ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

久しぶりに本を…

2019-03-15 19:50:00 | 本・マンガ・絵

 

書評を読んで、そのままアマゾンでポチッとしました。

「ほどなくお別れです」と言う本。著者の長月天音、と言うお名前にもなぜか惹かれましたし、

たまたま知人のご家族の訃報が続けて耳に入ったこともあって…です。

 

ほどなく、お別れです
クリエーター情報なし
小学館

 

題名の言葉、お分かりの方も多いと思いますが、葬儀のとき、最後にお棺にみんなでお花をいれ、

お棺のフタが閉じられるときに司会の方がおっしゃる言葉です。

ほんとに悲しい瞬間です。フタが閉じられれば、もう二度と人の形であるその人には会えなくなるわけですから。

 

で、本のほうですが、主人公は「美空」という女子大生、就職活動がうまくいかず、落ち込んでいるところに

かつてのバイト先の先輩から電話がきて、忙しいのでバイト復帰して…といわれます。

美空はすぐに行くことにする…そのバイト先が「スカイツリーのすぐそばにある葬儀社」という設定です。

お察しの通り、美空には「人には見えないものが見える」能力があります。

物語は3つ、それぞれにいわくのある「なくなった人」が出てきて、それとかかわることで、

美空が自分の力を見つめなおし、成長していく…とまぁそんなお話しです。

あらすじは書きませんが、こういうお話しは好き嫌いが分かれるところ、だと思います。

霊感とか霊能力とか、あの世とかこの世とか、そういうお話しは信じる信じないがありますし、

「気持ち悪い」とか「あ、そのタグイのハナシね」と、好まないかたもいらっしゃるでしょうから。

私はと言うと、はい、信じますし、「感じる」ほうなので、引き込まれて読みました。

といっても、私は「見えません」し「聞こえません」し、およそ予知能力もないし…です。

ただ見えなくても「あ…」と思うことがある程度です。 

なのでお墓参りはあまり好きではありません。ふとした油断で「お持ち帰り」してしまったことが

過去にありましたので…。その程度です。

 

なくなった人の思いは、それこそ臨終の瞬間に、ダイイング・メッセージでも遺してくれなければわかりません。

つくづく思いますが、葬儀や法事は、実は遺族のためである…と。

もちろん、故人に対しても、お経をあげていただいたり、香りのいいお線香を焚いてあげたり、

みんなで故人のことを偲んだり…そういうことは、故人にも伝わっていると思います。

とはいえ、なにしろ「うん、ありがとね」とあちらで言ってる…ということを教えてくれる人はいませんから…。

これもこちらが「そうだよね、きっと」とおもうばかり。

つまりは、葬儀も法事もキツい言い方をすれば、生きている人たちが、納得するためのもの、と、

そんな風にも思うわけです。

だから、この小説を読むと、今、逝こうとしている人の思念がわかるというお話しなので、

なんかもぅスッキリするわけです。アホみたいですが。

 

私は母と主人の存在を、いつも感じています。といっても見えるとか聞こえるわけではありません。

ただ、いつもそばにいてみてる…という気がするのです。

勝手な思い込みといわれればそれまでですが、私としては、いなくなった気がしていないのです。

昔ある人が「あの世と言うのは、仏教で十万億土のかなたにある…といわれる。

それはとてもとても気の遠くなるほどの遠さにある極楽のことで、なくなった人はみなそこに行く。

だけど実は、次元が違うから遠いだけで、すぐとなりにあるものなのだ」といいました。

宇宙のお話しで言うところのパラレル・ワールドみたいなもので、「並行して存在する世界」ですね。

私、母のときも主人のときもこの話を思い出して、妙に納得したんです。

遠いけど近い、見えないし、声も届かないけど、すぐそばに居る…。

そう思うと、いずれ自分もあちらに行くのだから、と言う思いと重なって、悲しいとか寂しいとか、

あまり感じなくなっています。二人とも夢にもやたらと出てきますし…。

母はいつも、夢の中でまで「アンタ、はよ片付けなはれや」なんて言うんです。

あ、やっぱり見てるわ…なんて思ったりしています。

 

先日は、知人のご家族で、もういつ何があっても…とずっと言われているかたより、

何度も入退院を繰り返しても復活していると聞いていた方が、先に逝かれました。

お会いしたことはないのですが、お話しはよく聞いていたので、まだまだ仕事もしたかったかも…と思うと、

知らず知らずのうちに手をあわせる気になりました。

私も、この先一日一日、大事に生きなきゃね、と思っています。 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2019-03-16 21:13:17
私も霊が見えるわけではありませんが側で見守っていてくれたり夢で教えてくれる事があります。あの世で出会って小言を言われないように一生懸命生きなければと思います。
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Unknown (とんぼ)
2019-03-17 12:42:41
陽花様

ほんとに「見守られている感」はありますね。
私もあちらで「アンタずっとなまけもんやったなぁ」と
言われないようにしなくちゃ…です。
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Unknown (古布遊び)
2019-03-17 14:22:34
葬儀も法事も、ほんと、見送る私たちの為にあるものだと思います。
回向と言いますが、まさに気持ちを回し向けるということが大切かと。。。

どうせ死んだら終わりだから何もしなくていい、という方がいますが、それってそうなんだろうか。。。
送る方も送られる方も、良かったね。と感じられるのが大事かなあと思うのですがねえ、、、
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Unknown (とんぼ)
2019-03-17 23:05:38
古布遊び様

やっぱりそうですよね。
キモチを向ける、そういうことですよね。
義理や義務で法事をする身内がいます。
ミエと体裁とお金の計算ばっかり。
きっとあちらのひとたちにも愛想つかされてるだろうなと
思いながらみています。

やたら立派にとは思いませんが、きちんとキリはつけたいと
私も思っています。
やっぱり大切な一区切りですものねぇ。
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