ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

出し惜しみして・・?

2006-10-16 23:01:29 | 着物・古布

ほんとは全体をお見せしたいのですが、広げられませんですみません。
出し惜しみして、裾模様だけー・・です。

これは「花嫁振袖」、昭和初期くらいと思います。
大きな柄を配しているのですが、周りによく描かれる細かい花や吉祥柄が少なく、
全体にあっさりした印象です。残念ながら前身ごろに汚れがありますし
黒地の部分があちこちヤケています。
私の祖母や母くらいの年代のかたの「結婚記念写真」を見ますと、
たいがいこういった黒の振袖に丸帯、で、打掛はありません。
白無垢に綿帽子・・と言うのは、戦後の風潮です。
私は自分の結婚式は白無垢に色打掛だったのですが、
トシをとって古い着物に接するようになってから
「黒い振袖でやればよかったー!」と思いました。
確か、タレントの山田邦子さんが結婚するとき、
どうしても黒い振袖が着たい・・とずいぶん探したそうです。
貸衣装などでも「お色直し用」として黒振袖は、少しあるようですが、
最近の「結婚式用、お色直し用」の振袖は、なんだかギラギラして、
華やかではありますが、お酒でいえば「コク」がないような気がします。
式や披露宴のやり方も、ずいぶん変わってきましたから、
しかたないのかもしれませんが、花婿の「バカ殿様のような」色紋付だけは、
やめてほしいなぁ・・と思っています。披露宴はコントじゃないッ!
この振袖、着用することはムリですが、昔はこんな振袖を着てお嫁に行った・・
という時代の証しとして、保存したいと思っています。
これは、きちんとひろげたものをHPの方でご紹介する予定です。

さて、今日はもうひとつ「お話」を・・。
今、縫いかけのバッグがひとつあるのですが、それを見ていて、
手芸初心者の方に、ちょっとアドバイスを・・なぁんて、思い立ちまして・・。

別に大げさなお話ではないのです。「底マチ」のお話・・。
手作りバッグで「マチ」をつくるとき、シンプルな形だと「三角マチ」が
一番多く使われる手法です。
袋に縫ったものを裏返し、両方の「底」の角を三角になるように折って縫う、
という方法、下の写真のです。
わかりやすいように黒糸で大きめの目でザクザク縫っています。





これをひっくり返すと、こうなってマチができますね。




これが一番シンプルでわかりやすいのですが、このマチは、
ちゃんと角度をみたり、縫うラインの場所を決めたりしないと、
わずかなズレで、マチの大きさが微妙に違ったり、
線が曲がって底部分にゆがみが出たり・・なんていうことがあります。
その心配が比較的ない「底マチ」の作り方・・。

まず、裏返して袋に縫うために布をきちんと揃えたら、
「底をきちんとまっすぐにして『必要なマチの2分の1』の長さを
上に向けて折り返します」5センチのマチにしたければ2.5センチです。
ずれないようにマチ針をしっかりとめるか、しつけで押さえて、
そのままわき縫いを全部縫ってしまいます。





こんなふうになります。





これをひっくり返して、底を広げると、こんなマチになります。





このままでは元にもどってしまうのでちょっととめてもいいし、
中に敷き板を入れれば、バッチリです。
気をつけなければいけないのは、最初に底を折りあげるとき、
布がズレないように、しつかりとめておること、
ズレるとこんなふうになって片方が飛び出ます。





キルティングの布などの場合は布の厚みだけで、ズレてなくても、
こんなふうに片側が少しとびだしますが、布が厚いと、あまり目立ちません。
こうやって縫ったバッグのいいところは、たたむとき底が平らになること。
こんな感じ・・。





三角マチの底はこんなです。





小さくたたんでバッグの中にいれて持ち歩くようなエコバッグなどだと、
平らになるのは便利です。また、普通のバッグでも、
平らにたためると、収納のときラクなんですね。
私はそのときどきのバッグの全体の印象とか目的や素材などで、
二つの「底」を使い分けています。

