ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

復刻版の絵本

2013-10-23 15:20:32 | 本・マンガ・絵

 

あの「バネ口金」のバッグで「昔話柄」を出してきて、ふとまた思い出した本。

最近買ったのが、写真の「絵本」です。懐かしい…と思われる方も多いと思いますが、

私にとっても、あぁこんな感じだった…と、思わずナデナデしてしまっています。

 

私の絵本の一番古い記憶は…たぶん昭和28年くらいです。

その前にも、親は与えてくれたと思うのですが、私の記憶にはありません。

私の記憶の中の本、はっきり覚えていないのですが、たぶん「歌」の本。

どの歌であったかも覚えていない(結局なんも覚えてない…)のですが、

そこに描かれていた男の子が御所人形のようにかわいかったのと、

バックの色が、子供の本にしては割と濃い紫っぽい色だったような…。

そしてなぜか、ペラペラの薄い紙の手触りを覚えています。よっぽど粗悪な紙だったのでしょうか。

覚えている絵のページは、もしかしたら「私の人形はよい人形」の歌だったかもしれません。

そのあとは…表紙のような本で、シリーズででていたものを次々と、親に与えてもらいました。

あっ、先に言っておきますと、この「復刻版」は、昔のとちょっと違います。

昔はこの本、今、本屋さんに行くとある、あのクルクル回る本棚に入って売ってる、あの本、

あの表紙も中身も厚手で、ページがそんなに多くないあのタイプでした。

これはあのタイプではありません。表紙は同じ絵柄のカバーがかかっています。

こんな感じの柔らかさです。これはかぐや姫の本。

 

           

 

また文章も、今は通じない言葉もあるとのことで、書きかえてある部分もあるそうです。

レビューを見ると、ある方が、例えば「3寸くらいの」という表現が、尺貫法がなくなったので

「10センチくらいの」と書いてあって味気ない…と。こりゃ雰囲気壊しますね、確かに。

それを書いた方は「寸」と書いてあれば「寸ってなぁに?」「それは昔の単位でね」と、

そんなことにも親子の話題が広がるであろうに、とありました。私もそう思います。 

 

この「新・講談社の絵本」は、全部ではありませんが、有名な「浦島太郎」「花咲爺」「舌切り雀」など、

かなりの数が復刻されています。ぼんやりした記憶でも「これ読んだわ」というのがいくつかありました。

それでも、何しろ価格が高い…一冊1500円です。全20巻は31500円…。 

あの本屋さんで、クルクル回る陳列台で売られている「全部厚手でページが少ない硬い絵本」、

我が家では現在もっぱら息子の好きなミッキーマウスですが、

同じ講談社でも、一冊460円です。このタイプの子供の絵本だとそれくらいですよね。

それからすると…ではありますが、私は一ヶ月か二ヶ月一冊ずつ…と思って、ただいま三冊目。

「これ、見たきがする…」があるものを選んでいるので、次は「猿蟹合戦」かなぁ、です。

 

この本は、子供のために買うよりも、私のように懐かしさで買う人も多いのではないかと思います。

本の最初に著名人が、本についての思いを寄せていますが、

そのなかで書かれていたこと、抜粋ですが、

「当時としては考え得る最高の執筆人たちによって、極めて贅沢に、極めて丁寧に…」

「採算を考えて作られていたら、こういう絵本は絶対にできなかったであろう」

「子供の読むものだから、という、ある種の緩み妥協のようなものは一切感じさせない」

「子供が見るものだからこそ、最高のものを創るのだ、という文士、絵師、編集者の良心、

意気込みが、ひしと伝わってきて胸を打たれる…」

今の絵本は…という思いがします。

もちろん有名童話作家さんや、絵本作家さんの、それぞれの作品は、

本当にすばらしくて、私も好きな絵本はいろいろ集めています。

でも、そういう本はやっぱりお高い…。

「表紙のてっぺんが赤くて、クルクルコーナーで、シリーズで出されている絵本」のレベルで、

今のクォリティはどうなのでしょう。

そしてまた今の格安絵本、あのクルクル台に入っているのは、もっぱら「ディズニー」「なんとかライダー」

「プリキュア」「アンパンマン」…つまり内容よりも、図柄の美しさよりも「はやり」ではないかと。

もうずいぶん前のことですが、本屋さんで「もっと格安絵本」の方の「シンデレラ」を親が買おうとしたら、

子供が「これはシンデレラじゃないよ!」と反発…。

その子にとって「シンデレラ」は、あのディズニーのシンデレラ…というわけです。

 

