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甲斐なき星


夫の母親は子どものときは虚弱児で、夏休み、小学校の藤棚の下で昼寝させられたという。
「この子は大きくなるまで生きないだろう」と親からも言われていたそうな。
ところが実際は弟妹をしのぎ、93歳をまじかに見る今日まで長生きした。

弱々しい人ほど、用心するので、長生きするということわざは

「きしるドアほど長持ちする」
  Creaking doors hang the longest.

「甲斐なき星が夜を明かす」

と洋の東西にある。ところで後のことわざは初耳だ。
「甲斐なき星」という表現は一瞬ピンとこなかったけれど
「見る甲斐のない」とか「在る甲斐もない」の略ではないかと思う。
小さく弱々しく光る星と明るく輝く星とを比べ、
後者はやがて山の端に消えてしまうが、前者は夜明けまで残る、
今のような明るい照明もない時代、暗い夜空をじっと見つめていた人々の
生活から生まれたことわざだろうと想像する。

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