goo

断食中のゆめ

30歳の冬、暮れから正月にかけて、3週間、断食道場に滞在した。神奈川と静岡の県境ふきんの高台で、正味7日間の断食だ。日記から抜粋してみる。

1974年12月19日(入居3日目)

殺すの殺されるの、何者かに追われるのという悪夢。そして食べ物の夢。小豆の煮たのを、容器に3つほど(友人Y子が作ってくれた)口に持っていくが、変質しているのでがっかり。午睡中、ハンバーグを作りかけで目が覚める。

12月20日

母の言いつけでパンを買い歩く。近所のパン屋を一軒一軒思い出していた。

12月21日

駅前食堂で、やきそばとスパゲッティの混ったものを食べる夢。

12月24日

鹿児島の家で、父にホットケーキを焼いてあげる。白っぽくてペタンとしたのができておいしくない。母が焼くと黄色くふっくらしておいしそう。冷蔵庫を開けると、梨、パイナップル、トマト、林檎などあらゆる果物が入っている。今日で6日目に入るが、初日からの空腹感が一度も止まない。こんな例はごくまれなんだそうだ。

12月25日。

語学院の鈴木さんが、休日にお菓子を持って遊びに来てくれた。ほかに2人いて、そちらはもっと豪勢なお菓子を持っていて、お互いに半分ずつ分けて食べていた。場所は学院近くのバス停「和菓子の坂井」前のベンチだ。

12月31日

お菓子屋の店先。大福一つ10円が8円になっている。粒あんのお萩のパックが積んである。予算内でどう買おうかと計算していると、道場で隣室の子連れ4人家族の上村夫人が何か言訳しながら買ってゆく。

台所にハムの塊が下がっている。ナイフで切って食べかけると父が入ってきて「オヤ、自然食品ですね」と冷やかす。自分はワインをグラスで飲み、「あ、甘いばかりの果汁だった」といって私によこす。飲むとジュースのようだ。久しぶりの食物のゆめ。

こんなことを思い出したのは、2週間前から「朝食抜き」という「プチ断食」を実行中だから。独身者によくある「寝過ごして朝食抜き」ではない。一昨年の夏から、夜の明けるか明けないかの時刻に家を出て、1時間くらい歩く習慣が続いている。帰宅後入浴し、新聞やTVでニュースを見て、その後正午まで寝る。(夜3~4時間、午前中3時間くらい寝ている)空腹のまま寝るのは意外と気持が良いものである。

一日3回の食事の準備・片付が2回になると楽だし、食べ過ぎないので体にもいい。Kは2食では済まず、ちゃんと朝も作って食べている。

体重は今47㎏線上。当時は入所時52㎏が断食中に47㎏まで減り、退去する頃は48.5㎏までリバウンドしていた。私の今の年代ではやせ過ぎより小太りがいいと聞くけれど、べつに減量が目的ではなく、この方が調子が良いからだ。

→「22歳」8-12-23

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「晩年のボー... 3回目ワクチン... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。