ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

古本です

2006-11-15 20:19:09 | 本・マンガ・絵

この本、昭和48年に発行されたもの。
「京都織物卸商業組合」というところが企画・発行したもので、
きもの京ごよみ…といった感じ、着物から小物に至るまでの
さまざまな和服が、写真と説明で載っています。
それぞれに「…によせて」といった感じで、美術評論家などが、
エッセイのようにさまざまな文を寄せていて、
読み物としてもおもしろいです。

ところで、この本はオークションで見つけたのですが、
「表紙に惹かれて」と言うのは、この絵をどこかで見た…と思ったからです。
すぐに思い出しました。先月のブログ10月1日の記事で、
「扁額」を手に入れたことを書いています。
この扁額の絵と、この表紙の絵が酷似していたのです。
それで、内容もおもしろそうでしたので落札しました。
今日届いたので、あけてみたところやはり扁額の絵と同じ絵でした。
こちらが扁額の部分をアップしたものです。
表紙の上半分の図柄とそっくりです。





本の表紙になるなんて、すわ「名品?」…なんぞと、欲をかくのが貧乏性の表れ。
それでも、全く同じ構図ですし、これは何か意味があるのだろうと思い、
本の表紙の説明として載っていた「職人繪盡 木版」で検索してみました。
これがまたびっくりで、久保田米齋と言う人が編んだもので大正6年ごろの本、
ちょうどオークションにでていたものを見つけたのですが、
布張りの箱に入った「天・地・人」と三巻に分かれた図録。
オークションでは5万で落札されていたのですが、
古本屋さんでは15万以上の販売価格でした。すごい本なんですね。
で、私の手に入れた「扁額」は、その一部を絵にしたよ…というだけのもの。
そうそう、そんなにうまい話はありまへん。
とりあえず、その扁額、この本の表紙、それから検索したものを
いろいろ見比べてみたところ、以前「職人の風景」という着物柄があって、
傘作りとか、弓矢を作っている家の風景というのをご紹介したことがありましたが
それも、この「職人繪盡」の中のものをまねた絵らしい、とわかりました。
昔の職人さんたちは、美術全集や絵画集の中にも「着物の柄」の題材を、
探していたんだなぁ…と思いました。
扁額は全部うつりませんで、半分だけ…こんなです。





この本、ただの「着物紹介」ではなさそうです。
なにしろ着物の本場、京都の組合の企画ですから、
着物を作る立場でのお話…、まだちょっと見ただけなのですが、
いろいろ面白そうです。何か発見もありそうなので、またそういったことも
これからの記事に書いていこうと思います。
本日は短めで、これにて。


コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 写真がありませーん | トップ | またしても、時間もが・・・ »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (とんぼ)
2006-11-17 23:02:05
百福万福様
着物は奥が深いですからねぇ。
専門家のかいたことでも、
あっちとこっちで違う…なんてこともあります。
ずーっと勉強だなぁと思います。
古本も少し集めていきたいとおもっていますので、
またオークションを漁りますね。
返信する
Unknown (百福万福)
2006-11-16 23:30:12
これはとても大事な資料ですね!
当時の風俗や、庶民の衣服、職人のしごとぶりがわかる貴重なものと思います。こんなものが身近にあるなんて、すばらしいことですね。うらやましいです~♪
出光でしたか、伴大納言絵巻の修復をやっていたのは。趣味で着物の歴史を調べているのですが、あまりに資料が少なくて困ってしまいます。こういったものをお手元においていただけるなんて、なんと有難いことかと。これが100年後には、きっと貴重な資料になっているのではないかと。とんぼさんのすばらしいコレクション、いつか美術館をつくって、ずっと保管してくださいませ。

返信する
Unknown (麻の葉)
2006-11-16 00:43:11
すごいですね、丁寧に物をみると、いろんなところで繋がっていて、思わぬ発見があるものですね。昔の職人さんも、本をみたりして切磋琢磨、勉強していたのだなあ、と仕事ぶりを想像したりして、楽しいです。
返信する
丹後の衰退ぶり (因幡のりさこ)
2006-11-15 23:59:32
とんぼさま♪
着物の職人さんの様子がよくわかる、素敵な絵柄ですね♪最近、ちりめんの本場、丹後半島付近によく行きますが、織物工場が廃屋になっているのをよく見掛けます。地元の人も「昔は機織の音がうるさかったけど、最近は聞かんようになった」と言われてました。皆が着物を着なくなったのと、工場が中国に行ってしまったからですね。そう考えると、この絵柄は大変貴重な記録なのですね!
返信する
Unknown (陽花)
2006-11-15 21:31:48
あれっ、この絵みたことがあると思ったら
そういう事だったのですか!!
本に描いてある絵と同じ柄の生地を持っているなんて
素晴らしいことですね。ワクワクします~。
新しい発見楽しみです。
返信する

コメントを投稿

本・マンガ・絵」カテゴリの最新記事