その前はというと「たらいに洗濯板」、これをご存じないかたは「お若い」!
大きい桶の浅い形のもの、もっとも私の子供のころはさすがに「プラ製」でしたが
それに「洗濯板」という、まな板に細かい波型を刻んだようなものを
たらいのふちから中に立てかけ、水と洗濯物を入れ、板の上に洗濯物を広げて、
粉石鹸ではなく「固形の洗濯石鹸」をごしごしと塗りつけ、あとはせっせと
板の上でこすり付けて汚れを落とす…、いやぁこれ、実は中学くらいまで、
私やってたんですよ、洗濯機壊れて母が「買わない」といったもんで…。
いやまた脱線…で、石鹸は近代のものではありますが、
とにかく着物で暮らしていた時代の洗濯方法は、ほとんどこれです。
たいへんだったんですねぇ。
洗濯の話ばかり長くなってしまいましたが、洗うのともうひとつは「その後」。
着物が日常着だった時代は、今と違って「和裁」は女性の必須科目!?
小さいころから裁縫は当たり前のように親から習い、
江戸時代は「女は着物が縫えて、自分の髪が結えて一人前」といわれました。
「和裁」は、私の親(今年84になります)が娘のころも、
できてあたりまえのことでした。
こういう時代の着物のメンテは、まず「丸洗い」、これはまんまです。
着物のまま洗う、普段着などはまずこれですね。
次にトップの写真のような「洗い張り」、これは手がかかります。
「解いて・洗って・縫い直す」です。だからお裁縫が出来ないと、なんですね。
この場合、全部解くので板などの上で細かい汚れをブラシなどで落とします。
そのあと乾かして縫い直し、ですね。
この洗い張り、二つ方法があって、ひとつは「張り板」という
まな板の大きいような平らな板に、解いて洗って糊付けした布を
一枚ずつまっすぐに貼っていきます。乾いたらアイロンかけ。
実はきれいに平らな板にぴっちり貼ると、アイロンかけもいらないくらいです。
もうひとつは「伸子張り」、これは解いたらまず「羽縫い」をします。
着物は、解いて全部つなげると一反の反物に戻ります。
これは本当にすばらしい「着物の特徴」ですね。
この身頃の衿肩明きを綴じたり、半分になっているおくみや衿をつなぐために
縫い合わせることを「羽縫い」といいます。
この羽縫いした反物をピンと張って乾かすわけですが、こちらがその道具です。
上が張り木、真ん中で分かれていて、あけると片側には細い針が並んでいて、
反対側にはそれを受ける穴があります。左の黒い小さい点々が針です。
ここに布の端を挟むと、針が布をしっかり刺しておさえるわけですね。
下が布を伸ばすための「伸子(のぶこじゃなくて「しんし」)」の先。
小さい針が見えますでしょうか、ちょっと「影」まで写っちゃってますが。
張り木にはさんだ布をまっすぐ伸ばし、さらに伸子のこの小さい針を
布の端の「みみ」に刺して、横がたるまないように打っていきます。
こちらが伸子張りしたところ、実は間違いがひとつ、
本来は伸子は布の表側に刺します。これは材料用なので糊もつけませんから、
気にせず裏側に刺しちゃってまして、手抜きです。
本来は、表に刺し、下に向け、裏から刷毛で糊を薄く引いて乾かす、が本式です。
現代の家庭では、12メートルもの反物を広げて干すような場所は、
屋上でもなければ、なかなかありません。
したがって我が家では、身頃を1枚ずつと袖をつなげたもの1枚、
あとは半幅専用の小さい張り木と、短い伸子で3メートルを限度に干してます。
さて、やっとここで「現代のメンテ」のお話になります。
まず、和裁のできる方は、解いて洗って仕立てる、と自分でできます。
ただし、布によりますので、これを気をつけてください。
家庭で洗わないほうがいいものは「ちりめん系」です。
これは縮むということと、色が落ちるということ。
縮む方は、伸子張りなど、イマドキありませんでしょう。
オークションでたまにでますし、骨董市などでもでますが…。
結局、濡れている状態で伸ばしながらのアイロンとか
いろいろ方法はありますが、アイロンはちりめんのしぼが大きいとつぶれますし、
どこもすべて同じ幅に伸ばすというのは大変です。
