海月美紗のしょうかっこう

小確幸とは 小さいけれども確かな幸せ という意味
何気ない毎日の中で 小さな幸せを見つけたいと思います

3月11日(月)鎮魂の寺社めぐり

2024年03月11日 | 神社仏閣
浜街道は双葉の手前までしか南下できない、その先は「帰還困難区域」。
浪江町の6号線と114号線が交差する辺りは、数年前に町役場や道の駅が新設されて随分にぎやかになってきた。でも、家の土台だけが取り残されていたり、建物はあっても屋根が崩れて人気のない家があったり、まだまだ以前の街の姿は取り戻せていない。
 
 
 
 
 
 
常福寺
道の駅近くの大きなお寺、浄土真宗本願寺派。
本堂は震災時に柱が割れ、壁が落ち、全体が右に傾いてしまったという。今は修復され、境内もきれいに清掃されているが、本堂には杭が打ち付けられ庫裏にもひと気はない。
 
 
 
 
 
 
浪江神社
境内に見事な桜の木、つぼみが大きく膨らんでいる。きれいに掃除されているが、ひと気はない。参拝はできるが本殿は封鎖中。
 
 
 
 

浄土真宗大谷派 正西寺
袈裟を纏った御住職の姿を見かける。14時46分、街中にサイレンが鳴ると同時に鐘の音が響いた。黙祷。
 
 
 
 

苕野神社(くさのじんじゃ)
津波で本殿が流出。2022年8月に再建が決定、今年2月に完成して「安波祭(あんばまつり)」が奉納された。
周辺の土地はきれいにならされているが、民家も林も何もない。近くには請戸小学校が震災遺構として公開されている。
 
 
 
 

初發神社(しょはつじんじゃ)
浜街道から浪江中心街に向かう道路脇に真っ赤な鳥居が立っている。内陣の天井には竜が、板壁には唐獅子等が色鮮やかに描かれているという。
参道のまだ小さい桜の木が蕾をふくらませていた。
 
 
 
 

真言宗 室生寺派 平出山 摩尼院 大聖寺 
胴鐘は国認定重要美術品、アカガシ樹群は県指定天然記念物。他にも境内には数多くの文化財がある。
 
 


白梅が満開。大聖寺の境内は梅の香に包まれ、静かな時間が流れていた。
まだ復興半ばだけれど、浪江町には少しずつ以前の生活が戻ってきている。
 
毎日を安全に過ごせることに感謝し、震災で亡くなられた方々のご冥福を祈り、被害に遭われた地域の一日も早い復興を心から願う。
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あれから13年、今日は3月11日

2024年03月11日 | 空と海

雲一つない青い空。暖かい。今日は海を見ながら浜街道を南下する。

 

 

 

磯山展望緑地。もう少し北へ行くと宮城県との県境。坂道を降りた林の中に、美味しい釜焼きのピザ屋さんがあった。
 
 
 
 
 
 

震災後の11月、宮城県に避難することになった。職場まで毎日往復150kmの道を走った。まだ常磐道は全面開通していなくて、高速と国道を走りつないだ。
職場とアパートの真ん中地点に鹿狼山があった。鹿狼山が見えると「あぁ、半分まで来た」と思った。長距離運転は全く苦ではなく、青い空の下を青いハイブリッドの新車で走るのは気持ちがよかった。

 
 
 
釣師浜防災緑地公園 想いの丘。
 
 


毎年必ず遊びに行った尾浜海水浴場。
 
 


太平洋と松川浦を仕切る大洲松川ライン。
津波で大洲海岸が崩れて太平洋と松川浦が繋がってしまった。その後は7年間も通行止めで、開通の日が待ち遠しかった。
車を停めて堤防に座り、日の出や月の出を待ったり、流星群を見上げたり。ここは私の一番のスポット。
 
 
 


北泉海浜総合公園。以前は「コースタルコミュニティハウス」という施設があって、日帰り温泉に入ったり宿泊したりすることができた。
まだ使うはずだったお風呂の回数券は今でも持っている。



請戸港から南の方を眺めると、遠くに福島第一原発の廃炉工事をしているクレーンが見える。浜街道はここまでしか走れない。ここから南は「帰還困難区域」で一般車両の乗り入れができないから。
 
 
 


海岸線沿いの風景は、震災前と変わった。集落はなくなり、松の林もなくなった。その代わりに大きな道路ができて、きれいな公園が整備され、たくさんのソーラーパネルや風力発電機が設置された。
変わるものもあるし変わらないものもある。何気ない毎日の生活の中で小さな幸せを感じながら生きられたらいいと思う。




 
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