『ツボイ塗工』~亡き父の魂と共に~ 関西ペイント・リフォームサミット参画店、水谷ペイントパートナー施工店・認定施工者

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漏水の酷いベランダを改修防水(前半戦)

2010年08月22日 09時20分31秒 | 日記
『雨漏りで天井から滴が・・・お願い~』

と、いつもお世話になっている施主様よりご連絡あり。

早速急行すると、確かに滴ってる。。。

実は3年前に外壁工事を行ったのですが、
『防水は次の機会に』と言うお話。

既にドレン廻りが怪しかったので、サービスで応急措置を施し、
雨漏りなどの現象が現れたらご連絡下さいと申し上げました。


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それから3年、やはり雨漏りが始まってしまいましたが、
おおよその原因を既に掴んでいるので施工開始して完璧に止水です。

現況はシート防水施工ですが、既に接着剤が剥がれ、酷い膨れが点在しています。


これをまずは撤去して、下地調整を開始します。

と、撤去を進めると立ち上がり面(立面)がトタンである事にビックリ。
通常、ここはモルタル仕上げなので意外…
さらにトタンにシートがしっかり貼り付いて撤去困難な状況も、何とか除去完了。
写真にマーキングしている部分が川のように雨水が流れた様子。
コンクリートとシート防水の間を雨水が滑走している事から
シート防水が既に機能不全になっていた事を物語っています。


鋳物製のドレン(排水口)は分割タイプになっています。
本体はコンクリートと共に固定仕上げ、
その上からシート防水や塗膜防水を仕上げて、押さえ金具として蓋をするという寸法。
ですが、ほとんどの業者さんは押さえ金具を取り外さずに、
上から防水施工をしてしまう為、こうして金具を取り外せるのは奇跡的な事です。
私自身が酷い仕事をされた現場ばかり見ているからかも知れませんが…


ここが最も漏水していた箇所です。

通常はコンクリートやシーリングでしっかりと埋めてあるものですが、
穴が開いたままになっています。
シート防水を過信した業者さんがこの程度なら漏れないだろうと判断したのかも知れません。

また、立ち上がりがトタンである為、
コンクリートで流しこんだ土間面と立ち上がり面の接合部に隙間が開いており、
広範囲な複合要因による雨漏りであった事も分かりました。

他にも雨の吹き込みによって漏水した箇所も発見。

防水傾斜の付いている中で、最も排水口から離れた場所。
排水口が谷としたら、この漏水箇所は山です。
しかし、ゲリラ豪雨のような雨が降った時に漏れていることから、
シートを滑走した雨水が逆流してこの場所で雨漏りを発生させていました。

ドレン部分には当方でも採用・止水実績のある改修ドレンを使い、
ドレン廻りの接着シーリングと立ち上がり/土間接合面のシーリングをばっちりと施工。

コンクリート土間面にはコンクリート機能回復/強化材をまずは塗布。
コンクリート自身の耐水性を向上させるための下準備を済ませました。

写真が多岐に渡りましたので、防水主剤への工程は後ほど。