著者:佐藤忠男
発行所:現代書館
2006年8月15日刊
(図書館より)
黒木和雄は、「紙屋悦子の青春」を遺作として、今年4月に
76歳で亡くなった映画監督であり、佐藤忠男は、日本・アジア
系には特に強い映画評論家だ。
二人とも、私には気になる存在である。その二人が組み合わさったのだから、ここは見逃すわけにいかない。
黒木は1930年生まれで、満州で子供時代を過ごし、宮崎で中学を出、同志 . . . 本文を読む
1950年 松竹大船 94分(10月25日高槻松竹で見る)
監督:大庭秀雄 原作:永井隆
出演:若原雅夫 滝沢修 津島恵子 月岡夢路
主題歌:「長崎の鐘」作詞:サトウハチロー 作曲:古関裕而
原爆を被災し、1951年に亡くなるまで、精一杯生きて、
歌、絵、文章で世界に発信し続けた、医学博士・永井隆の
半生を描いた映画。彼の生前、作られた。
かれが聖人ではなく短気で、そそっかしく忘れ物が多いな . . . 本文を読む
2005年 日本 107分(第七芸術劇場@十三・大阪にて10月28日鑑賞)
監督:梁英姫=ヤン・ヨンヒ
面白い映画だった!
冒頭、字幕で、近くて遠いあの国の歴史や対日関係の知識を
要領よく見せてくれる。
父と娘、父と母の会話は、間合いがよく、まさにボケと
ツッコミで、聞いていて小気味よく感じる。
大阪、生野区で生まれ育った在日2世の女性=ヤン・ヨンヒが、
朝鮮総連生え抜きの活動家である父とそ . . . 本文を読む
1957年東宝 58分(10月27日高槻松竹で見る)
監督:千葉泰樹 原作:林芙美子
出演:山田五十鈴 三船敏郎
戦後4年目。行商をしながらシベリア抑留中の夫の帰りを待つ
30歳の妻(山田五十鈴)。周囲は転落への誘惑で一杯だ。
隣りには、病気療養中の夫のため身を売る女性(淡路恵子)も。
ある日出会ったシベリア帰りの男(三船敏郎)に心引かれるが・・・
彼女の8歳の男の子が無心に歌う「異国の丘」 . . . 本文を読む
1976年 東宝映画 1h23(10月25日高槻松竹で見る)
監督:大森健次郎 原作:端野いせ
出演:中村玉緒 江藤潤 林寛子 二葉百合子
この映画が作られたのは、当時二葉百合子の歌が大ヒットしたためだ。そのころ、「母」と聞くと反射的に「母は来ました~」と歌い出す、男の子がいたのを思い出す。この歌は、ある世代のある人々には冗談の種でしかなかったのだ。
あまり期待せず見たのが良かったのか . . . 本文を読む
著者 瀬戸内晴美 初出 1955年
発行所 新潮社 2001年
「瀬戸内寂聴全集・第1巻」所収
(図書館より借入)
先日の毎日新聞で、瀬戸内寂聴さんの文章を読んだ。
そこに彼女の最初の作品の名が書いてあったので、すぐ図書館に予約する。
現在、尼僧として、人生を語り、尊敬を集めている彼女だけに、作家としての出発点に興味がわいた。
端的にいえば戦前の北京における女性同性愛が題材だ。
. . . 本文を読む
九州出身の新米教師(高峰三枝子)が東京の女学校で
奮闘するの記。原作は「坊ちゃん」「三四郎」の女性版パロディ。
1940年松竹大船 95分(映画館で鑑賞)
監督:清水宏 原作:獅子文六
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1967年 東映東京 1h46(10月20日高槻松竹で鑑賞)
監督:村山新治 原作:平岩弓枝
出演:佐久間良子 仲代達也 宮園純子 悠木千帆
NHKの朝の連続ドラマの映画化と聞くと大体どんなものか見ないうちに想像がつき、興味半減だが、原作が平岩弓枝ということを一筋の希望として見ることに。
で、結果、これはメラニーが主役の「風と共に去りぬ」ということが分る。
小樽駅に勤務する国鉄職員(仲代 . . . 本文を読む
1957年 大映 98分(映画館で鑑賞)監督:吉村公三郎 原作:島田清次郎出演:川口浩 香川京子 野添ひとみ 田中絹代 島田清次郎といえば「天才と狂人の間」という杉森久英の伝記があることしか、知らなかった。 この映画を見、本を読んで、彼が何と言う激しく純粋な生き方を貫こうとしていたかを、知って驚いた。大正時代の新世代は意外に現代と価値観が近いかのようだ。 母1人、子1人の貧しさのため、金沢第二中学 . . . 本文を読む
著者 長沢節 発行所 角川書店 1994年 (古書600円)
自転車の転倒がもとで亡くなった長沢節(1917-1999)はファッション・イラストレーターとして戦前戦後を通じて活躍し、エッセイや映画評でも、名高い。
三島由紀夫が彼のデッサン教室に通ったり、「仮面の告白」の表紙を依頼した(実現はしない)こともあったという。
「装苑」に71年から連載された映画評は85年に「セツの100本立映 . . . 本文を読む
1962年 日活・・・・東京・銀座。芸術家志望の若者群像の痛切な恋と友情。 . . . 本文を読む
時代は、売春防止法が制定された昭和31年(1956)の少し後。大阪釜が崎のドヤ街で、もと娼婦とその主人が出会って
1958年東宝 95分 木村恵吾監督 茂木草介原作(映画館で鑑賞)
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作詞:阪田寛夫(1925-2005) 作曲:大中 恩
1959(S34)「歌のおばさん」で初放送
この童謡は、あまりにも有名だ。人は想像する、東京の辺に住む男の子が、近所の2~3歳の女の子を歌ったものだと。ところが、事実は全然違っていた。
不明にして知らずにいたが、氏は大阪市生まれ、東大卒で、芥川賞を受賞し、「おお宝塚!(注)」「わが小林一三」の著書がある。小学生のころからの熱心な宝塚フ . . . 本文を読む
10/7-10/27 高槻松竹セントラルで14作品が上映されましたが、うち九
本をアップしました。
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野中邦子訳 G.PLIMPTON著
2006年 新潮文庫 2巻各820円
カポーティと関わった約170名が自分の経験から語っている伝記。貴重な発見も随所にある。
「読者はカクテルパーティに紛れ込んだような気分を味わうだろう」
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