写真は、履き始めたゲタです。
さて、先日のお話しは「浮き指」のことで、歩くことそのもののお話しはしませんでしたが、
今の私には浮き指以上に「歩くことが少ない」という現実があります。
歩きたいと思ってもなかなかですから、いろいろ考えて、ふと思い出したのが、
何年前だったかに購入した「健康器具」、ははは、このテのものは無駄になるとわかっているので、
まず買わないのですが、これは買ってありました。
「そしてやっぱり…数回使ってお蔵入り」…われながらアホだと思っていたのですが、
理由は「けっこうきつかったから」でした。
余計な前置きはさておき、引っ張り出してきました健康お道具…。
当時同じような商品はどれもけっこう高かったので、これはどこのメーカーともしれないお安いもの。
「新聞紙1枚の広さで…」という宣伝文句の実証?!
やたらと大きく(今のはとってもスリム)、今のものだとたとえば負荷の掛け方が変えられて、
自分のペースや筋力によって設定できるようですが、コレはまったくできません。
ちなみに立てて収納の大きさはこちら。今のものはもっとスリムでコンパクトのようです。
久しぶりに乗ってみて「あ、コレがやめた理由だわ」と思い出しました。ヘンに疲れるのです。
かなり重いので、踏み込むのにけっこうチカラがいります。一番下までコツンとつくところまでいくのがキツイ。
メーターには歩数(なぜか左右で1歩です)と、タイムが出ます。降りてスイッチを押すと消費カロリーが出ます。
あれこれやってみて「とにかく少し歩いた、くらいに出来ればいいか」と、一番下まで踏み込むのをやめました。
自分の体重かけて下がるところまで、にして最低3分、ちょっとずつ時間を長く。
これで始めたのですが、重いというよりバランスとりにくい、なんかヘン、やっぱりなんか疲れる…。
ふと「健康ステッパー」という現行の商品のCMを思い出しました。
こんなカタチでやってます。あ、草笛光子さんなんて、ダンスのように軽やかになさってますよね。
私、あ、これで疲れるんだわ、と気がつきました。つまり「斜対歩」でやっているということです。
斜対歩についてはずっと前にお話ししていますので再出になりますが、今の時代の「当たり前の歩き方」です。
写真でわかるように「右手が前で、左足が前」、つまり手と足は逆に動く、ですね。
これで歩くと一歩進むたびに腰がねじれます。上体をまっすぐ向けようとするからです。
斜対歩に対するのは「側対歩」、単純に言うと「右手が前で右足が前」。
幼稚園の子が間違える行進のときの歩き方…歩きにくいです。
実は日本人は着物で暮らしていたとき、この側対歩、俗に「なんば歩き」といわれますが、
それでみんな歩いていたといわれています。
でも実際にそんな歩き方をするのは無理があります。「誤解されている」という記述もあります。
つまり幼稚園児の「マチガイ行進」でのアレではなく、単純に言うと「手を振らない」で腰から小またで歩く、です。
着物暮らしにはそのほうが当たり前だったとも言われています。
ちょっと余分なお話しで…4本足の動物の歩き方には両方あります。
側対歩のほうではキリンさんとシマウマさん。左前足が出ていて、左後ろ足がでています。ラクダもゾウも側対歩。
斜対歩はこちら、ライオンさんと猫さん。前足と後足、反対側が前に出ています。
犬にはどちらもいるそうですよ。あと、馬は元々斜対歩ですが調教で、どっちもOKになるそうです。
実際には映像で見ても写真で見ても、あれっどっちだ?と思う瞬間がありますが、
それは前足と後ろ足を同時に出すのではなく、やや間があるからです。
ちなみに、斜対歩で歩く動物に乗ると上下の揺れが多く、側対歩の動物に乗ると横揺れがひどいそうです。
人間は元々どっち?これはなかなか詳しい文献もなくて私にはわからないのですが、
ある説によれば、側対歩であろうと…。なぜか…人間は元々お猿さんが進化したものです。
お猿さんって早く移動するときは4本足でささーっと走ります。このときは斜対歩です。
でも、たとえば観光地のお猿さんが、お店からお菓子など失敬していく…なんてとき、
2足歩行になります。このとき、お猿さんは人間みたいに手を振りません。
つまり2足歩行のときは側対歩になってますね。
