映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
映画「白昼堂々」
1968 日本 99分 DVDで鑑賞
原作 結城昌治 監督 野村芳太郎 出演 渥美清 藤岡琢也 倍賞千恵子 フランキー堺
生田悦子 有島一郎 コント55号(萩本欣一、坂上二郎)桜京美 田中邦衛
九州に実在した泥棒の実話に基づく映画であると聞くと、犯罪映画かと思うが、
そこは松竹である、そのうち「ユーモアとペーソスの人情喜劇」になる。
閉山した炭鉱の失業者が一流スリの手ほどきを受け、労働争議で培った「機動力と結束力」で
各地で大胆な犯行に及ぶが、次第に追いつめられて、最後にデパートの売上げ数千万円を奪取しようと
もくろみ、ついに御用となる。
かれらは仲間同士の絆は強いが、警官との間にも友情らしきものが生じる。「お互い似た者同士」と言うセリフも出る。
この映画で最も鮮烈な印象を与えるのは倍賞千恵子、和装が似合う美人スリと言う設定だが、元々江戸っ子の彼女、
警官相手にポンポン切る啖呵と太ももの入れ墨がカッコよく、堅気の奥さんよりも、こちらの路線で行けばブレイクしたかも。
生田悦子も生き生きとした目力のある万引き娘。警官の新克利との淡い語らいもある。
有島一郎は万年巡査、しかしスリたちからは「捕まるならこの人に」と尊敬されている。
大スリ団の検挙後、警視総監表彰で感謝状と金一封貰うが、中身は金500円也、もともと薄給なのに、数千万円を救っても、これだけ、その上容疑者にかつ丼をおごらされちゃ、年中懐はピーピーだろう。定年退職後、熱海に旅行という夫婦愛のシーンもある。
侵入者があると、田中邦衛が「軍艦マーチ」を有線放送で流すが、最初の2小節はいつ聞いても明るい気分になる。
刑務所内でも渥美はスリの技術を磨く。看守からせしめた煙草に、ワッと群がる懲役人たち、みな懲りていない。
その後日談が「塀の中の中学校」(2010)で、別の道を選んだのが「家族」(1970)なのかも知れない。全国を行脚した家族ぐるみの犯罪と言えば「少年」(1969)」だ。
「塀の中の中学校」14-8-10
「家族」 14-3-20
「少年」 12-12-9
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