法廷に立つとき、弁護士は好感を持たれなければなりません。
紳士、淑女にならないといけないのです。
ところが、実際の法廷ではこんな尋問がよく行われています。
弁護士: 「そんなことくらいで普通は怒って、刺したりしないですよ。」
たま子: 「でも、夫のしたことはどうしても許せなかったんです。」
弁護士: 「普通の人はそんなことどうでもいいんですよ。おかしいじゃないですか!」
たま子: 「でも、小さいときからそうだったんですよ。両親もそうだったし。」
弁護士: 「そんなの世間の常識じゃないですよ。」
たま子: 「でも、マヨネーズじゃないと許せないんです。うちの家では常識なんです!」
「それなのに、夫は醤油を・・・・ 私のにまでかけたんです!!」
弁護士: 「普通は醤油でしょ。百歩譲ってもソースだ!」
たま子: 「でも、マヨネーズだから、まろやかになるんです。それしかないんです。」
弁護士: 「そんなの、脂っこくって食べられないと思うのが普通ですよ!」
たま子: 「脂っこくなんかありません。かえって、さっぱりした感じになるんです。
だって・・・」
弁護士: 「もういいです。そうおっしゃるなら、そう聞いておきましょうか 」
こんな尋問をしている弁護士がたくさんいます。
証人と議論する、自分の意見を押しつけている、自分の価値観を常識にしてしまう、証人が話しているのに遮る、捨て台詞を吐く・・・・・
どれも、裁判官・裁判員から見れば、好人物には受け止めてもらえません。
その結果、弁護人は信頼を得ることが出来なくなってしまいます。
法廷で、弁護士は常に紳士・淑女でなければなりません。
信頼に足る好人物になれば、事実認定・結論も付いてきます。
特に敵に相対するときには、丁寧、親切、礼儀正しくする必要があります。
敵対する人と向かい合うとき、親しい人に接するときよりも、丁寧、親切、礼儀正しくすべきことは、どこの世界でも一緒です。
醤油、ソース、マヨネーズ、みなさんの常識はどれですか?