1954年 2h04 鑑賞@松江テルサ監督 溝口健二 原作 森鴎外出演 香川京子 花柳喜章 田中絹代 津川雅彦ヴェネチア映画祭銀獅子賞「越後の春日を経て今津へ出る道を、珍らしい旅人の一群れが歩いている。」で始まる鴎外の原作を10代で読んだことがある。幼い時に絵本の「安寿と厨子王」に心ひかれたからだが、映画と原作の違いがどうしても気になった。(物語)筑紫に流された父を訪ねて旅する母と2人の子が、人買 . . . 本文を読む
1958年 1h25 原作 松本清張 監督 小林恒夫 DVDで鑑賞
出演 南廣 山形勲 高峰三枝子 加藤嘉
清張の有名な作品だが、映画は初めて見た。
東京駅の線路が空白の4分間を利用してアリバイ工作をする。
このアイディアは病床の時刻表マニアから生まれたという。
博多の海岸の心中事件にふと不自然さをかぎつけた地元刑事。
それが政治の中枢を巻き込む殺人事件へと発展する。
東京と福岡の、老若2人の . . . 本文を読む
1954年 1h43 @松江テルサ7階ドームシアター
監督 溝口健二 出演 長谷川一夫 香川京子 南田洋子
原作 近松門左衛門「大経師昔暦」→川口松太郎「おさん茂兵衛」
こちらは「雨月物語」と比べ、どちらかと言えば女性の共感を呼びそう。
70~80代の女性が「良かったわ!」「素晴しかった!」と語り合うのを見た。
どちらを向いても非人間的な絶望的な環境の中で、
命がけで愛をつらぬく男女のドラマが感 . . . 本文を読む
新潮文庫1988年 (初出1984年朝日新聞社)
1992年古書店にて300円で購入(定価640円)
著者はこの10月20日、81歳で亡くなった。新聞で見る細長い顔の輪郭にデビュー当時の面影が浮んだ。渡辺淳一氏は「飄々たる日本のサガン」と言う見出しで27日の毎日新聞に思い出を語っている。彼女の小説が1冊だけ手元にあったので、読んで見た。
300年をタイムスリップして札幌に現われた27歳の侍、杉 . . . 本文を読む
上田秋成著 「蛇性の婬」「浅茅が宿」
@テルサ名画劇場 監督 溝口健二
1953年 出演 京マチ子 森雅之 田中絹代
ヴェネチア映画祭銀獅子賞
3本の中では男性に好まれそう。幻想的な雰囲気は八雲「耳なし芳一」に通じる。
戦乱の時代、琵琶湖の畔に住む2兄弟。1人は武士になりたい、
もう1人は大金をもうけたいという野心を抱く。長浜で瀬戸物を売り、
まずはうまく事が運ぶが、留守の間に嫁が娼 . . . 本文を読む
著者 窪島誠一郎 1998年講談社発行
県図書館のジュニアコーナーで発見、館内で読了。
長野県上田市にある戦没画学生の美術館「無言館」「信濃デッサン館」
の館長である著者が、同館の創設のいきさつと、個々の絵と画家を語っている。
関西で展覧会に行った人から絵葉書を貰ったりこともある。
一読、何という純粋な思いやりと、繊細な感受性の人だろうと、帰り道、感動をかみ締めながら家に急いだ。それにしても、 . . . 本文を読む
1977年 原作 藤原審爾 脚本 石森史朗 監督 富本壮吉
出演 山口百恵 三浦友和 レンタルDVDで鑑賞
色々借りてもう見るべきものも無いので選んだが、百恵ファンという訳ではない。
題名から、百恵は多分ズベ公(もう死語かな)かと思っていたら逆で、男がやくざで、百恵は良家のお嬢様。
意外にも三浦友和のチンピラが堂に入っている。丁寧な言葉遣いで男に迫るお嬢様(いまや絶滅したようだが)は、空疎な . . . 本文を読む
恒例の島根映画祭、テルサ劇場では土日が溝口健二監督特集。
24日(土)「山椒大夫」「近松物語」「雨月物語」10時・14時・16時半を見たが、
空き時間は周辺でつぶし9時間連続で外に出て(勤労者なら普通?)いたら
映画の感動とあいまって心も体も、山登りより消耗した。
観客は私より上(60代~70代以上)が大半で外国人もいた。
「高校・大学生にもっと見てほしかった」と往時を知る主催者は語った。 . . . 本文を読む
DVDで鑑賞 2000年 監督 ケヴィン・サリヴァン 出演 ミーガン・フォローズ
時代は1910年代の半ば。
アンとギルバートはNYに出るが、病院の医師・作家への夢は破れ、故郷アヴォンリーに帰ってくる。前年の夏、第一次世界大戦が勃発。当時カナダは英領で、ユニオン・ジャックが町にあふれ、同級生の男子ははりきって出征するし、ギルバートもついに戦場に。行方知れずの彼を追ってアンもフランスへ。
ここ . . . 本文を読む
2009年 米国 1h55 原題 My Sister's Keeper
鑑賞@松江SATY東宝 監督 ニック・カサベテス
出演 キャメロン・ディアス アビゲイル・プレスリン
「もう姉のドナーにはならない」という宣伝文句から、よくある姉妹の葛藤ものかと思ったが、英語の題は「妹の番人」。それから連想するのは「私は弟の番人ではない」つまり人類の始祖アダムの子カインが弟アベルを殺して「弟はどこにいる?」 . . . 本文を読む
1987年 人文書院 著者 J.P.サルトル 訳者 西永良成
サルトルが1958年にジョン・ヒューストンに頼まれ映画脚本として執筆した、フロイトの若き日の伝記。初稿は上映すると7時間以上にもなるので、推敲したらもっと長くなったとか。ヒューストンとの意見の違いも甚だしく、とうとうサルトルは、放り出してしまい、ほかの人が仕上げて、映画化された。題名は「フロイド、隠された欲望」1962でモンゴメリー・ . . . 本文を読む
2009年 2h 鑑賞@松江SATY東宝 原作 太宰治
監督 根岸吉太郎 出演 松たか子 浅野忠信
原作者・太宰治は20才の時から読んできた作家である。
だから何よりも、太宰治をスクリーンで見ると言う期待があった。
しかし、この映画はむしろ女性に焦点をあてているかのようだ。
浅野の演じる太宰が、硬くて乱暴で無表情で、かれ本来の柔らかさ、はにかみ、ユーモアが感じられなかった。(NHKの「知る楽」を . . . 本文を読む
南を中国山地で、残りの3方を低い山々や湖川で護られたこの難攻不落?の土地は、登山初級者には手頃な高さの山に恵まれていると、常々考えていたが「体育の日」のよく晴れた昨10月12日、いよいよ和久羅山(262m)に上ることにした。
市バス八束・大海崎線の市立女子高前で下車、20分で登山口に着く。
一応駐車場もあるが、バスを利用してエコ登山を目指す。
歩き出しはシンと静かで小鳥の声もしない。登山道は整備 . . . 本文を読む
出光美術館所蔵品より
県立島根美術館で10月1日~11月9日
台風が近づいているらしく、雲行きが怪しく、宍道湖は灰色に波立っている日に松江大橋の北詰めで車を降り、15分くらい歩いて、美術館へ。
安土桃山といえば牡丹や孔雀などの、絢爛豪華なイメージで、割ととっつきやすいが、会場でわたしの目を惹いたのは・・・・・・「韃靼人狩猟図屏風」(狩野光信)と「平家物語一の谷・屋島・壇の浦合戦図屏風」「阿国歌 . . . 本文を読む