狛犬めぐり2日目
今日、前半のテーマは「小松寅吉」!
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新地山羽黒神社(白河市)
羽黒神社は、源義経の家臣・佐藤継信(つぐのぶ)と忠信兄弟の冥福を祈り、二人の母が勧請したということ
県道11号線、ブロックの石垣?の切れ目が参道入口。ナビっても分からなくて周辺を行ったり来たり。
石工:小松寅吉
建立年:明治26年(1893)
お見事!としか言いようのない彫刻。下の方、波に乗って顔を出しているのは亀。上の方では龍がぐるぐる巻き付いている。一番てっぺんにいるのは何だろう?
石工:小松寅吉
建立年:明治26年(1893)
雲に乗り風にたてがみをなびかせている。吽像の母獅子を見上げるチビ獅子も立派なたてがみ!
白河藩主・松平定信の歌碑を囲む石柵
石工:小松寅吉
建立年:明治30年(1897)
正面の扉に虎と龍、下の方に鶏と兎、両脇に牡丹と菊。
他にも、和歌三神、亀と寿、布袋様、鶴と松、etc.の透かし彫り… もう前後左右どこから見てもすばらしい!
石柵の内側、逆立ちしながら後ろ足で扉を支える狛犬たち
「世々へても 心の奥に通ふらし 人忘れずの山の嵐は」白河楽翁
新地山の頂上にある羽黒神社までは、急な山道を10分くらい登るとか。はるか遠くに二の鳥居は見えているけど、今日は麓から遙拝…
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関和神社(西白河郡泉崎村)
御祭神:大山クイ命(おおやまくいのかみ)
長和年間(1012~17)に勧進、寛徳元年(1044)に現在地に遷座、明治元年(1868)に社号改称して「関和神社」
石工:小松寅吉(推定)
建立年:明治20年(1887)
目や口の表情、彫りが非常に精密、作者は小松寅吉かと推測されているということ。阿像の肩の牡丹がおしゃれ、吽像の前足に絡みついているちびっ子が可愛い!
緩やかな山道を登っていくと、やがて二の鳥居。震災で倒壊、平成30年(2018)に改修と刻まれている。
境内の途中には江戸時代に納められた灯籠・石塔や馬頭観音の碑が、社殿のまわりにも古い摂社・末社がたくさん…
明治45年(1912)に庭渡神社と八雲神社を合祀、だから扁額が3つ
石工:伊右衛門
建立年:文久3年(1863)
江戸時代にこんなに立派な狛犬が彫られていたなんて…
白河市の鹿島神社にも伊右衛門さんの狛犬(慶応2年・1866)がいるということ、機会があれば是非…
吽像の足元にいるちびっ子獅子。くりくりした目としっかり閉じた口元が愛らしい。そこに160年も前からずうっといるのかい?
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村社 鹿島神社(白河市東)
御祭神:建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)
養老元年(717年・奈良時代)に常陸国一の宮である今の鹿嶋神宮より勧請
石工:梅沢敬明
梅沢さんは芸大の前身・東京美術学校彫刻科の出身
台座に獅子、笠の上に降り龍
梅沢さんの奥さんが福島県の出身でこちらに移り住んだということ
台座に牡丹、笠の上に昇り竜
石工:小松寅吉
建立年:明治36年(1903)
東北のミケランジェロと言われる小松寅吉さんの最高傑作。何度見ても「すごい!」の一言… 阿像の台座の所で上を向いてるチビがかわいいんだよ!
本殿が明治35年(1902)に倒壊、翌年に再建されたときに信夫郡飯坂町の彫刻師・平間弥助によって彫られた。階段両脇の柱と一体になっていて、右に昇り龍、左に降り龍。
以前は樹木に覆われた参道だったという。今は伐採されて、すっかり見晴らしがよくなった。狛犬は日当たりがいい方がうれしいんだろうか… 木立の中でにらみを聞かせていた方が似合っていると思うんだけど…
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すばらしい天気! 那須連峰がきれいに雪をかぶっている。風が強くて寒いという天気予報だったのに、風もほとんどなくて暖かい。
小松寅吉さんの狛犬や灯籠、石柵を鑑賞。その緻密さと大胆さに圧倒された。さすが!お師匠さん、お天気も味方してくれて、もう感動して深呼吸を繰り返すばかり…
「寅吉さんは小松利平さんの養子でね…、利平さんはこっちの人じゃなくて信州の方から出稼ぎに来てた人でね…」と、私のうんちくを嫌な顔ひとつせずに聞いてくれてた妹に感謝です。