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見ればどうやってどこに使うものかは、すぐお分かりかと思いますが…。
なんという名前だかご存知ですか?
レッグ・ウォーマー…でもマチガイではありません、とりあえず…その中の一種、です。
ブーツ・カバー…も、マチガイではありませんが、これ「短ゲートル」といいます。
日本語で言うと「半脚絆」…とたんに「旅がらす」のカッコが浮かんでしまったアナタ…時代劇好きでしょ。
裏はこんな感じ。土踏まずの位置の下にベルクロ(マジックテープ)がついていて、
そこで靴の裏に通し、反対側でプラ具(上のボタン穴の右下のもの)に通して締めてつけるようになっています。
ややこしいのですが、こういう「足を守る道具」は、ズボン(今はパンツですね)の上からとか、
ひざ下とか、足首とか、昔からいろいろ作られてきたわけです。
登山者がふくらはぎの保護のために巻いたり、ダンサーが古いセーターの袖を切ったものなどを履くなど、
またチャップス、というものも「足の保護のためのもの」として出てきますが、
日本で言うと、武士が狩の時に袴のうえからつける「行縢(むかばき)」、ローハイドのことですね。
ここ十年くらいですか(もっと?)、防寒グッズとオシャレをかねて、ひざ下から足首までの、
いろんな素材のキレイなレッグ・ウォーマーが出ていますが、アレは締めるより防寒が主目的ですね。
本来は「保護」という実用が主のものだったわけです。(今でもそうですが…)
で、ゲートルというのは、前述の「登山家」とか、もうひとつは「軍人」のように、
危険回避や、怪我防止など、より安全をめざすものに使われたわけです。
ズボンの上からこれを履く(巻く)のは、裾が何かに挟まったり引っかかったりして、
歩行走行を妨げたりしないように、またしっかりつけることで足のうっ血を防ぐ目的もありました。
日本でいうところの「脚絆」ですが、さっきの旅がらす…のように、昔長距離を歩くときは、みんなこれをつけました。
汚れ防止でもあり、けが防止もあり、なにより「足のうっ血」を防ぐのに役立ったからです。
今、「ふくらはぎの部位によって圧の違うストッキング」というのが出ていますね。アレも同じことです。
ふくらはぎは第二の心臓、といわれる場所で、二足歩行の人間にとって心臓から遠い足の部分は、
どうしても血流に問題が出てきます。そこでふくらはぎの筋肉が「ポンプ」の役目を果たして、
血流をよくしているわけです。だからここをテキトウな圧で押さえて締めてあげると効率よく動くわけですね。
なんか「健康講座」みたいになっちゃいましたが、日本の昔の脚絆は、布に紐がついているものや、
こはぜでとめるものがありました。後年「軍隊」ができたとき、「ゲートル」を使いました。
「巻き脚絆」といわれるものです。これも過去記事があります。
この「短ゲートル」は、現在では実用というより、儀式の正装用など、見映えが主になっています。
実際くるぶしから足の甲まででは、あんまり役に立つとは思えませんよね。あったかいことは確かですが…。
アメリカの1900年代設定の映画などですと、縞のスーツに黒い靴を履いて、
白い「短ゲートル」なんてカッコの「伊達者」みたいなの、でてきますよね。あれです。
士官学校などで使っていないかと探して、やっと見つけました「ウィキさん」ですがこちら。
さて、それを踏まえて~って程のこともないのですが、母はナニを思ってこれを買ったのでしょう。
つけて歩いているのは、見ていません。オシャレのためであったことだけはわかるのですが、
70半ばくらいまでは、パンツ系よりスカート、ワンピ系が好きだったヒトですから…。
母の葬儀の後これをみつけて、父に「これ使ったの?」と聞いたところ「1回使ったかなぁ…写真あるかも」と。
でもねぇAラインとかフレアとか、ぱーっと広がるスカートが好きでしたからねぇ。どう見ても合わない…。
とりあえず実際つけてみよう…でやってみました。ん~なるほど…でも私、ズボンがくしゃくしゃ溜まるのヤダな。
横から見たところ。カッコ…いいかぁ??
ふと「オシャレだったら、スカートでもいいじゃん」…と思いついたのですが、タメシに穿くスカートがない…。
で、誠に申し訳ございませんが、まぁズボンでなかったら…の様子だけということで「大根足」で失礼します。
なんかタダのショートブーツ履いてるみたいで、違和感はありませんねぇ。どうですか?
