ひかりとしずく(虹の伝言)

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通販生活2013年春号記事紹介[ドイツ現地ルポ]原発のない暮らしは可能か?

2013-04-25 | 季刊誌なな色メールより
通販生活2013年春号記事紹介[ドイツ現地ルポ]原発のない暮らしは可能か?

通販生活という通信販売のカタログ雑誌をご存知ですか?
通販商品を載せているだけでなく、社会派の記事が入っています。私たちなな色シスターズも大注目をしています。これまでの季刊誌でも記事を挿入させてもらっていました。
今回は何と“シェーナウ”へ取材に行った記事が!
少し紹介させていただきます。

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[市民の力で脱原発を果たしたシェーナウを訪ねて。]

いま一つのドキュメンタリー映画『シェーナウの想い』が静かに話題になっている。
ドイツの南西のはし、スイスのバーゼルからも近いシュバルツバルト(黒い森)の中に2500人が住むシェーナウ市がある。
ドイツでは一つの行政単位をシュタート(市)と呼ぶが、そこは小さな村だ。
1986年、チェルノブイリ事故の後ここの住民は「親の会」をつくり子供の未来を守ろうと活動してきた。そして二度の住民投票を勝ち抜き、KWR(ラインフェルデン電力会社)から電力網を買い取って、町に再生可能エネルギーを供給する市民の電力会社を作ってしまったのである。原発は怖い、という映画をしこたま見た後、この映画は一番希望の持てる明るい映画だった。


取材し、ルポを書いたのは森まゆみさんです。『シェーナウの想い』にも出演の「シェーナウ電力会社」(EWS)代表ウルズラ・スラーデックさんを映画の翻訳に関った熊崎実佳さんの同行の元、訪ねました。
そこで彼女一家がシェーナウに移り住んだ話、チェルノブイリ事故後の政府の対応に不満を持ち、運動を始めた事、住民運動は町を二分させ、店に今まで来てくれていた客が来なくなったという商店も。それでも市民電力会社を運営するまでに運び、町に新たな雇用を生み出し成功した事など聞き、ウルズラ・スラーデックさんより、福島の事故に苦しむ日本人へ向けてのメッセージも受け取っています。
「大切なのは福島の事故を過去のものとしないこと。そしてこれまでの道とは別の道を進むことです。政府は快く思わないかも知れませんが、下から政治家に影響を与えていく。電力の地方分散は市民にしか出来ません。ソーラーパネルをつけたり、再生可能エネルギーに投資したり、省エネ改修をして地域の工務店に仕事をふやしたり、やれることはたくさんある。それが地域が豊かになる道でもあるのです。」

最後に森さんは、「原発だけを云いするよりエネルギー全体を考えなくてはいけない、ということも今回身にしみた。ドイツは暖房に使うオイルは北海油田から、天然ガスはロシアから買っている。それだけの金が外国に流れてしまう。ソーラーや小水力、風力などの地域分散型のエネルギー生産と省エネ改修、地域集中暖房などは地域でお金を循環できる。
 それに加えていまエネルギーの4割は交通に使われている。「車に乗らず自転車に乗ることだよ」という言葉を何人もから聞いた。ソーラーも風力もしょせん近代技術、より取り組むべきは省エネと人力、馬力などに光を当てることかもしれない。」と締めくくっています。

[現地ジャーナリストに聞く、ドイツのエネルギー政策]今泉みね子さんのお話
 ドイツでは02年に脱原発法ができましたが、電力会社との合意のなかで安全のための改築は高くつくのでしないなど骨抜きにされた点があります。
 00年、再生可能エネルギー法を作ったヘルマン・シェアは素晴らしい政治家で、再生可能エネルギーを『第四の革命』にと提唱しました。買い取り価格を上げたお陰で普及しました。
311後、メディアは連日、福島を伝え、毎日のようにドイツ各地の大都市を中心にデモがありました。メルケル首相は脱原発を唱えました。そして、温暖化を考えればCO2も出せないので石油や天然ガスなどの化石燃料ではなく、自然エネルギーに変えなくてはならない。(中略)
教会、企業、学者、政治家などで構成された中立なエネルギー倫理委員会を立ち上げ、22年までに原発はやめるという結論を出しました。
 その後ドイツは原発8を止めましたが、風力や太陽光が活発に発電しているときには余った電力を近隣国に輸出しています。石炭発電や原発は、急に運転を止められないからです。天候に左右される再生可能エネルギーの発電量に対応できるガス発電の整備と電力の地域分散が今後の課題です。
 EUでは、白熱電球は09年から段階的に販売を禁止しています。我が家の電球のほとんどもLEDに変えて、照明コストを8分の1に落としました。

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