よく手芸をなさるかたには、今更・・の記事でしたが、
どなたかのお役に立てれば・・と思います。


コメント (7)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初めて見たもの・・ | トップ | 記念日・・ってほどのことも... »
最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
結婚衣裳 ()
2006-10-17 00:32:34
我が娘

白無垢綿帽子の後にお色直しは黒の振袖(お引き摺り)?でしたいと思ったのですが

色打掛を借りるより高い。

着付けに時間が掛るなどなどの諸事情で止めにしました。

確かに母の結婚式の写真は角隠しに黒の振袖と丸帯だったような・・・

今度 実家に行った時にこっそり見てみます。
返信する
Unknown (陽花)
2006-10-17 07:45:48
ヘエ~ッ、とびっくりです。

底マチ三角に縫うのは知っていましたが

おりあげて縫ったらマチになるなんて

知りませんでした。

こういう布製の袋っていくつあっても

いいですよね。私もA4が入る大きさとか

B5が入る大きさとかがほしいなと思って

います。
返信する
あはは (ゆか)
2006-10-17 09:10:58
ばか殿ですか

最近結婚式にとんと出てないので、昨今の花婿事情はよく分からないのですが、そんなの見たら、お嫁さんにハリセン持たせたくなっちゃうかも。



私の披露宴も、母がとても振袖にこだわりましたが、結局内掛けだけ変えました。(お式は白無垢、綿帽子でしたの~

アンティークにはとても綺麗な黒がありますけれど、いま出来のものは、色が浅いですね。

下に紫やら赤やら染めてから、何度も黒を重ねる・・・という絹が少ないからでしょうか?
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-10-17 16:06:05
恵様

子供の頃の塗り絵で、一番すきだったのは

お嫁さん(白くて塗るトコない!)とお姫様でした。

黒い振袖って、やっぱり高いんですね。

フシギですね。



陽花様

作り出すと、次はこんなの・・・って、

キリないんですよね。

母は一種類覚えると、怒涛のごとく同じ形のものを

10とか20とか作っちゃ、みんな人にあげちゃう。

そのあと、パタッとやめると二度と作らないんです。

もーあきたって・・。最近は、母の針仕事を

見られないのがさみしいですね。



ゆか様

ハデなもんつき、演歌歌手みたいな光るのとか、

すそから上にぼかしとか・・・ハリセンです。

黒地の下染めは「藍下」とか「紅下」とかありますが

最近はなにしろ「化学染料」ですから、

なーんか深みにかけますね。
返信する
はじめまして (神奈)
2006-10-17 16:06:20
何時も楽しく読ませていただいてます



折りあげる三角マチの作り方、初めて知りました

今度真似させていただこう~っと 



>花婿の「バカ殿様のような」色紋付



私が思うには、TVがカラーになってから、噺家さん達が色紋付を着始めたのが広まったのではないでしょうか。



そういえば、故・三波春夫さんの派手な付け下げにも、母は腰が抜けるほどびっくりしたそうです



まぁ・でも・・舞台衣裳だから・・・
返信する
ぬり絵 ()
2006-10-20 01:32:51
きいちのぬり絵ですか?

懐かしいですね

私もよく遊んでいました。

今は大人のぬり絵が流行っているそうで

始めようかな~
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-10-20 08:41:34
神奈様

遅くなりましてすみません。

コメントありがとうございます。



このマチの作り方本にもあまり載っていないんです。

初めてこの縫い方をしたとき、ほんとにマチが

できるのかなと、心配でした。

ちょっとしたマジック?みたいですね。



色で華やかな紋付より「荘厳」とか「威厳」とか

そういうほうが大事だとおもうのですが、

「華やか」中心ですね。結婚式そのものが、

ずいぶん「ショー」みたいになってますしね。

一生に一度だし??



恵様

きいちさん、懐かしいですねぇ。

いまでもあるそうですが、おとなのと、

両方やってみたいなぁ・・です。
返信する

コメントを投稿

着物・古布」カテゴリの最新記事