なにしろ12メートル分ですから。
下の写真は「鬼しぼちりめん」と呼ばれるちりめんを、
水洗いして伸子張りをしている途中です。
向かって左側は、伸子で伸ばしているので、反物の幅が出ています。
右側は、まだやっていないので縮んだままです。
こんなに縮むんですね。
古いものになると、反幅が25センチくらいに縮んでしまうものもあります。
縮みの激しいものは、2センチ間隔くらいで伸子を打たないと、
幅の広いところと狭いところの差ができてしまいますので、
3メートルでも150本以上の伸子を打つことになります。
実は家庭用「湯のし器」というものもありまして、
縮んだものを平均的に伸ばしていく道具もあります。
とんぼは一台持っていますが、今までの伸子張りは「小物作り用」なので、
横が少々なみなみがついていても、そのままにしていますが、
後から着物にまた仕立て直すには、まっすぐに伸ばしたほうがより良好です。
それにしたってそんな道具はいまどきねぇ…。
もうひとつの「色落ち」ですが、鮮やかなものほど落ちやすいです。
型染めの小紋などは落ちにくいと思いますが、
ちりめんの華やかな染めだとか、濃い色の縫い取りお召しなどは要注意です。
とまぁこういうわけで、まずは色落ち。
洗うときはまず、布はし、できれば面倒でも裾の中側などで、
色落ちを試したほうが無難です。次に縮むことを考えると、
洗えるものは紬や綸子(ちりめんでないもの)
つまり「強撚糸」を使っていない平絹系のもの、ポリ、木綿、ウールなど。
ただし、ウールなどは「防縮効果」のある洗剤がお勧めです。
そのほかは普段のほこり汚れていどなら「水洗い」だけで十分なのですが、
気になる場合はオシャレ用洗剤かシャンプーが有効です。
脇や衿はブラシ洗いをしてください。きつくしないように。
そのあとは生乾き程度でアイロンです。斜めにかけてしまわないように。
ここまでは「解いた場合」です。
もし、丸洗いであるならば、洗濯機でガラガラは、できればポリだけ。
ほかはすべて「手洗い」が一番です。
オシャレなセーターなどを洗うのと同じ要領です。
最近は「やさしい洗濯機」とか「縮まない洗剤」とかありますが、
自然に近い状態で、手を使っての押し洗いが一番いいのです。
脱水にかけるときは、きちんとたたんで、余計な折り目が付かないように。
干すときは平らに、もしくは着物用ハンガーで、できれば袖の外まで棒が伸びて、
袖もまっすぐに干せるものがいいですね。仕上げに丁寧にアイロンかけです。
手間を惜しんでオシャレはできません。
「たらいに洗濯板、伸子張り、仕立て直し…」、昔の人の手間を思えば、
ラクなものです。
時間がないのでお金がかかっても・・・という場合は、ドライもありますが、
ドライは洗剤と水を使うわけではないので、汗ジミなどは落ちません。
呉服屋さんの「丸洗い(生き洗いともいいます)」が一番です。
クリーニング店で「京洗」と書いてあるところも「丸洗い」してくれますが、
最近は「取次ぎ」が多いので、トラブルの場合を考えて、私は呉服屋さんです。
町の呉服屋さんで「染め」とかいてあるところは、悉皆もやってくれますので、
そのほうが安心です。「着物買わないと」とか「そこで買ったものじゃない」とか
そういうことは、あまり気にしなくて大丈夫です。
一度そういうお店とつながりをつけておくと、突然しみをつけちゃった、とか
そういうときでも、相談に乗ってくれます。
昔は「三度洗い張りをしたら、そのあとは繰り回し」、つまり、
もう着物では着ないで、何かに作り変え、といわれたものですが、
それは、今よりずっと着物を着る回数が多かった時代のこと、
着物で暮らしている場合は別として、着る回数によって
丸洗いや洗い張りを考えましょう。
なーんかめんどうよねぇ…、と思いますね。
実は私だって、着物のメンテはめんどくさいと思います。
今のようにスイッチひとつで何でも機械がやってくれる、
お金をだせば、すぐ着られるものを売っている、そういう時代に暮らしていると
「手間」をかけるということが、ただめんどくさいと思えてしまいます。
