[2022年12月28日 更新]
都立入試の理科の出題傾向を説明する。
<過去記事:都立高校入試理科の法則<6> 大問4では何が出るか>
今回は、化学分野が出る大問4について。
◆正答率は低め
大問5の正答率は過去8年間で以下の通りに推移している。
2022年度 47.3%
2021年度 25.1%
2020年度 30.0%
2019年度 58.7%
2018年度 36.4%
2017年度 62.6%
2016年度 41.4%
2015年度 33.5%
2018年度 36.4%
2017年度 62.6%
2016年度 41.4%
2015年度 33.5%
他の分野と比べて正答率は低い。
例えば「酸化と還元」では質量比の計算問題が出されるため、”なんとなく”では正解できないからだ。
2019年度は正答率が高めだが、4問のうち「酸化銅を還元したとき、残った物質の質量」が1問あった。
これは、四択問題にも関わらず正答率36.2%と低い。
「酸化と還元」と「中和反応」の計算問題は頻出だが、正答率は低い。
理科で80点以上を取りたいなら、これらの問題を正解する必要がある。
◆出題傾向は酸化と還元,電気分解と化学電池,中和が多め
年度 | 出題内容 |
2021 | 炭酸水素ナトリウムの分解 |
2020 | 無機物と有機物,電解質と非電解質 |
2019 | 酸化銅の還元 |
2018 | 電気分解,化学電池 |
2017 | 酸化銅・酸化銀の還元 |
2016 | 水の電気分解,中和 |
2015 | 酸化マグネシウムの化合 |
2014 | 化学電池,気体の発生 |
2013 | 中和 |
2012 | 還元,気体の発生 |
2011 | 気体の発生 |
2010 | 酸化銅の化合 |
2009 | 酸化銅・酸化銀の還元,炭酸水素ナトリウムの分解 |
2008 | 水の電気分解,気体の発生 |
2007 | 炭酸水素ナトリウムの分解 |
2006 | 気体の発生,酸化銅の化合 |
2005 | 酸化銅の還元 |
過去17年間の大問5、出題傾向をまとめた。
2020,2018,2016,2014,2013とほぼ隔年でイオンの問題が出ている。
2019年度は大問1で1つだけ中和の問題が出たが、大問5では一切出ていない。
去年出ていないことから2022年度入試ではズバリ、中和反応の計算問題が出ると予想する。しばらく出てないからね。
2022年12月28日加筆
2022年度は予想どおり、中和の問題が出た。
初めてダニエル電池も出題された。
なお2012年度以前でイオンの問題が一切ないのは、中学校でイオンを教えていなかったから。
今、振り返れば異常なことだ。
もっとも現在でも、中2で水の電気分解を学んでから、中3でイオンを教える。
しかも中3でも、「OH-」がなぜ酸素になるのかの説明はされない。
興味がある人は、以下のサイトが分かりやすいだろう。
これでも理解できなかったら、あきらめてもいい。
◆イオン化傾向は覚えておく
詳しくは以前の記事にまとめている。
この記事では、大胆にも”2020年度入試で出る単元”をズバリ予想していた。
実際どうだったか。時間があれば読んでほしい
<過去記事:都立高校入試理科の法則<1> 都立に出るイオンは8つ>
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