このブログでは株式投資、いわゆる株の魅力をお伝えしています。
私たちはどんな会社の株を買えばいいのでしょうか。今日も『教養としての投資』を参考文献として考えてみたいと思います。
同書の著者の奥野さんは投資は科学だと言います。科学とは仮説を立てて検証することです。
これを投資に当てはめると、まず投資先の会社を選ぶときに、「この会社にはこんな参入障壁がある」という仮説を立てます。
その上で、その仮説が本当に正しいのかをいろいろな角度から検証します。たとえば奥野さんの場合、直接社長と会って話したり、工場を見学したりするそうです。
社長に会ったときに聞くことは一つだそうです。
「御社の参入障壁は何ですか?」
その際、議論がはかどるように数値を示すそうです。たとえば利益率の推移や競合他社との利益率の差など。また奥野さんが考えるその会社の参入障壁も伝えるそうです。
こうした検証を経て、最初に立てた仮説が正しければ投資し、間違っていれば判断を修正するそうです。
なお奥野さんが仮説を立てるときのポイントは、先日もお伝えした3点です。
①高い付加価値
②高い参入障壁
③長期潮流
①は「本当に世の中にとって必要か?」②「今更その人たちの向こうを張って勝負しようだなんて、誰も思わないほど圧倒的に強いか?」③は人口動態といった不可逆的な事実、です。
ここで見逃してはいけないのが③長期潮流です。奥野さんは長期潮流の例として、
・今後も世界人口は増え続ける
・人間は健康に長生きしたいと考える
・人間は清潔な住環境で暮らしたいと考える
といった事実を想定するそうです。データ上、あるいは人間の性質上、必ずこうなるという不可逆的な事実ですね。
こうした条件を満たす会社を見つけたら、少なくとも5年は売らない覚悟で投資するそうです。
実際にバフェットもコカ・コーラの株を1988年からもう30年以上持ち続けています。
「えっ、コカ・コーラって健康で長生きしたいって長期潮流に反するんじゃないの?」と思われましたか。
バフェットがどういう視点でコカ・コーラを選んだのかはわかりません。
ただ、バフェットのいう「堀のある会社」、奥野さんのいう参入障壁という視点から見るとコカ・コーラは無敵なのです。
日本にはコカ・コーラ以外にもサントリーやサッポロなどいろいろな飲料メーカーがありますよね。
でも世界を見ると、コカ・コーラの他にペプシがちょっとあるくらいなのだそうです。そのため、コカ・コーラの向こうを張って新たに工場をつくり、炭酸飲料を売ろうとする会社が出てこないのだそうです。
また長期潮流という点からもコカ・コーラは無敵です。今後も世界の人口は増え続けると考えられているからです。
人口が増え、炭酸飲料を飲む人が増えれば増えるほど、コカ・コーラにチャリンとお金が落ちるわけですね。
今日も少し長くなってしまいました。みなさまが投資をするときの参考にしていただければ幸いです。
ちなみに奥野さんは著書だけでなく、動画もYou Tubeにたくさん上がっています。無料で見られてとても勉強になります。よかったらご覧ください。