情報がてんこ盛りになってくると、それをチョイスする幅も広がる…それは当然ですが、

同時に「人気」「ハヤリ」といったものがいい…それにあわせないと「遅れてる」といわれる…

そんな変な意識もアタリマエになってしまう気がします。

いつのころからか、ブランドとかキャラクターとか、とにかく「人気」のあるものでないと、

子供も興味を示さなくなりました。まだ何もわからない年齢なら、

「ウサギちゃん柄」「ネコちゃん柄」でいいのに、少しわかってくると、

「ウサギはミッフィー」「ネコはキティ」「ネズミはミッキー」でないと…だし、

「カニをいじめた猿を退治する、手足のついたウスや栗」より、

「マントつけて、カオをお取替えするアンパンマン」の方が、かっこいい…になる…。

子供向けの小さい「童話」の本を見ても、なんだかマンガチックです。

  

かぐや姫は、美しいです。最近の絵本のマンガチックなかぐや姫よりずっと神秘的です。

 

          

 

この絵を描いたのは、明治生まれの日本画家「織田観潮」。

別に身過ぎ世過ぎのためにでなく、純粋に子供のとってよい絵を…という思いであったと思います。

イラストではなく「日本画」ですよね。 

これを見たとき、たぶん私の見たのもこれだと思うんだけど…と、ちょっと自信がなかったのですが、

中をずっと見ていて「やっぱりこれだ、間違いない」と確信した絵がありました。

それが「かぐや姫の望む品」のうちの「燕の子安貝」をとるために、公達が大きな籠に乗っている絵。

なんで記憶に残っていたのかわかりません。大の大人がこんな籠に乗るなんて…と思ったのかな。 

 

とりあえず、今は時々出して眺めているのですが、子供のころのように物語を楽しむよりも、

「あ、このネズミの帯結びは何々だ」とか「ちゃんと年齢で着物の色柄選んであるわ」とか、

「かぐや姫の着物の柄はちゃんと有職文様だ」とか…そんなことばかりに眼がいってたりします。 


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6 コメント

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Unknown (陽花)
2013-10-24 17:43:26
絵本、もう何年も読んでいません。
孫が2~3歳の頃、覚えているつもりで
寝かしつける時お話を始めたら、アレッ!
これはどちらのお話だったっけ・・・
途中でお話が入れ変わっていたりして、間違えて
覚えられたら困るのでお話はやめました。
返信する
楽しい絵ですね (閑児)
2013-10-24 18:17:08
こんにちわ~
私もこの絵本大好きです。
後舌きり雀も・・・
幼い頃の記憶・・・
チイチイパッパ
チイパッパ・・雀踊りは楽しいな
なんてメロディが頭の隅に残ってます。
間違って覚えているかも?(;_;)
友禅の絵柄に鼠の嫁入り参考にして帯のデザインした
事あります。未完成ですが・・・・
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-10-24 21:12:00
陽花様

私は高校生になっても、童話集民話集ばかり、
ずっと読んでいました。
おしまいまでお話できるレパートリーなら
けっこうありますが、話す機会もありません。
こんなもんですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-10-24 21:21:14
閑児様

こんばんは、とんぼです。
コメントありがとうございます。

「チイチイパッパ」は「雀の学校」ですね。
今は音楽の教科書もかわってしまい、
あのころの歌を知らない子供も増えているようです。
さみしいですね。

私は染ではなく「織り」ですが、ねずみの嫁入り柄を
持っております。
ブサイクな私の顔も載っておりますが、こちら…

http://blog.goo.ne.jp/tombo624/e/dfce5f2380aa20f6db4289637f45aa80

昔話は、テーマとしても楽しいと思います。
もっと見たいですね。
がんばってお描きになってください。
返信する
Unknown ()
2013-10-26 00:42:32
表紙も中身も厚手で、
ページもそれほど多くない
子供にとって取り扱い易い本
そして
幼稚園で配られた キンダーブックと・・・
??? 忘れた

孫が寝る前に持ってくる本は
ノンタン
私が子供に読んでいた本が蘇りました

かぐや姫の着物の柄は有職文様とは
きちんと描かれているのですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-10-26 21:41:41
惠様

キンダーブックも懐かしいですね。
ノンタンとか、ミッフィーとか、今の子供の見る絵本は
かわいらしいですね。
私もむすこのために、ノンタンはよく買いましたわ。
しまいにかじってしまうので、無事に残ったのがありません…。
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