プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ モーリス・ルブラン「813」「続813」

2024年07月09日 | ◇読んだ本の感想。
「813」には大いなる欠点がある。

実態は「813」は前編、「続813」が後半なのに、
現行表記では「813」で完結、「続813」が続編だと思って、
とりあえず「813」だけ読めばいいかと思って1冊しか借りない。
すると、「813」では完結せず(第一段階の大ネタバレのところで終わる)、
話の大部分は「続813」に続くのだ。

今まで「813」を2回くらい読んだ気がするんだけど、毎回この失敗をするんだよなあ。


わたしはシャーロック・ホームズ派だったので、ルパンはそんなにしっかり読んでない。
と思う。小学校の時に何冊か読んだと思うけど。
なので、今回全部読んでみようと思ってリストアップしてみた。
まあリストアップしたのは7、8年前だが。
そしたら大人向けのは全10巻くらいなのね。もっとあると思っていたから意外。

久々に読んで思ったけど、ルパンシリーズはエンタメ性がすごいのねー。
派手さがある。ストーリーにメリハリがある。

特にこの「813」は長いことも長いから、
ただの殺人事件(殺人をただの、というのもなんだが)から始まるが、
隠し子とか身代わりとか、悪魔のごとき敵対者とか、大どんでん返しの変装とか、
脱獄とか追跡劇とか皇帝?とか、――もうそれはそれは派手。

初めて読んだ時にかなり犯人に驚いたので、残念ながらその記憶は覚えていた。
なので、最初からそれを意識せざるを得なかったのだが、そう思って読むと
あの人が犯人なのはかなり無理がありますね。

そんなに先手先手を打てる立場じゃないよなあ。
まあ半分くらいはがんばって打てるかもしれないけど、
刑務所に入っているルパンのことなんて、一体どうやって知ったんでしょうね?

しかもわかって読むと、けっこうミスリードがひどい。
まあぎりぎりありかなーという範囲のミスリードではあるかもしれないが。

わたしとしては話は地味でもいいから、もう少し蓋然性のあるストーリーの方が好みかなー。
面白いんですけどね。
やっぱりわたしはホームズ派。まあホームズもかなり荒唐無稽な話がありますけど。

次は「奇岩城」。これも読んだ記憶はあるが、内容は全く覚えてないので楽しみ。


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