ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

雨コート

2010-06-01 21:10:03 | 着物・古布
写真の説明はのちほど。

やーっと晴れました。さわやかな5月っぽい…って今日から6月だっての。
こうお天気と気温が定まらないと、冬物も全部はしまえなくて、
お天気見ては出したり入れたりしてました。そろそろ終わりかな。



さて、着物を着るたび雨が降る…オコナイの悪さはこっちへおいといて、
コートが必要です。あるにはあるんですがねぇ…雨コートってほんとに嫌いです。
昔作ったものがちょっと派手になってるんですが、
雨なんだからいーや…と気分までいい加減になって、そのまんま。
もうひとつ、これはいくらなんでもの真っ赤ですので、すでに着られませんが、
二部式があります。呉服屋さんに言わせると、
コートはひとつに続いたものの方がいい…そうです。

以前、二部式の下だけ腰に巻いている人をみたのですが…。
確か梅雨時のことで蒸し暑かったですから、裾のほうだけ雨や泥はねを防げれば…で、
上を着なかったのだと思いますけれど、ほんと、ミゴトにカッコ悪かったです。

緊急用の透明ビニールの「腰から下用」というのがあります。アレのほうがマシ。
透けてますから、見れば「あぁ携帯用の便利グッズだな」とわかりますので、
コレの場合は、腰から下だけでもそれほどおかしくはありません。
携帯用のビニールカバーはこちらにあります。

今のコート地は糸の段階で防水をするのだそうです。なるほど。
ちなみに防水スプレーですが、私も(着物ではなく)やってアララと思ったのですけど、
完全ではありません。小雨霧雨程度ならいいんですが、
降りの強いときとか、縫い目などから水がしみこむ危険性があります。
呉服屋さんのお話では、特にしずくが下のほうに行くので、
裾のあたりに水がしみてしまうそうです。
また、着物でないものに使ったときも、耐久に限りがありますから、
しばらくするともう一度かけなおし…。
和装バッグは布製のものも多いですから、バッグなどにはいいですね。
昔ながらの上から下へ一続きのコート、実はなんかのっぺり見えて好きじゃないんですが、
実際の「降り」には、一番の「つわもの」です。

私のコートは、あまり着物というものについて深く考えていない時期に
あぁひとつないとね~で作ったものですから、よくある「道行型の衿」、
あまり好きじゃないので、よけいに着たくない…?
コートって全身をすっぽり覆いますから、着物とは違った「地味派手」があります。
もう20年も前に作ったので、紺地ですが、柄がちとハデになってきています。
どうせ一つはないと…なので、きにかけてはいるのですが、
呉服屋さんのお話では、着物を着るヒトが減っているので、コート地はもっと減ってる…。
はいっても数が少ないとのことなので、妥協せず、気に入った柄が見つかるまで
♪わたし ま~つ~わ…にしました。できれば黒地にとかぼなんてのが…ムリムリ。
次に作るときは「千代田衿」のような感じにしようと思っています。

こんな「衿のいろいろ」のページを見つけました。
イラストはあんまりお上手じゃないけど、いろいろ比べられておもしろいです。

20代のころに、母からもらったコートが、この千代田衿でした。
さすがに赤いのと古いので、結局一度も着ないまま、箪笥の引き出しで
冬眠しておりますが、道行のようなスクエアネックと比べると、
やっぱりスマートかなーって思います。

さて、今のところコートがない私はどうしているかと申しますと、
雨が降ったら…「着物着ない」…わーーーんごめんなさい!
いや、雨コートはほんとに必要だと、身にしみています。
先日の京都行き、あの時はもう完全に丸二日「本降り」の予報でしたので、
最初から洋装で行きましたが、たとえば二日目は大丈夫そう…などだったら、
1日目はコートで行く予定でした。だからコートないんでしょ…はい、ホンモノは。
いや、ホンモノニセモノってことでもないのですが「携帯用」があります。
正直、今はこれでしのいでいるって感じなのですが、
まぁ「降るかも」「もしかして」のときは便利です。
お福ちゃんに着てもらいました。
上ばっかり気にしてたら、下があがりすぎ…。


          


既成サイズなので合う合わないがありますが、私の場合はなんとか…。
コートは少し長め大きめでもいいですしね。

トップの写真、もう一度アップします。折りたたんで専用ケースに入れたところです。
B5くらいの大きさですかね。色もこれが一番実物に近いかな。


   


一応中の紐も二段ついてます。
何年前に購入したのかは忘れましたが(はい、いつものよーに)
コートを誂えることを考えたら安いものだと思いまして…。
購入はこちらです。
旅行には必ず持って行きますが、軽いししわになりません。
実際に雨の日には着ていませんが、お試しで水滴をたらしたり、
ちょっと霧を吹きかけてみましたら、ちゃんとよくはじきました。

それにしてもおかしな天気続きです。梅雨前線は、例年よりずーっと下なんですって。
入梅は遅い、つまり「明け」も遅い?
梅雨時は気温が高くて湿度が高い…という最悪の時期、
年とともに弱いところも増えて、あせもなんてのも気をつけないと…。



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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これは便利そうです (otyukun)
2010-06-01 22:55:15
良いものをお持ちですね。
雨用は手軽で、嵩張らない、これが一番です。
お福ちゃんの着姿も様になっているのだから尚更優れものだと思います。

