タクシーにはクモは先に乗り・・・ 2015-05-07 02:00:33 | 小説 タクシーにはクモは先に乗り、若者が助手席へとおさまっている。そしてその声がクモの帰路を告げるとタクシーを走らせていて、わずかに悔いをクモは覚え、悔いが助手席の背に散っていた。ふいに、彼が向きなおり、斜に構えた澄む声が車中の夜気にこう響いてきた。 (つづく)