プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 塩田武士「女神のタクト」

2022年01月13日 | ◇読んだ本の感想。
普通に面白い小説でした。……が、いまいちコクがない。満足感がない。

ここらへんは微妙なところで。
わたしは小説なんて面白ければいいんだと思っている。
別に深みなんて必要ないだろう。いや、深みがある小説は小説でいいけど、
必須要素ではない。

そう思いつつ――この物足りなさはなんだろう。
こういう小説はたまにある。
たとえば畠中恵の「しゃばけシリーズ」ですね。
面白くなるはずなのに――面白いことは面白いのだが、物足りない。
何巻も読んだけど、結局そのコクのなさが物足りなくて離脱した。

この作品も似たような感じ。
ユーモラスな作品も好きだし、キャラクターもけっこう魅力的で、
話も気持ちいいんだけどね。その味の薄さが気になる。
我ながら具体的にどこに不満を感じるのか不明。

塩田武士はこないだ映画の「騙し絵の牙」を見た。
キャラクターもはっきりしてるし、映画原作に向く作品を書くのかもしれないなあ。
本作もドラマにすればそこそこ面白いと思う。いつかなるかもね。

キャスティングは、拓斗を(若い頃の)筒井道隆、別府をアベサダヲ、
矢吹明菜を広瀬アリス、白石を國村隼……まあ小柄な設定なので、違うか。
小柄で元気で包容力がある。他に思いつかなければ小日向さんでいこう。

これが初塩田武士なので、次に「騙し絵の牙」を読んで。
物足りなさが乗り越えられれば「盤上のアルファ」を読んでいく。
だがだいぶ不安。コクはけっこう……生来のものではないかと思うので。

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