映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【本】吾輩は猫である
2008年07月29日 / 本
夏目漱石 1905年著
題名を知らない人はいないが、実際に読んだ人は少なく、読み通した人はもっと少ない、そんな小説だと思う。どうも、好悪が極端に分れるみたいで、口を極めてこき下ろす人もいるし、絶賛し中毒症状を呈する人もいる。茂木健一郎氏は、いつどこでも発作的に読みたくなって、買ったのが十冊になってしまったそうだが、私は全二冊、それも数年前に買った岩波文庫588円と、今年の正月に手に入った伯父の形見の全集・・・ただし過去何十年、折あるごとに思い出す。
高校の現代国語の教科書に出ていたのは「吾輩」が餅を食う正月のシーン。
(そういえば、文科省は最近また文豪の文章を教材に採用するとか言い出したが、
願わくば国語教育は文字の読み書きに徹してほしい。教師自身が読みもせず、
知らず解らず興味もないのに、教えるなんて無理ムダ無謀以外の何物でもない。)
一つ一つのエピソードや文章は大して面白くも無いのに、全体として懐かしい。
日本人が殆んどいない途上国に20kgの鞄一つ持って(一冊も本を持たずに)2年間滞在した30代のとき、日本語に渇え、家にあった橙色の表紙の漱石全集を思い浮かべ、特に内容も分量も豊富なおしゃべりが常軌を逸して延々と続く漱石の「猫」があったら、日本語のシャワーを思い切り浴び、日本人としての命の源泉に浴せるものをと思ったものだ。
登場するのは教師の苦沙彌クシャミ先生・その妻と娘3人(とん子・すん子・坊ば)・水島寒月・美学者 迷亭・禅学者 八木独仙・金田鼻子・新体詩人 越智東風・・・猫は吾輩・隣の三毛子・筋向うの白・車屋のくろ等々、
浮んでくる場面は寒月のバイオリン、迷亭のパナマ帽、八木独仙のひとりごと(誰も理解もせず、したがって返事も返らない)。苦沙彌先生は漱石、寒月は寺田寅彦、迷亭は鈴木三重吉がモデルらしい。
題名を知らない人はいないが、実際に読んだ人は少なく、読み通した人はもっと少ない、そんな小説だと思う。どうも、好悪が極端に分れるみたいで、口を極めてこき下ろす人もいるし、絶賛し中毒症状を呈する人もいる。茂木健一郎氏は、いつどこでも発作的に読みたくなって、買ったのが十冊になってしまったそうだが、私は全二冊、それも数年前に買った岩波文庫588円と、今年の正月に手に入った伯父の形見の全集・・・ただし過去何十年、折あるごとに思い出す。
高校の現代国語の教科書に出ていたのは「吾輩」が餅を食う正月のシーン。
(そういえば、文科省は最近また文豪の文章を教材に採用するとか言い出したが、
願わくば国語教育は文字の読み書きに徹してほしい。教師自身が読みもせず、
知らず解らず興味もないのに、教えるなんて無理ムダ無謀以外の何物でもない。)
一つ一つのエピソードや文章は大して面白くも無いのに、全体として懐かしい。
日本人が殆んどいない途上国に20kgの鞄一つ持って(一冊も本を持たずに)2年間滞在した30代のとき、日本語に渇え、家にあった橙色の表紙の漱石全集を思い浮かべ、特に内容も分量も豊富なおしゃべりが常軌を逸して延々と続く漱石の「猫」があったら、日本語のシャワーを思い切り浴び、日本人としての命の源泉に浴せるものをと思ったものだ。
登場するのは教師の苦沙彌クシャミ先生・その妻と娘3人(とん子・すん子・坊ば)・水島寒月・美学者 迷亭・禅学者 八木独仙・金田鼻子・新体詩人 越智東風・・・猫は吾輩・隣の三毛子・筋向うの白・車屋のくろ等々、
浮んでくる場面は寒月のバイオリン、迷亭のパナマ帽、八木独仙のひとりごと(誰も理解もせず、したがって返事も返らない)。苦沙彌先生は漱石、寒月は寺田寅彦、迷亭は鈴木三重吉がモデルらしい。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
« 【映画】日本橋 | 【本】三四郎 » |
この「猫」は、小学校を卒業した直後の春休みに読んだ記憶があります。たしかに大したことのないエピソードばかりなのですが、その独特の緩い雰囲気が好きでした(当時は大人の世界を垣間見たような心持ちだったのかも知れません)。
寒月さんがバイオリンを弾くか弾かないかの話を延々引っ張るところや、碁を打っていた独仙さんがよだれを垂らしながら寝てしまうところなど、印象に残っています。内田百間の「贋作」もオリジナルのまったりした部分を受け継いでいて面白かったです。
新聞の気温を見て、「こんな暑い所によくもいたなぁ」と思います。松江も日中は暑いですが、陽が落ちると涼しくなりますよ。
そうですか猫を中学入学前にとは負けです。学級委員または学習委員のタイプかな?(ブログ通信簿参照)
寒月さんのバイオリンでは、干し柿を食うと言うのが忘れられません。あの後、家主にどう言われたかなと私はつまみ食いが好きでしたので、心配でした。
それに致しましても。少し拝読させていただいただけながら、ずいぶん博識でいらっしゃいますね。それに研鑽も日々怠りなきごようす、感服致しました。
『我輩は猫である』、高校生の時全巻読了致しました。同じ頃、漱石では『こころ』『三四郎』『坊ちゃん』など。いずれもただ読んだというだけで、今日では内容等何も残っていないようなお恥ずかしい次第です。
近年ではわずかに『夢十夜』を読んだくらいで…。そもそも小説自体、ほとんど読まなくなりました。少しは皆様から刺激をいただいて、この年での「小説開眼」を目指しましょうか?
こんなレベルの者ですので、Bianca様についていけますかどうか。今後とも、よろしくお願い申し上げます。
私の場合、夏目漱石は『草枕』→『こころ』→『我輩は猫である』→『坊ちゃん』の順で読んだんで『我輩は猫である』が凄く読みやすかった記憶あります。
でも、最後が・・・。
あの最後は小学生にはちょっとショックでした。