50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「はい。パパの方から訪ねるよう・・・

2015-05-05 20:18:55 | 小説
「はい。パパの方から訪ねるようにさせます」
今夜でなくても急がないといった彼に、クモはかってなく、
「女のことはご両親には照れるんだな?」
なるほどと気を汲んでいった。余裕ができた。あるいは若さへの嫉妬に似た感情や、セックス好きな癖にそれを好む他人を蔑むような、クモの身勝手さが薄らいでいた。柳の側にタクシーをヘッドライトの流れから呼んだ。

(つづく)