ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

たかが小物されど小物・・です。

2006-05-21 19:00:30 | 着物・古布

写真は私の帯です。実は15年くらい前に買ったものの一度もしめてません。
もったいなーい。なにかフラフラと買ってしまった感じです。
単、かがり帯です。四葉のクローバーの中に、丘と家、
茎のところにも樹と家がならんでいます。原画は「永田萌さん」、
帯のたれのウラ部分に「萌」とはいっています。(折り返してあるところ)
なんでこんな、めるへんちっくな帯を買ってしまったのだろー。
写真で見るとずいぶんきたなく見えるのですが、写し方のせいです。
白地の割には、薄汚れ感はありません。横に入ってる線は銀糸です。
どなたか締めてみる気はありますか?

先月のことになりますが、とんぼの住む町の駅にある「駅ビル」に行きました。
そこそこテナントも入ってはいるのですが、呉服店はありません。
そこで珍しくも「着物」の女性と遭遇しました。
(遭遇なんて書かなきゃならないほど、ほんとに着物人に会いませんネェ)
ウールの着物に綴れ風の帯でしたが、目が行ったのは「小物」・・。
いえ、ステキで目がいくならいいんですが、その人「帯揚げ」を
思いっきり締めまくってまして、真ん中のかた結びがちぃさ~くなってる・・。
ウチへ帰って、あれほどけるんだろうか・・と心配するほどです。
思いっきり両脇へひっぱってつっこんでいるので、帯がパカパカ浮いて見える、
すれ違うときチラッと見たら、中の帯枕の紐だののゾーモツが丸見えでした。
帯締めはかなりの年代モノ、いやアンチークはいいんですけどね・・・、
結んだ両端を無造作に挟みこんでいるので、房がとんでもないほう向いてる・・。
なんだかなー・・の着物人でした。お年は40代後半くらい・・。

小物って、ほんとにわずかしか見えないんですけれど、色柄とともに、
結び方や収め方、気をつけないと全部台無しですねぇ。
以前にも書きましたが、帯揚げ帯締めには、色柄とともに、
結び方・収め方に流行があります。流行というほどでもないのかもしれませんが、
「このころは、こんなふうに結んでた」・・という感じですね。
いっとき、太い帯締めが好まれた時期もあって、その頃の写真を見ると
真ん中でものすごい自己主張してます。それをちゃんとアクセントとして
使いこなせれば、けっこうモダンなんですけどね。
最近は、振袖はともかく普段着物は、若くてもそれほどハデに見せないのが
主流のようですね。昔は帯の上に「おやまがふたつ」とか、帯の上に帯揚げを
出して少しかけるようにする・・なんて時期もありましたが・・・。
どちらかといえば、若くてもあまり仰々しくださない方が、スッキリですね。

さて、その結び方ですが、着付け教室によっていろいろ違うものなのかどうか、
そのへんのところがわからないのですが、私の30代の頃は、結ばずに
前で一度交差させて両脇へ収める・・でした。今は帯位置も下がりましたから
結んで、あとは全部中にいれてしまう・・といいますか、
帯の上を「ポケット用」にかなりあけているので、中のゾーモツが見えないように
ちょうど「フタ」をする感じ・・ですかね。
昔の着物の本を見ると、帯が胸より前に出ない感じにキッチリ締めています。
年齢にあまり関係なく・・です。見てるだけで苦しそう。
洋装の「腰がきゅっとしまって」というのをめざしたのかもしれませんが、
土台むりなハナシ・・。最近は、帯が前にででいる着方が多いですね。
本来そうあるべき、と思います。腰が細く見えるかどうかは、着物には
あまり関係ないのですよ。私のようにビヤ樽体型は、どー着たって太いんだいっ!
あ、こりゃ独り言・・。
ハナシがそれました、帯をきゅうっと締めていた頃は、その分帯揚げも
若い人は表に出た分はみ出させ、帯にかぶるような形も見られます。
帯の締め方がゆったりになった最近は、帯揚げもあまり目立たせず、
若い人は少し覗かせて・・くらいでしょうか。すつきりしてますね。

ところで、小物は意外にお高いもの、ですね。着物を着始めたばかりの頃は
とりあえず何本かあれば・・と思いがちですが、実は小物で雰囲気は
ガラリと変わるものです。色の種類を考えてそろえるといいですね。
自分の好きな色もいいのですが、それが帯や着物と合うとは限らないですから、
手元の着物と帯、それによく着る組み合わせ、その色合わせから、
たとえば「朱系、ピンク系、グリーン系」など、系統で色の種類を決める、
買い物に行ったら「今ピンク系が少ない、薄いピンクはあるから
濃いピンクのを・・・」というように、上手に買い物してください。
数がふえてきたら、あとはもう自由・・でも買ったはいいけど
合う帯がない・・なんてことになないように・・。