じゃどこがどう違う…前述のように、今私たちが普通に歩く「斜対歩」は、体がねじれます。
大きな違いは、腰から歩くかどうか…コレも言葉では難しいのですが、
最初から側対歩だと、自然と足の出るほうに全体重が乗るわけです。
斜対歩だと、たとえば右足を踏み出して体重がかかると同時に腕を振って腰の上部分をひねり、
あっという間に左足に体重を移動するわけです。
これをステッパーでやると、その違いがよくわかるわけなんです。
つまり斜対歩でステッパーを使うと、右足で踏み込むとすぐに上体をひねって左足に重心を移そうとします。
すると、まだ右足に体重全部がかかりきらない状態で、左足でステップを踏み込まなければならないので、
けっこうチカラがいるわけです。実際には、それが一番いい鍛え方なのだと思うのですが、
元々筋力ない私は、それをやるとほんとに深く踏み込むことができません。おまけに腰に負担がかかります。
それをなんとか踏み込もうとするので、実際にはこれで筋力が「鍛えられる」わけですねぇ。
それがしんどいのと、そのたびに妙に体がグラついたり、腰が疲れたりするわけです。
そこで「側対歩」、つまり腕を振らずにやってみました。振れないように腰にてをあてたり、うしろで手をつかんだり。
すると、右足で踏み込むと、一気に右足に全体重がかかって、けっこう深く踏み込めます。
そして自分の体重分で踏み込めたところで左足に全体重をかける…体はねじれず、深く踏み込めます。
腰の不快さもグラつきもなく、かえってちゃんとそれぞれの足の裏にチカラが入って具合がいいわけです。
斜対歩では3分もするとちとイタイとか、ふらつくとかなんか疲れる…だったのが、
5分7分とすぐに長くやることができるようになりました。
浮き指を知ってからは、いちいち5本の指全部にチカラ入ってるかどうかも、きにするようになりました。
このところ「年をとっての変化」ということを、よく感じています。
筋力の落ちるのがはやいとか、疲れがとれにくいとか、ふとしたときに感じますし、ペットボトルをあけるのに、
ちょっと硬いと「あれっ?」と思ったり、よくいうなんでもないところでつまづくとか、物忘れなんて情けないほどです。
なげいてばかりいるつもりはないのですが、しっかり実感して対策せねばと思うわけです。
ステッパーは、そういう意味でも「あ、自分の体はこういう風に衰えているのだ」と、実感できました。
めまいを持っていることもあって、元々平衡感覚はよくないのですが、困るのは「ふらつき」。
ステッパーでも斜対歩で乗ると、別にそんなにふらついているわけではないのですが、
気持ちの上で「落ちないように気をつけなきゃ」と、気を使うわけです。
少し前までは、脚立(40センチ位の低いもの)に乗るのなんてなんともなかったのに、
最近はまず構える…「さ、乗るぞ」って感じです。足元を確かめて、つかまれるところがあれば
必ずつかまるようにして、慎重に乗ってます。
足元がおぼつかない、と言うのは、高齢者の特徴ですが、筋力も体の感覚も衰えてきているのだと実感しています。
なので、ステッパーも安定してのれる側対歩でのっているわけです。
効果のほどは…まだまだはっきりは出ませんが、結構な時間乗れるようになっているので、少しずつかなと。
うちにくるヘルパーさんが「やってみる」と使ってみたら(当然斜対歩です)、いや、これけっこうキツイわ、と
びっくりしていました。もちろん彼女は下までコツッといくところまでやってましたが。
年をとったとは思いたくなくても、筋肉痛がすぐに来ないのも特徴。
ステッパーを始めて3日目に、ふくらはぎもだるい、太ももも張ってる…になりましたが、続けるべし、です。
調子に乗って「まだまだイケる」は、やめて「昨日とおんなじ」でやっています。
健康器具は物置のコヤシになりがちですが、コレはいまころになって「アタリ」になりました。
もう少し外にでられるようになるといいのですが、とりあえずはこれで「歩き」ます。
さしたる話でもないのに相変わらずの長文。なので、着物と履物、その歩き方について、
また次回書こうと思っています。はいっ急ぎますっ。
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