映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
マリの正月
2013年12月08日 / 雑
古い知人から電話があった。
「息子が年末にマリに行くって言っているのよ。
マリって分る?アルジェリアの南にある国だけど
ガイドが防弾チョッキを着て銃を持っているらしいの。」
状況を言うと、彼女の電話はある病院からで、昨日から通算3回目である。何年ぶりかの電話なのに脈絡のない話を一方的にまくしたてるので「夕食の準備中なの、5分以内にして」というと、だれでも飛びつきそうな最強の話題というつもりか、息子の冒険を持ち出した。これがこちらも母親で、かつその子のことをずっと聞いており、そして話し手と現在、互いにいい関係であるという諸条件がそろえば期待通りに仰天し、心配し、同情するのだろうが、まずその息子のことは何年も聞いていないし、相手には昨日以来うんざりなうえに、我々は30年以上前に危険地域に飛び出した経験がすでにあるのである。相手を間違えている。
息子というのは日本の教育に絶望した親が英国に留学させたのがもう10年以上前、、
その後は何の報告もなく、どうなったことかと思っていたら、
「6年間の留学の甲斐あって独り立ちしている。毎年ロシアに渡航して前世はロシア人かと思っていたら……」と彼女。
そのような背景の30歳の男性が、家族と正月を過したくない気持はよく分る。
「本人が危いところに行きたいと思っているのだから、行かせれば?」
彼女「あなたは子供がないから分らないでしょうが、私は子供がかわいいもン」
私「子供を持つということは、こういう可能性があるという事じゃないの」
公衆電話からも携帯にかけられることを教え、Kの携帯に掛けるよう言った。
後で聞いたら、Kも息子のことは放っておけと忠告した由。
で、あれ以来、電話攻勢は止んだが、私の心には傷が残った。
「あなたは子供がいないからわからない」
この一太刀を浴びせる誘惑に子持ちの女性の何割かはなかなか抵抗できないらしい。
人は、自分に経験のない状況は判らない。それは子供がいるのといないの、双方に言えることである。
いる方だけが言うというのはどういうことか?彼らが多数派であるゆえに想像力がなく、それが原因の無神経と傲慢だ。
思うことは思っても口に出すと出さないで天地の差がある。
私の家族・友人・知人の中に決してそれを言わない人がおり、えらいものだと尊敬している。
最高の学歴があるのに平気でそう言う人には、何のための学問なのかと、憐憫を覚える。
本題に戻り、外務省の危険情報を検索したら、マリ共和国の北部は「渡航の延期をお勧めします」南部は「渡航の是非を検討してください」だから彼女の言うとおり、確かに危険であるようだ。はたして「息子」の命運はいかに、年末年始は、海外特にアフリカのニュースに注目しなくては。
→「ジャカランダの花」8-9-4
→「感情と金銭」11-4-28
→「主婦の年越し」8-12-4
→「ノーキッズウーマン」11-11-13
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 映画「ジャン... | 「変身」 » |
コメント |
コメントはありません。 |
コメントを投稿する |