リンリン、草時計

現役リタイヤの暮らし=ガーデニングや本・映画・旅に保護犬.エトセトラ…我が子に伝える『マイ・ライフ』

「潔い」って…難病の同窓生の賀状から

2017-01-07 | 日記
早や正月7日。
明日は飾り物を片付けなきゃ、と思う。

さて、お正月に届いた年賀状・・・
中学時代のクラスメート(男子)からの文面が心に引っかかっている。

特に仲が良かったわけでもなし、
卒業以来クラス会で1~2度逢った位だけど、
以前、自前で作成したCDをクラスメート全員に送ってくれたことがあった。


「中学の卒業を前にして、全員で声をテープに録音したことを覚えていますか?
そのテープをようやく見つけ出しました。
出てきたのはいいのですが、
これはオープンリールで今は再生できる機械がない。
対応に苦慮しましたが、ダビングをやってる店に出したら結構簡単に出来ました。
中身を聴いてみると、自己紹介や将来の夢を語った貴重な物と思ってたのに
しゃべっている内容は住所、電話番号、出身校などで少々がっかり。。
でも音楽の授業で一人ずつクラス全員順番に歌っているシーンや休み時間の雑談など。
これらを抜粋して収録しました。末永くそばに置いてください。」

※同封の手紙から


友の声に懐かしさがこみ上げ、又、早口の自分に呆れたりしたものだった。

 :.。:..:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜

その彼が今は難病を発症し、闘病中だと言う。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)

「重篤な筋肉の委縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で…」

「幸い頭としゃべりはまだしっかりしていますが、極めて進行が早く……」

「治癒のための有効な治療法は現在確率されておらず…」

「私を生かす為に多くの人が携わってくれ……」

「日本は素晴らしい福祉国家だと思います」


等々、
読むのも辛い言葉が淡々と綴られ、

「手が不自由なので、これが私の差し上げる最後の年賀状になると思います」
「これまで私の人生のどこかの場面にお付き合い頂き、本当にありがとうございました」


そう結んでいる。。。

普段賀状のやりとりもしていないので、
返事を書くべきか、
その場合、どういう言葉を返したら良いものか、迷った。

結局(少し日を置いて寒中見舞いにしよう)と、そのままにしているのだけれど。。。

中学のクラスメートだけじゃない、高校も、大学も、職場も・・・
多分、人生で出会った人たち全てに、彼はこの賀状を出したのだろう。

こういうのを「潔い」というかしら。。。

賀状の写真で、彼はシャンと背筋を伸ばしている。
口角を上げ困ったように作る笑顔は、中学時代と同じままだ。


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