そんなとき、私はいつもこれを出して眺めます。
これもまた「洗い張り」状態でいただいたもの、綴じ糸を切って広げてあります。
ものすごい「ツギアテ」…、これが大小何十箇所とあります。
一番長いところのツギ部分を拡大して表から見るとこんなです。
これで「呉服屋さん」に洗い張りに出しているんですよ。
そして呉服屋さんも、こういうものとわかって大事に大事に洗って
湯のししてくれたんですね。昔のものはこういうものが多いです。
ものを大切に思うキモチと手間を惜しまない心、
便利な世の中にはなりましたけれど、そういう気持ちだけは、
いつまでも大事にしたいものと思います。
まとめておいたものなのですが、綴じた状態を見ていて、
今日は「メンテ」について書いてみようと思い立ちました。
前にも一度書いたこともあるので、ダブりの内容もあるかと思いますが…。
これは全部いただいたもので、まだ綴じ糸を切っていませんので、
中の状態や長さなどは、わかりません。
これは呉服屋さん(もしくは悉皆やさん)に「洗い張り」まで頼んだ状態で
仕上がって届けられたもの、これから何かにまた縫い直す状態なわけです。
そういうものにはこんなふうに、呉服屋さんの覚書の和紙が結び付けられてます。
つい50年くらい前でしょうかねぇ、ようやく「洗濯機」というものが
家庭の電化製品、つまり「家電品」として、広く使われるようになりました。
この洗濯機というものが現れて、洗濯は本当にラクになったわけです。
その前はというと「たらいに洗濯板」、これをご存じないかたは「お若い」!
大きい桶の浅い形のもの、もっとも私の子供のころはさすがに「プラ製」でしたが
それに「洗濯板」という、まな板に細かい波型を刻んだようなものを
たらいのふちから中に立てかけ、水と洗濯物を入れ、板の上に洗濯物を広げて、
粉石鹸ではなく「固形の洗濯石鹸」をごしごしと塗りつけ、あとはせっせと
板の上でこすり付けて汚れを落とす…、いやぁこれ、実は中学くらいまで、
私やってたんですよ、洗濯機壊れて母が「買わない」といったもんで…。
いやまた脱線…で、石鹸は近代のものではありますが、
とにかく着物で暮らしていた時代の洗濯方法は、ほとんどこれです。
たいへんだったんですねぇ。
洗濯の話ばかり長くなってしまいましたが、洗うのともうひとつは「その後」。
着物が日常着だった時代は、今と違って「和裁」は女性の必須科目!?
小さいころから裁縫は当たり前のように親から習い、
江戸時代は「女は着物が縫えて、自分の髪が結えて一人前」といわれました。
「和裁」は、私の親(今年84になります)が娘のころも、
できてあたりまえのことでした。
こういう時代の着物のメンテは、まず「丸洗い」、これはまんまです。
着物のまま洗う、普段着などはまずこれですね。
次にトップの写真のような「洗い張り」、これは手がかかります。
「解いて・洗って・縫い直す」です。だからお裁縫が出来ないと、なんですね。
この場合、全部解くので板などの上で細かい汚れをブラシなどで落とします。
そのあと乾かして縫い直し、ですね。
この洗い張り、二つ方法があって、ひとつは「張り板」という
まな板の大きいような平らな板に、解いて洗って糊付けした布を
一枚ずつまっすぐに貼っていきます。乾いたらアイロンかけ。
実はきれいに平らな板にぴっちり貼ると、アイロンかけもいらないくらいです。
もうひとつは「伸子張り」、これは解いたらまず「羽縫い」をします。
着物は、解いて全部つなげると一反の反物に戻ります。
これは本当にすばらしい「着物の特徴」ですね。
この身頃の衿肩明きを綴じたり、半分になっているおくみや衿をつなぐために
縫い合わせることを「羽縫い」といいます。
この羽縫いした反物をピンと張って乾かすわけですが、こちらがその道具です。
上が張り木、真ん中で分かれていて、あけると片側には細い針が並んでいて、
反対側にはそれを受ける穴があります。左の黒い小さい点々が針です。
ここに布の端を挟むと、針が布をしっかり刺しておさえるわけですね。
