子どもの頃からスティーブン・コリンズ・フォスターの作品が好きです。フォスターは1828年7月4日、アイルランド系の開拓民の子としてペンシルバニア州ピッツバーグで生まれました。彼は一本のフルートから数々の名曲を生み出したそうです。黒人の奴隷問題が激化した南北戦争の最中に生きたフォスターは、数々の作品を書き上げました。彼は37才の若さでこの世を去るまでに188曲の作品を残しています。
「夢路より」「草競馬」、「金髪のジェニー」、「懐かしきケンタッキーの我が家」、「おおスザンナ」、「オールド・ブラック・ジョー」、「故郷の人々」等。
その中でも「主人は冷たい土の中に(Massa's in de Cold Ground)」は今でもよく口ずさみます。この作品の日本語訳は複数あり、それぞれに趣があり違和感なくフォスターのメロディーにのっていると思います。
「Massa's in de Cold Ground」(原作)
Round de meadows am a ringing
de darkey's mournful song,
While de mocking bird am singing,
Happy as de day am long,
Where de ivy am acreeping,
O'er de grassy mound,
Dare old massa am asleeping,
Sleeping in de cold, cold ground
「主人は冷たい土の中に」
(武井君子 訳詞)
青く晴れた空 白い雲
そよ風優しく 昔を語る
思い出す あの笑顔
眠れよ静かに 静かに眠れ
(勝承夫 訳詞)
思い出さそうよ 吹く風も
帰らぬ主(あるじ)の あと追うように
今もなお 目に浮かぶ
姿よ眠れよ 大地は静か
(水田詩仙 訳詞)
小鳥はさえずる 春の空に
悲しき歌声 そぞろにひびく
若草しげれる この丘に
冷たく眠れる 君を慕いて
あわれ この歌声に
帰り来ませ いざ 眠れる君よ
「春風」 (加藤義清 作詩)
吹けそよそよ吹け 春風よ
吹け春風 吹け柳の糸に
吹けよ吹け 春風よ
やよ春風吹け そよそよ吹けよ
人種差別が公然と行われていた時代にフォスターは、黒人の目を通して多くの作品を創っています。「故郷の人々(スワニー河)」は、故郷を遠く離れ、アメリカで強制労働させられる黒人達の郷愁の想いを詠う曲でしたが、「主人は冷たい土の中に」では、プランテーションを仕切っていた年老いた園主(主人)が亡くなり、そこで働いていた黒人達が、優しかった主人を偲んで嘆き悲しむという内容になっています。黒人奴隷制度があたりまえの時代に、黒人たちから慕われていたこの主人がどんな人物であったのかとの想いを巡らせてしまいます。
私が最初に覚えて今もよく唄うのは勝承夫氏のそれです。中学生のころに覚えた曲なのですが、長い間訳詩の作者を知らずにいました。先日ふとしたことでそれが判りこの記事を書いてみたくなりました。
「夢路より」「草競馬」、「金髪のジェニー」、「懐かしきケンタッキーの我が家」、「おおスザンナ」、「オールド・ブラック・ジョー」、「故郷の人々」等。
その中でも「主人は冷たい土の中に(Massa's in de Cold Ground)」は今でもよく口ずさみます。この作品の日本語訳は複数あり、それぞれに趣があり違和感なくフォスターのメロディーにのっていると思います。
「Massa's in de Cold Ground」(原作)
Round de meadows am a ringing
de darkey's mournful song,
While de mocking bird am singing,
Happy as de day am long,
Where de ivy am acreeping,
O'er de grassy mound,
Dare old massa am asleeping,
Sleeping in de cold, cold ground
「主人は冷たい土の中に」
(武井君子 訳詞)
青く晴れた空 白い雲
そよ風優しく 昔を語る
思い出す あの笑顔
眠れよ静かに 静かに眠れ
(勝承夫 訳詞)
思い出さそうよ 吹く風も
帰らぬ主(あるじ)の あと追うように
今もなお 目に浮かぶ
姿よ眠れよ 大地は静か
(水田詩仙 訳詞)
小鳥はさえずる 春の空に
悲しき歌声 そぞろにひびく
若草しげれる この丘に
冷たく眠れる 君を慕いて
あわれ この歌声に
帰り来ませ いざ 眠れる君よ
「春風」 (加藤義清 作詩)
吹けそよそよ吹け 春風よ
吹け春風 吹け柳の糸に
吹けよ吹け 春風よ
やよ春風吹け そよそよ吹けよ
人種差別が公然と行われていた時代にフォスターは、黒人の目を通して多くの作品を創っています。「故郷の人々(スワニー河)」は、故郷を遠く離れ、アメリカで強制労働させられる黒人達の郷愁の想いを詠う曲でしたが、「主人は冷たい土の中に」では、プランテーションを仕切っていた年老いた園主(主人)が亡くなり、そこで働いていた黒人達が、優しかった主人を偲んで嘆き悲しむという内容になっています。黒人奴隷制度があたりまえの時代に、黒人たちから慕われていたこの主人がどんな人物であったのかとの想いを巡らせてしまいます。
私が最初に覚えて今もよく唄うのは勝承夫氏のそれです。中学生のころに覚えた曲なのですが、長い間訳詩の作者を知らずにいました。先日ふとしたことでそれが判りこの記事を書いてみたくなりました。
原文を何度も読みました。
なんと静かな詩でしょう!
どの訳詩も翻訳というよりオリジナルのイメージから創作された詩のように感じられます。
おまさぼうさんはいわば翻訳の専門家でいらっしゃるから、詩の意味をより深く読み取られますデスネ。
>メロディは全然知りません
↓のサイト、MIDIでメロディが聴けます。私はここで訳詩者を知りました。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/00_songs.html
聴いたことがあるような、なつかしいメロディですね。
原文は当時の黒人特有の発音のまま、文法無視のまま作詞されているようですね。
ところで、nobさん、翻訳の専門家など、とんでもはっぷんなお言葉。私の先生が聞いたら、ずっこけますわ。私、落第生でございます。いや、ほんまに!
不おすたーを始めて聴いたのは幼少の頃、女学生だった姉が歌っていた「オールド・ブラック・ジョー」ですね。この曲にまつわる物語(?)それに「マッチ売りの少女」の題名でしたが、元歌は…??メロディは覚えているのですが…ド忘れです。多分故郷の人々かな?と思いますが…歌詞は途中ですが…哀れ素足の乙女子が…」とか…いい加減なものです。
アンゼルセン?の童話に日本語の歌詞をくっつけたものでしょうね。
>「マッチ売りの少女」の題名でしたが、元歌は…??
いろいろ推理しましたが、フォスターのどの作品か特定できませんでした。もう少しヒントがあれば原曲がわかるかもしれません。
たそがれさんは精力的に記事をアップされていますね。それにひきかえ当方はきまぐれの投稿でお恥ずかしいかぎりです。