呼び止めたのは若者の方で機先を制するように、
「送らせてください」
彼は満足げな調子だったし、それにクモは最早逆らうこともなかった。なぜなら逆らった覚えなく、身勝手、自閉、嫉妬だったばかりだから、クモは先程、妻を裸体にして思いうかべてみた時から、彼とその話に安全な距離が置けていた。
(つづく)
「送らせてください」
彼は満足げな調子だったし、それにクモは最早逆らうこともなかった。なぜなら逆らった覚えなく、身勝手、自閉、嫉妬だったばかりだから、クモは先程、妻を裸体にして思いうかべてみた時から、彼とその話に安全な距離が置けていた。
(つづく)