洛中洛外図にありそうな絵(ありませんで)…たぶん元絵はあると思うのですが、私は画家にしろ絵にしろ
「名前を覚えない」という悪い癖がありまして(単に物覚えが悪いだけデス)、
いつも「みたことあるんだけどなぁ」…で、探しようがない…どなたかご存知でしたら教えてください。
なんだかとても楽しそうだと思えます。男も女も、老いも若きも、武士も町人も…。
太鼓の音や掛声が聞こえてきそうですね。
絵の部分だけの全体です。
こういう絵のとき、着物って動きを描けるよなぁと思います。
体をすっぽり包んでいても、体の線どおりではありませんから、なびいたり翻ったり…。
こういうラインも着物の魅力だと思うんですが…いかにも踊っている動きの線ですよね。
では、楽しいところアップ。あ、よーいやさ…ってところでしょうか。
時代は室町ごろ、男女共に着物は対丈、帯は細め、髷も男女でそんなにはっきりわかれてませんね。
派手な裾模様の「歌舞いた着物」の人もいれば、普段着らしいものそのままの人もいます。
こちら「観覧席」?見てるほうも楽しそうですね。一緒に手を振り上げたり、
踊り手を指差して「あの人うまい!」とか、言ってるんでしょうか。
左端の人、謡い担当かと思ったら、ただ疲れてやすんでるだけ?
立ち姿も堂々としてますが。
何の踊りなのかは定かではありませんが、
大きなちょうちんが下がっていますし、右の観客の中にうちわを持つ人がいます。
夏祭りなのかもしれません。
さてでは「踊り」のお話。
踊りの起源は…神話なら「アメノウズメノカミ」ですね。元祖ストリッパーなどとも言われたりします。
天照大神が天岩戸に引きこもっちゃったとき、いくら頼んでも出てきてくれない。
そこで岩戸の前で、神様たちがわざとドンチャン騒ぎをして、それを気にして出てきたアマテラスに
アメノウズメが「あなたよりもっとすごい神様がきたんだよー」と踊りながら言う。
「それってダレ…」と思わず出てきたアマテラスを引っ張り出したのが「アメノタヂカラオ」…
というお話ですね。元々「舞」とか「踊り」も祭祀と深くかかわるもので、
今でも原始的な祭祀の踊りなどでは、シャーマンが激しい音楽や炎、また薬草の煙や匂いなどで、
トランス状態になって神をおろす…なんていうのがありますね。
やがて、巫女さんや特殊な人のものだった「踊り」は、庶民も真似るようになっていったわけですが、
この「踊り、音楽、芝居」を一緒にして歌舞伎の元になったのが「阿国歌舞伎」、出雲の阿国です。
阿国も元は伊勢神宮の巫女さんですから、元々はそういう踊りが出発点だったんでしょうね。
庶民の踊りの元のもうひとつは「仏教」から来る「念仏踊り」、「踊り念仏」とは分けて考察されます。
「念仏踊り」は「囃子方」と「踊り手」が別々、「踊り念仏」は、文字通り「踊りながら自分で念仏を唱える」です。
平安時代の僧「空也」がはじめたことといわれています。
なんでもそうですけれど「難しい言葉や内容」は歌にするとよく覚える…私もねぇ、英語は苦手でしたが、
なぜかビートルズの曲は、ペラペラ英語で歌ってましたねぇ…。
また謡いながら踊る、という行為は熱心にやればやるほど無心でのめりこめますから、
貧しくて仏像が買えない、教典が読めない、そんな庶民でも心から念仏を唱えれば救われる…
そんな思いで没頭していたものが、踊る楽しみにもなっていったのでしょう。
やがて「踊り」は、決まった形や呼び方などを持つようになっていきました。
盆踊りの元は「風流(ふりゅう)踊り」と言われていますが、特徴は中輪と外輪に二重の踊り手で構成されるもの。
また「手踊り」は、今の舞踏用語では、踊りの途中で道具(扇子、笠、鉦など)をおいて、何も持たずに踊ることですが、
庶民の踊りでは「大勢で同じ振り付けで踊る」こと、つまり盆踊りもこれにはいりますね。
また「すずめ踊り」などのように、特殊な状況で記念とか奉納といった形で踊られたものが伝承された…などもあります。
いずれにしても、今より娯楽というものがなかった時代には、日常を忘れ、踊りに興ずることは、
楽しみでもあり喜びでもあり、心浮き立つことだったのだと思います。
東京音頭も満足に踊れない私ですが、この絵を見ていると、なんだかウキウキしてきます。
忘れてました。「今昔」の「今」の方…バレエですね。
なんかフォークダンス風に見えますが一応トゥシューズはいてますし…。
「群集の踊りの絵だけでいのに」…とも思ったのですが、
これもまた「シャレ」のひとつ…今と昔…並べてみせるところのおもしろさ…ですね。
穿った見方かもしれませんが「踊りなんて基本的にはみんなおんなじだよぉ」かも。
もうちょっとバレエの絵がステキだったらよかったんですけどねぇ。
バレエについての知識は皆無です。日本では大正の初めにはいったけれど、
その後戦争で衰退し、今のバレエ界の礎となるものができたのは戦後すぐ…だと思います。
昭和30年代半ば「西野バレエ団」が、テレビ進出してましたね。
それがきっかけでいまや芸能プロダクションになりましたが…。
知識はなくても、あの見事な足技…いえいえ、実はものすごい運動量で、筋肉の塊が可能にする
すばらしい技だというところは、すごいナァと思っています。しかも筋肉ムキムキでない…マジックですよ。
東京音頭もまともに踊れない私は、踊りをなさる方は全て尊敬の対象です。
それにしても…「はい囃し方、ピーヒャラドン♪ なんでぇ、ポポン 今こうゆうのがぁ、はっ、ないだろぉぉ」
娯楽の少なかった子供時代は、盆踊り
は楽しみでした。
やぐらを囲んで二重三重の輪になって
仮装行列もあったりのお祭りでした。
長らく踊っていませんが、うちわを持って
踊りに行ったら筋肉痛間違いなしですね。
何の踊りでしょうねぇ?
それにしても見事な絵ですわぁ。
踊りの題材で新旧、洋の東西というのも本当にシャレていて素敵です。
踊りって、高度な技、鍛えられた身体を見ているのも楽しいですけど、盆踊りにクラブ(平坦な発音の方)など、参加しちゃうのも面白いです。
こちらまで体が動きそうになりますね。
私も盆踊りに行きましたが、いつもみてるだけでした。
昔の盆踊りは、真ん中に揃いの浴衣の保存会の人たちみたいなのがあがって、
太鼓も実物、笛もホンモノ、楽しかったですね。
確かに今やったら、しばらくシップのお世話になるでしょうねぇ…。
なんかものすごく楽しそうですよね。
いかにも「日ごろの憂さの晴らし時」みたいな…。
踊りだけの絵は割りと見ますが、見物人つきというのがおもしろいですよね。
私の時代は「ディスコ」の前、「ゴーゴークラブ」の時代ですが、
親の目が厳しくていかれませんでした。
えぇかげんダンスでも、音楽にあわせて体動かしていると楽しいですよね。
今は「腰痛注意」ですが…。