そろそろ、ほぼ「満開」です。八重なので、小さいけれど華やかです。
さて、今日は小紋を着るなら…です。まず、小紋は「礼装の一歩手前」まで着られるものがある…と書きました。
訪問着やつけ下げ、色無地を着なければならない…というようなレベルの場合では、ちとムリですが、
そこまでいかない、改まった場所や状況…ですね。
今日は「礼装」というお部屋と襖一つ隔てたお隣の部屋で、こんなのどぉ?のお話です。
「格調高い」なんていわれる柄の小紋ですと、たとえばお正月に着るとか、気心知れている友人宅への年始とか、
一流レストランでのお食事とか、入卒とか…そんなときに着られます。
そういう場合の色柄として、地色は濃いより薄いほうがベター(ベストではありません、柄にもよりますので)。
柄は、宝尽くしとか、鶴や松、梅、扇面などおめでたい感じがいいですね。
先日裾をカットして、袴下にしたもの、扇面でもあり、地は細かい梅が広がっています。
また先日の本の中の一枚、雲取りの俯瞰図…左の小紋です。これはおめでたいという柄ではありませんが、
図柄がたとえば「洛中洛外図」のような印象があります。右はうるさくない落ち着いた花柄ですが、
左と比べると、普段着向き…に感じられます。
「格調」を感じる、という言い方もあいまいで難しいですが、品のいい柄ねぇ、というような…。
また地色の濃いものは…というのは、上の着物もそうですが、
地色が濃い小紋はわりとオシャレっぽく見える…場合が多いのです。あくまでも場合…です。
例えば以前出した小紋、左はやっぱり「趣味性」が強いですね。
右の白地は扇子のように見える松の柄。柄のひとつひとつがやや大きいので、
オシャレ小紋でもありますが、今の時代の初詣くらいなら、十分いけますね。
また同じ白地でもっと細かいもの、これも以前のものですが、これは糸巻きの柄。綸子なので光沢もあります。
糸巻きは糸を紡ぐシゴト、つまり養蚕や木綿作り、麻作りなど、繊維をとる大事な仕事の道具であるとともに、
糸は細く長く続くもの…で、おめでたい意味を持ちます。
ちょっとしたおでかけにも十分かわいらしく、普段っぽい感じのする小紋ですが、
例えば半衿をきりっと白にして、帯をこんな風に使えば、これもまたちょっと改まったところにも着られます。
逆にいくら地が白くても、こちらはあくまで「オシャレ着」、道具柄と呼ばれるものですが、
こういう柄は、親が娘の嫁入りに「家財に困らないように」と、願いをこめて持たせたりしたものです。
こちらはもっとリアルな道具…私、こういうの好きなんですー。
最初に「小紋を着られる場面」として「入卒」と書きました。入卒に小紋?と思われるかもですが、
実は色柄選べば、OKです。今は生活水準があがった…というより、
着物を数持たないので、持つなら訪問着とか色無地、もう少し下がっても江戸小紋…。
黒い羽織さえ着れば…ですが、以前の黒羽織のお話の通り、紋のついた黒羽織、
それと現在は紋がなくても黒の絵羽織なら、それを着れば「格をひとつあげられる」ので、
普通の小紋の中で、格調のある色柄の小紋に黒羽織、でOKなわけです。
元々訪問着や紋のついた色無地は、礼装に着るときは羽織を着ないのが礼儀です。
さまざまなことがわからなくなっているために、なにやらゴチャゴチャになってしまっています。
なので、今「それなりによい小紋」に、黒絵羽で入卒に出ると「昭和のおかあさん」と言われるらしいのです。
それは単に古い、というだけより「訪問着じゃない」だの「色無地じゃない」だのという意味も、
はいってしまっているのでしょうか。だとしたら寂しいことです。
葬儀関係でもそうですが、一般参列者は、ジミ目小紋に黒帯、黒紋付羽織(絵羽は×)でいいのですが、
真っ黒けの洋装群の中では、目立ってしまうのですよね。
近隣の告別式で「あの人、黒じゃなくて普通の着物着てるじゃん」…と、若い女性たちがいっているのを、
