これといった写真がありませんで…2011年に出した「作り帯」の写真です。
「道成寺柄」、鐘の「撞座(つきざ)」、あのごぉーんと撞くところが見えます。
白いのは「納入のための押さえ紙」です。
これは「ちりめんのはぎれ」、元はこんなじゅばんでした。この裾と袖の部分を解いて伸子張りしたもの。
ほしいとおっしゃる方がいらして、仕立ても依頼され、作り帯にしました。
お太鼓が出来上がっている形です。無事お嫁入りしていきました。どしてるかな…。
さて、素材をいろいろ考えるのも、作り帯の楽しさですが、
作り方にもいろいろ考えられる…のお話、と言っても、これは「よそさま」の知恵ですが。
私に着物をくださる方の中に、お体にほんの少し不具合のある方がいらっしゃいます。
日常生活には問題ないのですが、着物をちゃんと着るのが少ししんどい…というわけで、
礼装や略装以外では、着方や作り方に「自分流」の工夫をいろいろされています。
元々モノはたくさんおもちですが、私よりはるかに年上ですから、
当然「ムダにしない」世代…なので、あれこれご自分で作られます。
その方からいただいた作り帯、なんですが、すみません、現物は只今「だれかさん」のおかげで、
荷物のいっちばん奥で休憩中なのです。あれをホリホリするには、たいへんなので、絵だけで…。
ひとつは究極の作り帯??「帯締めつき作り帯」。
こんな感じで、帯に帯締めを縫い付けて、そのまま締めるようになっています。
もちろん、ほかの帯締めは使えないし、帯に穴はあけるし…ですが、
この方はお体の都合でできるだけ背中に大きなものは背負いたくないのと、
そのためもあって、羽織やちゃんちゃんこなどの上着を多用なさいます。
つまり「前だけちょこっとみえれば」でいい…わけで。
使われている帯は昔のもので、お太鼓の端などが擦り切れたり、見えないところにしみもあり、
そのままではもう使えないものだったそうです。
帯締めを半分に切り、縫い付けたわけですね。ちょっとそこまで…はこれなのよと。
二番目のこちらは、帯の丈はあるのだけれど、帯を巻いたりする動作が少しでも
少なくて済むように、一回巻いてもちゃんと二重に回しているように見えるよう、
前だけ二重にしたもの。
ツレないように、内側は少し控え目につけてあります。
ご本人は、羽織で隠れちゃうから、と、絵に描いたように、ミシンでジャカジャカつけてありますが、
ほんとは表に響かないようにつけると、羽織なくてもしめられるわよ、と、おっしゃってました。
もちろんこれには出来上がりのお太鼓があります。
体の不具合というのは、別に病気というほどでなくても、私も五十肩かと思うときには、
右手が後ろに回らず苦労しましたし、母は手首にもきたことがあって(小ウデとか四十ウデとか言うそうです)
手首を自由に動かせない時期がありました。
私がまだそばにいましたのでそんなときは手伝っていましたが、そういう「便利なヒト」がいないとき?は、
いろんな工夫をするものなのですね。
帯にお太鼓がついていて、胴に巻いてマジックテープでとめるというものもあります。
一番早いですね。
マジックテープなど、便利なものがいろいろ出てきましたから、昔とは違う工夫もつきます。
大事なのは「手間をおしまないこと」「知恵を絞ること」でしょうか。
以前、ネクタイはぎはぎの帯をご紹介しました。これも本に載っていたものです。
ハギレが捨てられない…いいことじゃあーりませんかと思っています。
ひとつ、何か作ってみませんか?
大きな布のどこかを切りだす…って、
迷うし悩むし、でも楽しい、ですね。
頭の中では、いつもパズルしていますが、
本物のパズルは、全然ダメです。
私も作り帯礼賛…です、最近は。
この腕が、太目の体が、もぉぉっ、なので。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
このところゆとりがなくてすみません。
ネクタイはぎはぎ帯、作り方直接ではありませんが、
コツ…について、今日の記事にかかせていただきました。
読んでみてください。
大きく使うのと部分使いでは、
イメージが変わることがよくあります。
おもしろいものですね。
最近はふとったせいで、手が後ろにいきにくいですー。
痩せれば済むことですが、
それが一番ムズカシイ…です。
元の襦袢からはこうなるとはナカナカ想像が出来ません。。
こう作ったらこんな感じに仕上がると想像するのは一つの才能ではないでしょうか。。
布を見ているだけで仕上がりを想像する力のある方は本当に素晴らしいと思います。
作り帯はとても参考になりました。
出来れば私もすべて作り替えたい!!!
いつも帯で手こずっています。。
いつもいつも楽しく、ある時は、考えさせられながら、ある時は、そうそうとうなづきながら読ませて頂いています。
この「ネクタイはぎはぎ帯」いいですねぇ。
ネクタイって絹ですものね・・・
作り方教えて頂けませんでしょうか?
宜しくお願い致します。
本当に素敵な帯ですね。
自分が楽に締められる帯の形を考えるのも
いいですね~