とかくに人の世は・・・

智に働いてみたり情に棹さしてみたりしながら
思いついたことや感じたことを徒然に記します 
  nob

憲法の絵本

2006年09月30日 | つれづれ
9月29日、安倍新総理の所信表明演説がありました。その中で憲法に関する部分を抜粋してみました。
 「国の理想、かたちを物語るのは憲法です。現行の憲法は日本が占領されている時代に制定され既に60年近くが経ちました。新しい時代にふさわしい憲法の在り方についての議論が積極的に行われています。与野党において議論が深められ、方向性がしっかりと出てくることを願っております。まずは、日本国憲法の改正手続に関する法律案の早期成立を期待します」(抜粋)
つよく改憲の必要性を論じていた安倍さんでしたが、所信表明では若干トーンダウンしているようです。とはいえ自主憲法の制定を目論んでいることは伝わってきます。

『国の理想、かたちを物語るのは憲法』という部分は改憲・護憲を主張するいずれの考え方にも異論はないと思います。ただ「国の理想、かたち」をどうするかで大きくかわってくるでしょう。折りしも先日読んだ井上ひさし氏著「子どもにつたえる日本国憲法」のなかに―「憲法」は<この国のかたち>である―との記述がありました。「憲法はその国のおおもとを決めるきまりであって、そのきまりにそって細かいルールが決められる。そういうルールが集まって、やさしい国ができたり喧嘩の好きな国ができあがったりする」というような解説がなされていました。

以前、このブログで憲法について「憲法を改正した方が良いのか、悪いのか、私はわかりません。今のところ生活するうえで、この憲法で何ら不都合が無いというのが実感です」というような愚見を述べました。そのときはただ漠然と改憲の必要はないと思っていましたが、今「子どもにつたえる日本国憲法」を読んでみて「現行憲法、変えないほうがいい」との思いが少しはっきりしてきました。

この本のなかで日本国憲法の前文を子どもたちへ解説している一部分を書き写してみます。

~ 私たちは、世界の人たちがみな
こわがったり飢えたりせずに
ただおだやかな生き方をしたいと
願うのは
当たり前だということを
いま一度
自分に言い聞かせ
どんなことがあっても
そのじゃまをしてはならないと
たしかに決めた ~


いわさきちひろさんの挿絵につつまれて井上ひさしさんの文章が素敵な詩となって心に伝わってきます。この絵本は子どもたちにも大人たちにも憲法のことをやさしく紹介してくれています。

日本国憲法は誰が創ったとか何時どうやってできたとかはどうだっていいのです。それが素晴らしいものなら。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