実際に聞いたことがあります。もちろん和服の方はじみーな小紋に黒帯、黒紋付羽織で、モンダイなかったのですが。
また江戸小紋については、江戸小紋なら何でもいい…わけでもありません。
江戸小紋は、もともとが武家の裃の意匠からでたものなので、同じ小紋でも別格扱い。
小紋三役、と言われるのが「鮫」「行儀」「角通し」、これに「あられ」と「縞」を入れて五役。
また例えば徳川の「お召十」、鍋島の「胡麻」など、武家の衣装からのものは「定小紋(さだめこもん)」と言われます。
このあたりは、紋をつけておけばいわゆる「略礼装」として使える場合も多いです。
同じ江戸小紋でも、庶民が武士をまねて考え出したもの、これは「いわれ小紋」と言いますが、
例えば吉祥紋なら「南天」「亀」「壽文字」「打ち出の小槌」など、また楽しいものなら野菜や道具など、
これらはどこまで行っても「オシャレ着」です。
また、たとえ三役五役、定小紋であっても、紋がなければただの「格調高い柄の小紋」です。
これに「紋付の黒羽織」を着れば、略礼装に格上げ…ということです。
今日は色柄の大雑把なお話しかできませんでした。
また更に続いてしまう~~ですが、すみません。小物の扱いなども書きたいと思っています。
知らなかった事なども改めて教えて頂きました。
普段 紬ばかり着ているのが とても申しわけなく思えてきました!
わたくしたちの時代は お嫁に行く時には 親が苦しい家計をやりくりして たくさんの柔らか物や 名古屋帯を用意してくれています!
そのほとんどが 小紋です!
その柄は 可愛い可愛いお嬢様柄だったり しぶ~い細かい柄だったり 多分一生着るものに困らない様にとの親心だったんだと思います!
で・・・わたくしはというと たまぁ~に小紋に袖をとおすものの おでかけから帰ってくると すぐに脱いでしまいます!
紬を着ているときは 帰ってからもそのまま家事をして お風呂に入る時に脱ぐことになります!
ここまで書いて気がついたのですが・・・
小紋はおでかけ着だったんですね!(遅い!いまさら!?)
まあ とにかく これから 小紋も もっと着てあげなくちゃ
草葉の陰で(ふるいなぁ~)親が泣いてるかも知れないなぁ
そんなわたくしですが 一つだけ親の言いつけを間もtれいる事があります!
「柔らか物は 着なくなったら 長襦袢に落とせ!」
これだけは 忠実に守って 派手なみかん色の訪問着も
苦手な御嬢さん柄の花車の小紋も 赤い江戸小紋も 花柄のつけ下げ小紋も・・・・etc みぃ~んな 長襦袢にして 擦り切れるまで 着て 天寿をまっとうさせてあげる所存でございますので 天国の母上様 許して下されませ!(^。^)y-.。o○
そんな風にいっていただいて、うれしいです。
私自身があまり小紋を着ませんので、
自分でも「あ、あれも着られるな」なんて思い出してます。
今日は風邪気味なので、なんともう4月だというのに、
綿の入った半天、引っ掛けてますー。
小紋はやはり、洋服で言うとオシャレお出かけ着、
と言う感じですよね。
柔らかモノはシワが気になるので、私も帰宅すると
さっさと脱いで、まずハンガー…です。
着物は元々繰り回しができるのが、最大のメリットですからねぇ。
私も染め替えたり、羽織などの表着にして、それを卒業したものは、
じゅばんにしています。
母からもらったものもそういうものがあるので、娘がいないことが、
今のなやみですわー。
私の子供の頃の写真を見ると母は黒絵羽を着ています。
今はすっかり見かけなくなりましたね。
そして柄のお話はとても勉強になりました。
糸巻きや台所道具には込められた意味というものがあるのですね。
着物の世界は深いと改めて感心いたしました。
昭和は、ほんとに遠くなっちゃいましたねぇ。
あのころがよかった…なんていうのは年取った証拠?
道具柄は、ほんとにおもしろいですよ。
それを柄にしちゃうところが、すごいところですよね。