下が布を伸ばすための「伸子(のぶこじゃなくて「しんし」)」の先。
小さい針が見えますでしょうか、ちょっと「影」まで写っちゃってますが。
張り木にはさんだ布をまっすぐ伸ばし、さらに伸子のこの小さい針を
布の端の「みみ」に刺して、横がたるまないように打っていきます。
こちらが伸子張りしたところ、実は間違いがひとつ、
本来は伸子は布の表側に刺します。これは材料用なので糊もつけませんから、
気にせず裏側に刺しちゃってまして、手抜きです。
本来は、表に刺し、下に向け、裏から刷毛で糊を薄く引いて乾かす、が本式です。
現代の家庭では、12メートルもの反物を広げて干すような場所は、
屋上でもなければ、なかなかありません。
したがって我が家では、身頃を1枚ずつと袖をつなげたもの1枚、
あとは半幅専用の小さい張り木と、短い伸子で3メートルを限度に干してます。
さて、やっとここで「現代のメンテ」のお話になります。
まず、和裁のできる方は、解いて洗って仕立てる、と自分でできます。
ただし、布によりますので、これを気をつけてください。
家庭で洗わないほうがいいものは「ちりめん系」です。
これは縮むということと、色が落ちるということ。
縮む方は、伸子張りなど、イマドキありませんでしょう。
オークションでたまにでますし、骨董市などでもでますが…。
結局、濡れている状態で伸ばしながらのアイロンとか
いろいろ方法はありますが、アイロンはちりめんのしぼが大きいとつぶれますし、
どこもすべて同じ幅に伸ばすというのは大変です。
なにしろ12メートル分ですから。
下の写真は「鬼しぼちりめん」と呼ばれるちりめんを、
水洗いして伸子張りをしている途中です。
向かって左側は、伸子で伸ばしているので、反物の幅が出ています。
右側は、まだやっていないので縮んだままです。
こんなに縮むんですね。
古いものになると、反幅が25センチくらいに縮んでしまうものもあります。
縮みの激しいものは、2センチ間隔くらいで伸子を打たないと、
幅の広いところと狭いところの差ができてしまいますので、
3メートルでも150本以上の伸子を打つことになります。
実は家庭用「湯のし器」というものもありまして、
縮んだものを平均的に伸ばしていく道具もあります。
とんぼは一台持っていますが、今までの伸子張りは「小物作り用」なので、
横が少々なみなみがついていても、そのままにしていますが、
後から着物にまた仕立て直すには、まっすぐに伸ばしたほうがより良好です。
それにしたってそんな道具はいまどきねぇ…。
もうひとつの「色落ち」ですが、鮮やかなものほど落ちやすいです。
型染めの小紋などは落ちにくいと思いますが、
ちりめんの華やかな染めだとか、濃い色の縫い取りお召しなどは要注意です。
とまぁこういうわけで、まずは色落ち。
洗うときはまず、布はし、できれば面倒でも裾の中側などで、
色落ちを試したほうが無難です。次に縮むことを考えると、
洗えるものは紬や綸子(ちりめんでないもの)
つまり「強撚糸」を使っていない平絹系のもの、ポリ、木綿、ウールなど。
ただし、ウールなどは「防縮効果」のある洗剤がお勧めです。
そのほかは普段のほこり汚れていどなら「水洗い」だけで十分なのですが、
気になる場合はオシャレ用洗剤かシャンプーが有効です。
脇や衿はブラシ洗いをしてください。きつくしないように。
そのあとは生乾き程度でアイロンです。斜めにかけてしまわないように。
ここまでは「解いた場合」です。
もし、丸洗いであるならば、洗濯機でガラガラは、できればポリだけ。
ほかはすべて「手洗い」が一番です。
オシャレなセーターなどを洗うのと同じ要領です。
最近は「やさしい洗濯機」とか「縮まない洗剤」とかありますが、
自然に近い状態で、手を使っての押し洗いが一番いいのです。
脱水にかけるときは、きちんとたたんで、余計な折り目が付かないように。
干すときは平らに、もしくは着物用ハンガーで、できれば袖の外まで棒が伸びて、
袖もまっすぐに干せるものがいいですね。仕上げに丁寧にアイロンかけです。
手間を惜しんでオシャレはできません。
