遠野なんだりかんだりⅡ

遠野の伝承芸能・民俗・歴史を書きたい時に思いついたままに

2024 八幡神楽 in 秋の遠野座

2024-10-16 10:40:40 | 郷土芸能

しつこいな~!でも連休三日公演なので・・・(;^_^A

 

とおの物語の館にある蔵には、ご覧のような家紋が付けられています。

 

上の紋は花菱の廻りに円があるので、丸に花菱紋

丸が無いのが単純に花菱紋で、遠野南部氏の替紋のひとつです。

では最初の写真の紋はと云うと、南部変り花菱紋の一種だと思われます。

真ん中の円の周囲が若干異なって見えますが、おそらくそうかと。

盛岡藩主の参勤交代には、遠野南部氏の家臣も付いて行きましたが、その際、盛岡本藩の家臣と

遠野の家臣が同じ家紋を付けることで、道中でいざこざを起こすと困ることから、

遠野南部家臣はこの南部変り花菱紋の付いた羽織を遠野南部家から借りて身につけたそうです。

これを看板羽織と云います。

明治維新になり遠野南部家から家臣が離れる際、本同心衆は、この看板羽織を下げ渡して貰い、

その家臣の中にはこの紋の一部を変えて家の謂れとしたとのことです。

さて、

三連休最終日の14日(月)神楽公演も最後です。

まさか、私自身も三日連続で観るとは思っていませんでした。

 

時間前、遠野座の外から法螺貝の音、慌てて屋内から飛び出しました。八幡神楽さんです。

 

この三連休に神楽公演があることを、私自身、直前に知りました。

流石に毎日、イベント・観光情報をチェックするわけにもいかず・・・・。

芸能関係者の皆さん、私のような者が行っても良いイベントがあったら、教えて下さいねえ~!

 

最初は岩戸開き。

早池峰系神楽の最初は鶏舞で、遠野山伏系はこの岩戸になります。

 

古い書き物なのどを見ると、神楽の違いを3拍子、5拍子、7拍子とリズムで

分けているものもありますが、そのリズムをどう捉えて良いのか、私は、まだ理解

できないので、単純に早池峰系より山伏系の方が総じて速いリズムだという印象です。

 

これまでは保存会長がよく演じていましたが、若返っていました。笑

 

次に三番叟。

そうです!天女に続き、三番叟も二日連ちゃんです。笑

 

この三番叟にしても、早池峰系とは舞い方が異なります。

 

三幕目は十八番の恵比寿舞です。

 

この演目ほど、早池峰系と山伏系で明確に違うものはありません。

 

早池峰系とひとくくりで云ってしまいましたが、遠野では神人系神楽と云われ、

附馬牛町にある大出早池峰神楽さんがこの根本となります。

そこの大出早池峯神社は、江戸時代には神仏習合の妙泉寺でした。

その妙泉寺の神社としての機能があったのが大出で、そこを司っていたのが吉田神道の

始閣家の系統の方々で、それ故に神人系神楽と云われます。

 

一方、山伏系は、遠野郷八幡宮などのように一円の山伏たちが集って、

神事を行い、一座を組んで神楽を舞っていました。それらの山伏によって伝えられたのが

現在の遠野山伏系神楽となります。

 

古い時代の遠野は閉伊郡の一部で、当然、山伏の地域管轄も閉伊郡内だったと考えられます。

鎌倉時代になり、阿曽沼氏の所領となった折、釜石・大槌までがその領内になり、

江戸時代から今日まで川井を含め、大槌、釜石とのつながりは深いものがあります。

 

但し、江戸時代の閉伊郡は山伏の年行事支配が壽松院となり、遠野は大徳院と分かれます。

これが神楽にも大きな影響を与えたかどうかわかりませんが、少なくても、この恵比寿舞は、

両地域の繋がりを強く感じる演目だと思います。

と、何となくまとめに入ったところで、やっと連休の神楽話題が終了です。

 

次はと云うと、20日(日)の遠野は大変なんです!

観光協会のHPにもありますが、遠野市郷土芸能共演会が市民センターで10時から午後まで。

そこに躍進みやもり祭が入ってきました(観光協会HPには、今のところ詳細無し)。

会場はみやもりホール屋外で11時20分から午後まで宮守の郷土芸能も出演予定。

また、みやもりホール内では10時35分から宮守郷土芸能まつりが午前中いっぱい。

市内の地域によっては敬老会もあるようです。

この中で、下郷さんさ踊りさんは10時35分から宮守郷土芸能まつり、

11時20分から躍進みやもり祭、午後13時以降に遠野市郷土芸能共演会

塚沢早池峰神楽さんは10時55分から宮守郷土芸能まつり、

11時35分から躍進みやもり祭、午後の後半に遠野市郷土芸能共演会

と云うスケジュール

売れっ子芸能人、さあ、どう対応する?笑

お客さんは、遠野の町中と宮守との移動時間を考えると、両方を全て見るのは無理なので、

どちらか一方になりますが、さあ、どうしよう?