ところで、先日の喪服ですが、今の工房の形になるまで、消費者とは殆ど無縁でした。
喪服の染も依頼される事はありませんでしたが、今は結構あるんです。
喪服の染は殆ど「炊き染め」で一定の黒さしか表現出来ません。
あの艶やかな黒は全て油分をその上から乗せる事で出しています。
それも三段階になっていて、一番濃く見える黒は後々問題が出ると聞きました。
引き染めの黒は染料黒と三度黒の二種類ありますが、この油分を乗せた黒には黒さで負けてしまいます。
皆さん誤摩化されているのは間違いないのです。

留袖の黒の染であった三度黒は本質は植物染めなので経年劣化は間違いなく起こります。
しかし、元の黒にする事も可能なのです。
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Unknown (陽花)
2010-06-01 23:24:18
雨コートの寸法って難しいですね。
私も嫁に持ってきた赤系、母にもらった
ピンク系、気にいって買った紫系・・・
派手過ぎて着られない、寸法が合わないなど
で、役に立たない雨コートばかり。
今は何とか黒系の二部式で間に合わせて
いますが・・・

とんぼ様の紫の雨コート素敵ですね。



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Unknown (アナログ)
2010-06-02 07:50:51
家のそばにお茶会の催せる場所があります。
午後から雨の日、傘をさしてはいるのですが、雨コートは着ておらず、着物の裾が濡れている人がいました。

母は、「ああいうときは、着物の裾をからげるのよ。襦袢見えたって、そのほうが着物に対する愛情が感じられる」と言っておりました。

私も雨コートを着る時、結構な降りのときは、
中の着物、からげて腰ひもなんかで止めておきます。
裾って、けっこうハネが上がるものですからね。

なかなか若いうちは襦袢見せてってのはできませんが、年を重ねた今ならできる!

返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-02 11:22:38
otyukun様

おかしな言い方ですが、これでオーダーができたら、
これでもいいという購買層もいると思うんですけどね。
最初から降ってるならともかく「あやしい」というときには、
手軽にもてますし…。

黒の染めのお話し、ありがとうございます。
紅下とかそういう知識も何もない世代で、
しかも化学染料に鳴らされた目には、
黒の黒さや赤の赤さの定義が変わっているのかと思います。
めったにきないものだからこそ、吟味したいところですが。
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Unknown (とんぼ)
2010-06-02 11:24:45
陽花様

ほんとに微妙ですよね。
昔は高歯ゲタをはきましたから、
少しくらい長めでも…でしたが、
今じゃタイヘンです。
なかなか思い通りには…なのに、
ないと困るんですよね。

このコートはなにより軽いのがいいですよ。
ペラペラですから。ははは。
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Unknown (とんぼ)
2010-06-02 11:27:41
アナログ様

そうですね、裾をからげるという知恵や知識も
つたわっていないのでしょうね。
襦袢は下着ではなく中着ですから、
見せてもいいものなんですが、
洋服の感覚でいくと、ダメなんでしょうねぇ。
私なんぞ若いころから、裾からげて
掃除したりしてましたが、今じゃ考えられないのでしょうか。
もっといろんなことを知って、着物を楽しんでほしいと思います。
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Unknown (アナログ)
2010-06-02 12:47:50
なにげなく使っている言葉でしたが、
とんぼさんのコメント返しでハッとしました。

娘に「からげる」って知っている?と聞いてみました。
「????」だそうです。

裾をからげる知恵も知識も伝えておりませんでした。
裾や袂のある着物を纏っての生活をしていない、ということもあるでしょうが、親の責任を痛切に感じました。
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着物に関しての最後の仕立ては...。 (akkomam)
2010-06-02 14:22:06
 雨ゴートはあまり利用しないうちに派手になったのか、
 義母のところに出入りする呉服屋さんに頼んで仕立てて
 もらったのが、着物にかかわったことの最後のような
 気がしてきました。

 でも、一度も羽織ることもなく仕舞ってありますが、
 娘に見せても、丈があわずですし、今は会場で着付けを
 してもらいますので、雨の心配はいらないようです。
 
 洋服と着物と両方を揃えるのは大変な費用と場所が、と
 なります現在、私なども着物について語り合うことも
 ないので、とんぼ教室で生涯学習生徒で学びます。
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雨コートの不思議 (りら)
2010-06-02 16:34:57
何年もじーーっくり着物の古着を相当数見てきましたが・・・・
夏物の雨コートが無いんですよねぇ。
日本で雨と言ったら、梅雨でしょう?
その時季の雨コートを、ネットオークションで見かけたことがありません。
化繊のあの雨コート地で作ったコートって、梅雨には熱がこもって暑いと思うんですけど・・・

単衣から盛夏にかけて着物を着る人が減っている所為かとも思いますが、着物類はそれ以前の古いものがいっぱい出てきてます。
戦前や戦後すぐくらいの人たちって雨コートを着なかったのでしょうか??

お知り合いたちは古い大島で単衣のものを作ったり、目のつんだ紗で作ったりしているようです。
幸い、私の住む地域の雨季はバッチリ袷時期ですので、普段は気にならないのですけど・・・・
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Unknown (とんぼ)
2010-06-03 18:55:37
アナログ様

からげる、とかしりっぱしょりとか、
意味が通じなくなっているんですね。
何かひとつ衰退すると、それに付随するたくさんのものが
一緒にきえてゆくものです。
なくなってもしかたのないものもありますが、
横文字ばかりの暮らしが、ちょっと疲れる年になりました。
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