ちなみに履いた靴はこんなのです。黒い無地のところが全部ゴムという「ラクチン手抜き靴」こんなんばっかし。
紐の部分など、けっこう出っ張りますが、カバーするのには問題ありませんでした。
かえってシンプルな靴の方が、甲の部分が浮くかもしれません。
で…結論です。オシャレな母はきっとスカートでもこれを使うつもりであったと思います。
でも、ほとんど使わなかった、なぜか…これはすぐわかりました。
さぁ出かけようと玄関に行って靴を履き、これを装着する…ものすごーく めんどくさいったらないっ!
小さいボタンを左右合わせて8個も、体ひねってとめつけて、ベルトを靴の裏に通してひっぱって…。
実は、私らしいことでして、両足やっと取り付けてさぁ写真、と思ったらカメラにカードが入ってない…。
よっぽど家の中を四ッん這いでいこうかと思いましたが、思いとどまって一度脱いで取りに行きました。
まぁめんどくさいめんどくさい…。でも、これは足袋と同じで、ピッタリ合わないと不恰好ですから、
ファスナーでは融通が利かないし、どこかゴムにしたら引っかかったとき危ないです。
ボタンなら、自分の足に合わせて付け位置を変えられますからね。
昔の出始めのころの「編み上げブーツ」を思い出しました。
のちに内側にファスナーがついて、いちいち紐をかけなくてすむようになりましたが、
私が買ったころは「ちゃんと紐かけするタイプ」…出勤前に「じゃいってきまーす」と居間の両親に声をかけ、
わっせわっせと玄関で紐をかける…「なんや、まだいたんかいな」…と言われましたっけ。
オシャレのためならエンヤコラ…ですが、さすがの母も、きっとこのややこしさには負けたのでしょうね。
但し…これは発見ですが、ほんとに「あったかい」です。
着物でもそうですが、冬場ちょっと風のあるときなど、足袋のちょうど切れる足首の上あたり
「寒いなー」とおもったことありませんか?
パンツルックも同じで、下から足首に風が当たると、そこが寒い…と感じるものです。
オシャレばっかりってことでもないんだなーと、納得しました。
使おうかな…めんどくさいな…帰ってきたときにもし「トイレ~!」の状態だったら…、
這っていって、トイレの中で脱ぎゃいいか…コレコレ…。
面倒じゃなかったら足首暖かくていいなぁと
思います。
とんぼ様の御身足は形よくスラッとしていて
綺麗ですね。
前述のマフといい、
ミス・ポターやメアリーポピンズを思い出しました。
本当に履いていたかどうかの記憶はありませんが・・・
私もマフは持っていましたが(50年前)
これはさすがに実物も見たこともありません。
だって、日本では全く不便だから・・・
冬になってからは足下が寒いので
外出はブーツばっかりです。
ブーツはもちろん昔から
乗馬靴タイプ(ファスナー無し)です。
(すぐはける)
日航のスチュワデスで、海外から
ハイヒールにつけるとブーツになるのを
持っていらしたのを見ています。
娘が乗馬するときにつけるようなもので、
皮でしたね。
でもきれいに履いていて、気がつかない
ようでした。
お母様はほんとうにお洒落でしたね。
母は珍しいものをよく見つけていましたし、
自分が好きなものはヒトがどういおうとかまわない、
というポリシーみたいなものがありましたね。
とてもまねできません。
足をほめていただいて嬉しいのですが、
いやぁ、昔のブーツが入らないんですよー。
さすがに処分しました。
母の持ち物は、まだまだいろいろありそうです。
骨董やが開けそうですわ。
私もブーツ二足目からは、ファスナーにして、
最後にはいたのは乗馬靴式のすぽっとはいるヤツ。
ところがここへ越してきて、20年履かずに大事にしてきたそれを出して、
イザ履いてみたら…ふくらはぎがデブってて、入らなかったんです。
よくよく見れば、外側はきれいでも、中側の皮が、
ちょっとベタついたりしてきてましたので、
泣く泣く捨てました。
今はブーツはくとしてもショートがめんどくさくなくて良いですね。
持ってないんですが…。
母のオシャレは、常にゴーイング・マイ・ウェイで、
私に「これどうかしら」と聞くことはありませんでした。
その分私にも「アンタはこれがいい」と押し付け…。
趣味の合わない部分もあって、困ったことも多々あります。
このカバーは、ちゃんと上から下までそれらしく、
一そろいで着たら、それこそマントなんかで…。
きっとオシャレだと思うのです。
外に出ない私は、ついつい「オシャレ」をないがしろにしているんですが、
ダイジなことですよね。