帯揚げは布であれば、スカーフや着物のハギレ、洋服地などでも作れますが、
帯締めとなると「組みひも」ですから、これはいつもコメントくださる
陽花 様の領分!道具と技術がないと、今すぐ作るというわけにはいきません。
布でできるのは「丸ぐけ」の帯締めです。
最近、ちりめんの丸ぐけの帯締めもよく見かけますね。
ただ、どうしても若い人向きなのか、太いんです。では自分で作りましょう。
普段用のカンタン丸ぐけ帯締め・・です。
細長い布が必要です。長さは自分がいつも使っている帯締めを測ってください。
太めのものを作るなら、結び目で寸法取られますから、ちょっと長めに。
さらに中に、端をちょっと織り込む分なども考えて、すこし余分にしてください。
単純に細長い筒を縫ってひっくり返して中に芯を詰めるわけですが、
モンダイはこの「芯」なんですね。実は帯締め用の芯があるのかどうか、
私は知りません。私が使うのは「毛糸」です。
毛糸は極太、もっと太くてもかまいません。紐状に縫った筒に毛糸を通すのは、
パンツのゴム通し・・ではなく「安全ピン」です。できれば細めのもの、
一回に一本ではなく、毛糸を帯締めの長さの何倍かに切って折りたたみ、
安全ピンの中に通して、一度に4本とか6本とか、通してしまうのです。
もちろん毛糸は長めに切っておき、通った毛糸は、筒の入口出口のところに
仕付け糸でちょっと留めてしまいます。
こうすると、あとから入ってくる糸に引きずられてしまうことがありません。
安全ピンがスイスイと通る間はそれで通し、だんだんギッチリになってきたら、
「ゴム通し」で通す・・こうして、好きな固さになるまで毛糸を通し続けます。
パンパンに張ったほうがいいです。
気に入った固さに通ったら、仕付け糸をはずし全体をしごいて落ち着かせます。
これでいいと思ったら、必要な帯締めの長さに両脇の縫い代として5~7ミリずつ
余分にとって毛糸ごと切り落とします。毛糸は詰め込めますから、
入り口のところちょっと詰め込んで、縫い代を内側に折込み、糸で縫い絞ります。
帯締めの先端がさびしいですから、たとえばウッドビーズの大きいのをつけるとか
帯締めと相性のいい刺繍糸で房を作ってつけるとか、そのあたりはお好みです。

これを作るときは、できれば「お試し」に長さ10センチくらいの
「見本帯締め」を作ってみることをお勧めします。まず太さの確認と
使う毛糸の本数とかがわかります。端の始末の練習もできます。
毛糸って以外に入るものなんですよ。それでもひと玉あればOK。
毛糸はアクリルで十分です。なにしろ伸びが悪いのとつぶれないのが向いてます。
実は編み物に使うには、それがアクリル毛糸の欠点なんですけどね。

気をつけることは、布の伸び、ちりめんなどは伸縮しますから、
細く作ったつもりが、手綱になっちゃったり?します。
長さは、慣れないうちは、少しムダになっても長めに作って、
余分を切るくらいのほうが安心です。
それから、色の薄い布で作るときは、中の毛糸の色が透けて見えたりしますから、
気をつけてください。紐ですから、ちょっとしたときに縫い目が見えます。
糸は布に近い色を選んでください。縫うのはミシンでも手縫いでも。

布がたくさんあるなら帯揚げも一緒につくっておくといいですね。
薄い布なら、帯揚げも「筒」に縫うと、はしの始末がいりません。
両端は切りっぱなしでもOK、ふつうの帯揚げでも両端はそのままです。
もしほつれやすい布だったら、めったに洗うものではありませんから、
ボンドを薄めたものを塗って、よーく乾かすとか、
ごく薄い布の接着芯をはってからちょっと切るなど、いろいろな方法があります。
端はどうせ帯の中に隠れちゃいますから。

小物は大切な脇役です。おろそかにしませんように。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
元祖?萌え~~♪ (ぶり)
2006-05-21 21:16:23
永田萌 妖精の森美術館URL

http://www.ytv.co.jp/moe/

相変わらず、妖精や猫が、かわい~ぃ♪



なんで、こんな帯買ったと仰るけれど、

メルヘンティックなのお好きなハズでは。。。 うふ
返信する
Unknown (陽花)
2006-05-21 21:35:01
とんぼ様



名前を載せて頂きありがとうございます。

暇さえあれば組紐ばかりしていますが

丸ぐけの帯締めもいいですね。

今度作ってみま~す。
返信する
感心!また感心! (蜆子)
2006-05-21 22:42:14
とんぼさんのブログに集っていらっしゃる方々、とんぼさんは勿論、皆さん、本当に着物を愛し、楽しみ、工夫を一杯なさっていらっしゃることに感心しきりです。

洋服をこんなに楽しみ、愛していらっしゃる方々はそんなにいらっしゃるのだろうか?

