
4年生が表現活動の取り組みを始めました。廊下を整然と、毅然と、輝く表情で歩きながら体育館に向かいます。
これは、「きっと子どもたちのいい表情がたくさん見られるぞ。」
と期待を抱きました。
いても立ってもいられず、仕事の手を休め、体育館を覗いてみました。
どうです。やっぱり思った通りです。子どもたちの素敵な表情がいっぱいです。
どうしてこんなにいい表情なのだろうと思って、観察してみました。
多くの子どもたちを見比べていくうちに、よい表情の条件が見えてきました。
それが、「視線」です。
写真に視線の入れてみると、その理由が分かると思います。指先でその情景を表現するだけでなく、目でもその場面の情景を思い浮かべているのです。
頭はね跳びや、前転、側転でも、視線で体をコントロールすることがわかってきました。同じように、表現も視線で体も心もコントロールするのだと感じたのです。
こうしてカメラを思わず向けたくなる子供たちは、無意識のうちに視線で気持ちを演出しているのです。
すると、その他大勢の役割なのに、なんだかそこにスポットが当たっているように、目立つのです。
どうしても参観者の目が吸い付けられてしまうのです。
そこで、照れている子たち、どう表現していいのか考えていない子たちに、そのことを伝えてみたくなりました。
私なりにこのように声を掛けてみました。
「今ね、真ん中に立って、演技している人だけが主役なんじゃないんだよ。」
「あなたの、その指先が、主役なんだ。」
「主役って、たくさんの人が見るでしょ。誰も見てくれないと、主役であるあなたの指先がかわいそうだよ。」
「あなたの、その二つの目で、しっかり主役であるその指先を見つめてあげようよ。」
すると、それまで、ニヤニヤしていた子どもたちも、ほら、こんなに楽しそうに、にこやかに、素敵な表情がすぐにできてしまいます。
やはり、視線の効果は絶大です。
ついでに、歌を歌うときの視線についても観察してみました。
どうです。この視線なら、声は遠くまで伸びやかに広がっていく様子が分かるでしょ。
今日は、4年生の素敵な廊下歩行に出会ったために、またたくさんの驚きと発見がありました。ラッキーでした。