プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< ホビット 決戦のゆくえ >

2015年01月03日 | ☆映画館で見た映画。
「ロードオブザリング」三部作から「ホビット」三部作へ。長々とお付き合いしてきましたよ。
ほとんど義務感から最終作を見に行った。だって「ホビット」、そんなに面白くないんだもん。
なにしろほぼ戦闘シーンで出来てる話なので。

と、諦めながら行ったせいか、戦闘シーンばっかりにしては楽しめたかな。
まあ戦闘シーンの面白さは、そもそも他の映画に比べたらある方だと思うけどね。
時としてコミカル要素も織り込むし、画柄は工夫してあるし。さすがにピーター・ジャクソン。

でも話は、どうでもいい話だった。
2作目の「竜に奪われた王国」で、3作目は竜と湖の町の壮大な攻防戦になるんだろうなーと予想させる
終わり方になっていたので、そこがアッサリと終わった時には、肩すかしながらも少し嬉しかった。
だが別に話は特に展開はせず、ずっとシンプルなまま、真打の戦いへ。



で、真打はエルフとドワーフとドワーフの援軍とオークとの壮大な(CGによる)決戦。
これが延々続くんだけど、意外に疲れずに済んだのは、むしろ人があっさり死に至るからかもしれない。
モブ連はあっさり斬られたり首をはねられたり。苦痛のシーンをあまり写さない。
まあ多少は死体を見せたりもするんだけど、これでもかという趣味の悪さはあまりない。

クライマックス(であろう)のトーリンと、アゾグ?ボルグ?オークの親玉との戦闘シーンは
それなりにしつこかったけど。
――いや、どう考えてもその武器おかしいやろ!彼の武器は、力自慢の敵役によくあるタイプの、
鎖に鉄球(今回はトゲトゲのついた石?)だったのだが、その重みを持ち扱いかねてますやん!
いくら氷上とは言え、あんなに本人がバランス崩れまくりの武器って役に立たないでしょ!

氷の下に沈んだアゾグが、あんなに長時間沈んでいて、なお元気いっぱい生きてるのもアレだが、
氷の下からどうやって反動をつけて、氷を割って氷上に飛び出して来るのか、――そこが謎。
そんなに浅いのか、あの湖は?

まあそれを言うなら、エルフの王子様(レゴラス)の戦闘シーンも、重力的にないやろ!ってシーン
ばっかりでしたけどね。こういうツッコミはお約束というか、まあ笑って見られる部分。


でも話はねー。
トーリンが竜の宝の魔力に捉えられるのだろう、ということは話の流れ的に納得出来るのだが、
そこを“ま、そーゆーことですのでヨロシク”的に適当にしか描いてないから、入り込めない。
あんな高潔な、王の中たる王であるべきトーリンの精神が蝕まれていくさまをじっくり描いてこそ、
話に若干の説得力が出る気がするが。

エルフの王の立ち位置もなあ。1作目と2作目の話をすっかり忘れているせいかもしれないが、
もう1回説明してくれないとあかんのやないかね。全員が前作を見てると思うなよ。
なんかエルフとドワーフが戦う理由もわかんないし、ドワーフの援軍も何で来た?って感じだし、
グンバルド?だかの援軍の重みがほとんどないし、人間があんな寒くて飢えて怪我している状態で加勢しても
ほぼ戦力にならなくない?とかさ。



でももういいんだろう、ピーター・ジャクソンは。
そもそも話を描く気がないにちがいない。彼が描きたいのは魅力的な中つ国の世界と、
そこのクリーチャー(の戦闘シーン)。
見ててそういうキモチはよくわかった気がするから、話がてきとーなことに特に腹は立たない。
良かったね、たっぷり描けてねー、とピーターに言ってやりたい。


味付けの部分は唯一の女性要素、タウリエルさんとキーリの恋かね。でもこの恋の部分も少なくとも
3作目では相当にてきとーだったね。まあこれもユルそう。
話として良かったのは……話として良かったのは……ないな!!(きっぱり)

あえて言うなら、奥方様の超おっかないところが見れたことか。
ってか、なぜ奥方様の旦那が助けに来ないのか。
御年90歳超のクリストファー・リーでさえ老骨に鞭打ってわざわざ助けに来てるのに。
戦闘シーンはスタントマンだろうが。
まあ奥方の旦那が来ても、印象薄いから「ダレ?あれ」だろうけどね。

わたしは長い長い映画の最期に。シャイアの風景が見られるだけで納得しますよ。
相変わらずシーンとしては短いんだけどね。でもあそこを見るとほっとする。
イアン・ホルムのサービス出演あり。さすがに今回はイライジャ・ウッドは出てこなかった。




まあでも総じて、そんなに不満は持たなかったかなあ。
大金持ちになったピーター・ジャクソンの趣味に走った映画ってことで割り切りは出来てるし。
もうあとは中つ国に戻ろうとしても原作がないから不可能なんだろうし。最後の見納めを。
こんな話は映画館じゃなきゃ、逆に見られないよ。見て満足ではあった。


役者はすべてをまとめて言うが、みんな良かったよ。力演。
キャラクター的には相当に足りなかった感のあるトーリンも与えられた位置でよくやった。
まったく華のない主人公、若き日のビルボをマーティン・フリーマンが好演。
イアン・マッケランも年をとったがいまだに灰色のガンダルフとしていてくれることに感謝。

ああ、キャクラターとしての秀逸度から言えば、アリフリードはこの適当な話の中で
一番活きた創作キャラクターかもしれない。これが今後、色々色々あって、
蛇の舌・グリマになっていくということはないですよね。



グダグダな感想だが、一言で言えばそう悪くはなかった。以上。
……だがやっぱり「ロードオブザリング」が名作だな。




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