「たらいに洗濯板、伸子張り、仕立て直し…」、昔の人の手間を思えば、
ラクなものです。
時間がないのでお金がかかっても・・・という場合は、ドライもありますが、
ドライは洗剤と水を使うわけではないので、汗ジミなどは落ちません。
呉服屋さんの「丸洗い(生き洗いともいいます)」が一番です。
クリーニング店で「京洗」と書いてあるところも「丸洗い」してくれますが、
最近は「取次ぎ」が多いので、トラブルの場合を考えて、私は呉服屋さんです。
町の呉服屋さんで「染め」とかいてあるところは、悉皆もやってくれますので、
そのほうが安心です。「着物買わないと」とか「そこで買ったものじゃない」とか
そういうことは、あまり気にしなくて大丈夫です。
一度そういうお店とつながりをつけておくと、突然しみをつけちゃった、とか
そういうときでも、相談に乗ってくれます。
昔は「三度洗い張りをしたら、そのあとは繰り回し」、つまり、
もう着物では着ないで、何かに作り変え、といわれたものですが、
それは、今よりずっと着物を着る回数が多かった時代のこと、
着物で暮らしている場合は別として、着る回数によって
丸洗いや洗い張りを考えましょう。
なーんかめんどうよねぇ…、と思いますね。
実は私だって、着物のメンテはめんどくさいと思います。
今のようにスイッチひとつで何でも機械がやってくれる、
お金をだせば、すぐ着られるものを売っている、そういう時代に暮らしていると
「手間」をかけるということが、ただめんどくさいと思えてしまいます。
そんなとき、私はいつもこれを出して眺めます。
これもまた「洗い張り」状態でいただいたもの、綴じ糸を切って広げてあります。
ものすごい「ツギアテ」…、これが大小何十箇所とあります。
一番長いところのツギ部分を拡大して表から見るとこんなです。
これで「呉服屋さん」に洗い張りに出しているんですよ。
そして呉服屋さんも、こういうものとわかって大事に大事に洗って
湯のししてくれたんですね。昔のものはこういうものが多いです。
ものを大切に思うキモチと手間を惜しまない心、
便利な世の中にはなりましたけれど、そういう気持ちだけは、
いつまでも大事にしたいものと思います。
本当にスゴイ事ですね。解いて羽縫ってから出す
なんてことすら面倒でそのまま出してしまいます。
昔に生まれていなくてよかったと思ってしまいます。
我慢してお金でかたをつけています。染み抜き、洗い張り、とき、あらい、縫い直し、悉皆、みんな専門を頼んでいます。着物着る資格ないかも。どうすりゃという知識だけはありますし、どこにいけばとかは知っています。でもできない。
とんぼさんには感心しきりです。
先日の小紋染み抜きしてもらったの、引き取りにいってこなくちゃ。
なかなかやりませんね。
私も母から道具をもらったからです。
実はふのりもハケももらってるんですが、
そこまではも~~~ご勘弁…です。
現代に生まれて、私もほんとラクしてます。
蜆子様
ご心配なく。読んでおわかりのように、
私も自分の物を洗い張りしてるわけではありませんし皆さんにお勧めしてるわけでもありません。
今の時代はそういう時代なんじゃないでしょうか?
手間を惜しまないというのは、
大事に扱うという意味なのです。
以前に伸子針のコメントを差上げた時から始まった様に記憶しています。
洗い張りの済んで綴じた状態の反物が我が家にも有るのですが
いずれも私には幅も丈も短い様です。
何かに利用できないかな~と思案しつつ抽斗の中を行ったり来たりしています。
いえいえ、それよりもっと前、
開設直後から、おいでいただいております。
もっとも「古参」、ありゃりゃえっとあのー、
まだブログ駆け出しのころから、
応援していただいておりますです。
感謝感謝でございます。
幅も丈も短いとなると、帯とかそれくらいでしょうか
今年の秋にむけて、カンタン・コートを
考えております(まだ夏もきてないってのに)。
十分作れるんじゃないかと思eますので
待っててくださいねぇ(忘れちゃいますね…)
今後とも、よろしくお願いいたします!