たびだち
きがつけば
いつのまにやら
ねむりいて
どこにもたまし
とばせずにいた
いつになく
ひどくこころが
ゆれている
ろうそくにほん
ひはきえていた
ろうそくに
ひをつけようと
こころみた
ゆびさきふるえ
ともせなかつた
(ああつ)
あのひとの
たいせつなひと
たびだつた
(そうなのだ)
あのひとの
たいせつなひと
たびだつた
なみだひとつぶ
ひとつぶおちて
あのひとの
たいせつなひと
たびだつた
だれもがいつか
むかえるこのひ
あのひとの
たいせつなひと
たびだつた
からだはつちに
たましはそらに
あのひとの
たいせつなひと
たびだつた
ときはなたれて
ゆかれたのだと
しんじたい
はれやかにえみ
ゆかれたと
しがらみもなく
こうかいもなく
やすらかに
ございますよう
ただいのる
ひたすらいのる
いのるだけ
いのるだけ
わたしのこころ
からつぽになる
わたしのこころ
からつぽになる
からつぽになる
からつぽに
なきませう
かなしみませう
からつぽに
なるまでないて
なきませう
かなしみませう
からつぽに
わかれうしなう
かなしみが
からつぽになる
ことはなくても
なきませう
かなしみませう
なきませう
かなしみませう
あゆみだす
いっぽいっぽと
あゆみだす
おもかげいだき
またあゆみだす
そのひまで
そのひまで
いつぱいないて
あゆみだす
そのひまで
なみだながして
かけてゆく
そしてかなしみ
のりこえてゆく
そのひまで
(ともに、ささぐ)
written
2022/12/17,18
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