日弁連(東京)で開催された「死刑廃止を考える日」に参加しました。
スペイン映画「サルバドールの朝」が上映されました。
1970年代のスペインの実話をもとにした映画です。
無実の可能性がありながら死刑を執行されてしまう青年を描いた映画、
スペインで執行された最後の死刑だそうです。
今のスペインには、もちろん、死刑制度はありません。
鉄環絞首刑(ガローテ)という執行方法で、鉄の首環をしてそれをネジで締め上げ、最終的に首の骨を折るという残酷なもので、拷問の延長線上のような執行です。
映画では、その最後の瞬間までリアルに描写されています。
きっと、日本の絞首刑もいずれ残酷な刑罰だと誰もが考えるようになるでしょう。
スペイン大使館の方がお見えになってスピーチをされましたが、この映画を上映するという企画を日本でされたことは、とても勇気のあることだとおっしゃっていました。
スペインの人から見ると、死刑のことを口にするだけでも勇気がいるような日本の死刑をめぐる議論状況は異常なのでしょう。
【映画のあらすじ】 Movie Walker
1970年代初頭、フランコ独裁政権下のスペインでは、権力に反発する様々な活動が行われようとしていた。
自由を愛し正義感にあふれる25歳の青年サルバドール・ブッチ・アンティック(ダニエル・ブリュール)は、無政府主義グループに参加。
活動資金を得るために仲間たちと銀行強盗を繰り返し、反体制の犯罪者として警察にマークされていた。
仲間との密会場所に張り込んだ刑事に逮捕されたサルバドールは、死刑を求刑される。
警官との揉み合いで、サルバドールの撃った銃弾が若い警官の命を奪ってしまったのだ。
だが死んだ警官の身体には味方の弾丸も残されており、警察はその検死結果をもみ消そうとしていた。
家族と友人、処刑を阻止しようと奔走する弁護士、元恋人など、サルバドールを愛する人々は獄中の彼を支援し、支える。
激しい敵意を露わにしていた看守さえも、いつしかサルバドールと固い友情で結ばれていく。
しかし再審も恩赦も退けられ、死刑判決を覆すことは出来なかった。
減刑を求める家族や世論の声を胸に抱き、サルバドールの死刑は執行された。