着物ってそんなにも思わせる魔力があるのだろうかと、この頃省みています。



プロの仕事振りが好き、素人は口を出さない、などという言い訳で、人任せにばっかりしている身を恥じています。



昔綿のはいった羽二重の丸ぐけの帯締め、きつくしばったら縫い目がほどける、さける、中の綿がちぎれるなどの騒ぎがありましたが、アクリルの毛糸を入れる工夫、納得納得です。
返信する
おしゃれ心は、着物でも、洋服でも (ぶり)
2006-05-21 22:58:24
蜆子様

>洋服をこんなに楽しみ、愛していらっしゃる方々はそんなにいらっしゃるのだろうか?

確か、糸へんの仕事に関わっておられるのに、何を仰いますやら。。。

web検索すると、おしゃれさんのステキなブログ沢山ありますよ~♪

返信する
へへへ・・・ (とんぼ)
2006-05-22 01:48:30
ぶりねぇ様

バレてたか・・・?!めるへんちっくも

おとめちっくも嫌いじゃないんですけどね、

私が締めたら・・・と思いません??

萌さん、すきでっせー。



陽花 様

私は組みひも、いつかトライします。

とっかえっこみたいですねー!

私はあの「ぼかし」が作ってみたいですー。



蜆子様

昔の丸ぐけって、ちゃんとしまっておかないと

おれちゃったり、ヘンにねじれたり、ヘタったり、

扱いがやっかいでしたね。

今は喪服用くらいしかないでしょうか。

留袖も組みひもが多くなりましたし。
返信する
ぜひ、締めて~♪ (ぶり)
2006-05-22 05:55:49
渋めのお着物に合いそ~ 

大人の可愛げ、いいですよね
返信する
うっ! (とんぼ)
2006-05-22 10:21:37
ぶりねぇ様

し・・しめてみますか・・。

昨日、ふと思い出したんですよ。

この帯を買ってしばらくたって、母がきたときに

この帯を見て「なんぞあったんか?」って、

確かそういったような意味のことを・・

要するに「心境の変化?」

っていう意味だったと思うんですが、

よっぽど私のイメージじゃなかったんだと思います。

よぉし、ちがったカオも見せなくちゃ!

返信する
私からもお願い (Fujipi)
2006-05-22 10:50:34
とんぼさん、



 まさに「もえ~!」という感じの帯ですねこれをとんぼさんが買ったということはとんぼさんの中にこの帯を求める何かがあったはずです。是非、ご自分の身にまとってくださいませ。



 ↑でぶりさまがリクエストしているように、渋めの着物+可愛い柄帯で、「小娘には真似できない」大人の女を見せてください。「必要なのはテクニック」 「艶女のコーデテクでちょいワルおやじを悩殺」・・・あれ?悩殺・・・までは行き過ぎですね(笑)
返信する
お・おとなのおんな・・ (とんぼ)
2006-05-22 11:16:20
Fujipi様

皆様にお勧めいただいて、なーんか帯がいとおしく思えてきました。おとなのコーデ、ちょいワル親父に「おっ!」といわせてみよーじゃありませんか!?

とりあえず、千様あたりが攻撃目標!!あつ千様ごめん!
返信する
誰か、呼んだ? (萬屋千兵衛)
2006-05-22 19:04:56
あれ?皆さん、お揃いで!

ちょうど、良かった!(笑)

本日は、皆様、温かなコメントいただきまして、

ありがとうございました!って、ひとのブログで

用を済ませちゃった!(笑)



ところで、ちょいワル親父と呼ばれた千兵衛ですが、

「かるパン」履いちゃうと、せっかくの帯も見えない

んじゃないのかなあ?(笑)



ん?「かるパン」履かないで着るの?

で、「小娘には真似できない大人の女を見せるの?」

ゴホン、ゴホン!、、、

「おっ!」もう、言ちゃったよ!(笑)
返信する

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