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8 コメント

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岩戸開き (阿部)
2024-10-16 17:58:37
舞が無い岩戸開きがあります。一戸の神楽です。
お神楽の唱和が終わると岩戸開きを唱和する。その一部を要約すると、
「されば地神五代、天神第七代と申し奉る」として七代の詞章の最後伊弉諾・伊弉冉が男女であり、天照大神と須佐之男尊を生んだが、「天照大神には両眼の月日をゆずり、須佐之男命には総領をゆずり給うと、天照大神は大いに怒りをなさって」「両眼の月日をいだき取って、天岩戸に引きこもらせ給えば 国土は常夜の闇とならせ給う」と直ちに手力王が高天原に行き鈴を鳴らすと四方の神々が集まった。岩戸の前に黄金の鏡を立て12人の神楽男と八人の八乙女が「阿おりきて たくみの枝にとりかけて 歌垣を阿ぐる天岩戸に」と歌い舞ったが岩戸が開かなかったので「八乙女や花の八乙女空に舞う 照る日月の花の八乙女」と更に舞うと天照大神は「我に増したる八乙女ましまさらん」と岩戸を細目に開けて観て「いい面白し いい面白し」と言いながら見入った。その時手力王が岩戸を押し開け投げ飛ばしたのが戸隠大明神になった。
そして兄弟仲良くなり神の総領を天照大神にゆずり、須佐之男命に両眼の月日を譲って「国も所も穏やか、いざや四節」をおき、12か月とし364日を設け、正月を決めた。そして「悪魔をよせんがため吉祥の松」「「一本の松を家の棟に立て天地無尽菩薩と祝い」「総代家の内には松の葉を折飾り、明(忌のない)の方に向かって三度礼拝し奉る。天の岩戸のお本神これなり」「されば東より月出でて、西には両眼の月日を暮らし、北には大神」「拝む神こそ」として唱和する。
この様に他の神楽とは筋書きの違いや仏教的要素が込められているところが特徴である。この詞章は九戸村の江刺家神楽とほぼ同じで舞を持っている。高屋敷神楽等中山手が舞を持たない理由は定かではない。
ってな詞章を唱えるのです。ただ遠野八幡と同じように最初に岩戸開きをするところは同じです。大ケ生山伏神楽は猿田彦が舞いますね。一戸は般若心経に始まって55番ある御神楽を唱えて岩戸開きを唱える祈祷的な儀礼ですね。(今回一戸を調査して書いた文書の一部です)
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山伏系 (笛吹)
2024-10-16 18:24:54
阿部さんへ
山伏系と云われる神楽は、もしかして岩戸から始まる処が多いのでしょうか?
案外、早池峰系の方が少数派の鶏舞からだったりして。
あまり、他地域の物を深く見てないのでわかりませんが。
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悲鳴が聞こえます (yamaneko)
2024-10-16 20:07:17
ウレシイ悲鳴、贅沢な悲鳴が聞こえます^^

笛吹2号なる分身が必要ですね~ww
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悲鳴 (笛吹)
2024-10-17 08:23:30
yamanekoさんへ
嬉しいことは嬉しいのですが、かぶり過ぎだと、半ば憤慨しています。
人口が限られているのに、イベントには大勢お客さんが来て欲しいといいながら、同じ日になったりして・・・。
まあ、会場でゆっくり撮影できるのは、もっと嬉しいのですが。笑
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どうしたもんか (ksuz)
2024-10-17 12:57:48
宮守と町中の両方はさすがに無理ですね
まぁ父親がいる日なので、妻の様子を伺いながら撮りに出かけれればと思っておりますが (;^_^A
しかし、こんなにだぶらせなくても
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調整 (笛吹)
2024-10-17 13:46:12
ksuzさんへ
気楽に撮りに行くなら宮守でしょう。支所に車を置いて、上のホールへ。後は、小腹を満たしたりして・・・。

市民センターは、鱒沢獅子踊りが初登場と云うことで、記録保存として・・・。

ふるさと村辺りでは、何もないのかな?
情報が無いけど。
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お久しぶりです。 (埼玉カメラマン)
2024-10-18 11:47:26
こんにちは、沢山の知識と情報があってとても勉強になります。
それにしても何処に行こうか困ってしまうくらい芸能イベントが豊富なのは本当に羨ましいです。
せめて仙台あたりで暮らしていれば、と夢の妄想が止まりません(^^)
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芸術の秋 (笛吹)
2024-10-18 13:14:25
埼玉のカメラマンさんへ
ガンレフ、観ましたよ~! 流石に良い写真ですね!
遠野の芸能だと、撮っているシーンが手に取るようにわかるので感動します。
近くに居すぎると、最初の頃の感動を忘れがちですが、
また初心にかえって、ドキっとしたシーンにシャッターが押せるよう頑張ろうという気になりました。笑

11月の踊り納めで御存知のとおり、もうすぐ寒くて長い冬、外に出られる時間を楽しみたいと思います。ヒザを気にしながら。(;^_^A
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